角田裕毅 ポイント圏外でもレッドブルF1が「良い週末」評価に識者が苦言

ビルヌーブは、チーム代表ローラン・メキースが角田裕毅の走りを前向きに評価した点について「過保護すぎる」と批判。
ポイントを逃したにもかかわらず「良い週末」と評するのは不当だとし、フェルスタッペンとのペース差やチームへの貢献度の低さを問題視した。
ビルヌーブ「彼はチームに何も貢献していない」
ジャック・ビルヌーブはSky F1ポッドキャストで次のように語った。
「チームが“いい週末だった”なんて言うのが理解できない。以前の週末よりはマシだったのかもしれないが、果たして“良い”と言えるのか?チームメイトからは依然として遠く離れている」
「彼はペースでも、チームへのポイント貢献でも、マックスのタイトル争いの支援でも、何一つチームにもたらしていない。経験も豊富だし、すでに彼のベストは見た。今は下降線にある」
「彼をなぜか過剰に保護しているように見える。“良い週末だった”なんて言えない。せいぜい“悪くはなかった週末”だっただけだ」
角田裕毅の去就は不透明、後任はハジャーとリンドブラッドが有力
角田裕毅は2025年シーズン開幕2戦後にリアム・ローソンに代わってレッドブルのシートを得たが、18戦中6戦でしかポイントを獲得しておらず、フェルスタッペンに予選で一度も勝てていない。夏休み以降6戦中3戦で入賞したが、メキシコGPでは予選・決勝ともに11位に終わった。
レッドブルは2026年のドライバーラインナップ決定を延期しており、その理由の一つとしてメキースは「角田裕毅の改善」を挙げている。しかし、ホンダとの提携終了を控えるチームは来季末での角田裕毅離脱が濃厚とみられている。
後任候補としては、今季デビューイヤーで印象的な走りを見せたアイザック・ハジャーが最有力。レーシングブルズではアービッド・リンドブラッドの昇格も確実視されており、この場合、角田裕毅とローソンが来季のレーシングブルズ残留を争う形となる。
PlanetF1.comによると、現状ではローソンがシートを失う可能性が高いとされている。
アストンマーティンの“救いの手”も消滅
角田裕毅は、アストンマーティンがホンダとの技術提携を開始する2026年に向けてリザーブドライバー就任が噂されていたが、先週チームはF2ドライバーのジャック・クロフォードを来季のサードドライバーに正式起用。角田裕毅にとって貴重な選択肢がまた一つ消えた形だ。
一方アルピーヌは2026年のレースシートをフランコ・コラピントとポール・アロンの間で検討中であり、角田裕毅がF1に残留できる可能性はレッドブル系に限られている。
ビルヌーブの批判の裏にある“評価の乖離”
ジャック・ビルヌーブの発言は辛辣だが、これは角田裕毅に限らず、彼が若手ドライバーにしばしば向ける「厳しめの評価」の一環でもある。ローラン・メキースはあくまで「改善の兆し」を認めたに過ぎず、“過保護”と断じるのはやや極端だ。
しかし、チームがフェルスタッペンのタイトル争いを支援する体制を重視しているのは確かであり、角田裕毅の役割が見直されているのも事実。残り数戦で結果を示せなければ、2026年のグリッドから外れる可能性が現実味を帯びている。
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