ピレリ
ピレリが、F1中国GPの決勝レースを振り返った。

中国Gpのスタート前にはタイヤ戦略の選択肢が数多く存在したが、第2スティントで見られたミディアムタイヤの非常に力強い性能によって、シーズン中で屈指の厳しいサーキットで、上位15名が2ストップでフィニッシュすることができた。

複数の非常に長いコーナーと高いGフォースによって、上海サーキットは、特に左フロントタイヤに特有の厳しさを及ぼす。

しかし、2014年仕様のP Zeroタイヤの耐久性が向上したため、昨年の中国グランプリの勝利戦略が3ストップであったのに対し、メルセデスのルイス・ハミルトンは、わずか2回のストップで、開幕4戦で3連勝を果たすことができた。

ルイス・ハミルトンは、ポールポジションからソフトタイヤを装着してスタートし、直接のライバルたちよりも長い第1スティントを走行した。その後、ミディアムタイヤで長い第2スティントを走行したことが、ハミルトンの2ストップ戦略に不可欠な要素だった。この点は、2ストップでフィニッシュした他のドライバーも同様。最終的に、ルイス・ハミルトンは再度ミディアムタイヤで第3スティントを走行し、18.6秒差をつけて優勝した。この勝利は、ルイス・ハミルトンにとって通算25勝目となり、彼のボスであるニキ・ラウダや伝説のスコットランド人ドライバージム・クラークの記録と並んだ。

常に気温が20℃を下回った冷涼なコンディションと、トラックの非常に厳しい特性のため、3ストップの可能性が高いことが予想され、多くのチームがそれを視野に入れた。しかし、今年のピレリタイヤの耐久性向上によって、各チームが汎用的な戦略を採る中、2ストップが標準となった。気温18℃、路面温度21℃というコンディションは、昨年の気温28℃、路面温度40℃よりも非常に低いものだった。

マクラーレンのケビン・マグヌッセンのみがP Zeroホワイト・ミディアムタイヤでスタートし、他のドライバーたちはP Zeroイエロー・ソフトを装着してスタートを切った。

F1はヨーロッパラウンドへ向かう。スペイングランプリ後に、今シーズン2回目となる2日間のインシーズンテストが予定されている。テスト1日目にザウバーとトロ・ロッソが、2日目にフォース・インディアとマクラーレンが、ピレリとともに2015年型タイヤのテストを行う。

ポール・ヘンベリー (ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター)
「昨日の予選がウェットコンディションで行われたため、全ドライバーが決勝用のスリックタイヤを未使用状態で持っていました。序盤から戦略はオープンで、各ドライバーの可能性の鍵を握る第1スティントでのソフトタイヤ、第2スティントでのミディアムタイヤの性能により、2ストップになるか3ストップになるかが決しました。路面温度のわずかな上昇がソフトタイヤのグレイニング解消に効果が無いことが明らかになると、各チームは、ミディアムタイヤを主軸とする戦略を採りました。週末を通して気温は低いままでした(過去3年間で最も気温が低いレース週末でした)。このため、特にソフトタイヤにはグレイニングが発生し、バックストレートではマーブルが見られました。これらは、我々が見たくないものですが、このコンディションでは致し方ないと思います。ソフトタイヤのデグラデーションは、ラップあたり0.2秒を超えましたが、ミディアムタイヤのデグラデーションは、ラップあたり0.1秒未満でした」

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カテゴリー: F1 / ピレリ / F1中国GP