角田裕毅は「F1チャンピオンになれる器ではない」 チャドウィックが酷評

F1公式番組『F1 Show』でチャドウィックは「角田裕毅は有能なドライバーではあるが、F1チャンピオンになれる器ではない」と断言。2026年のレッドブル体制におけるシート争いについても「アイザック・ハジャーのほうがポテンシャルが高い」と述べ、入れ替えを支持する発言を行った。
角田裕毅は今季ここまで100戦以上のF1出走を重ねながら、いまだ表彰台経験がない。メキシコGPでは予選でQ2敗退を喫し、決勝も11位に終わるなど、厳しい状況が続く。チャドウィックの発言は、レッドブルが進める次世代ドライバー起用の流れを象徴するものであり、角田裕毅の将来に再び注目が集まっている。
チャドウィック「角田裕毅はレッドブル水準に達していない」
ジャミー・チャドウィックは『F1 Show』で次のように語った。
「角田裕毅は確かに“有能なF1ドライバー”ではある。でも、マックス・フェルスタッペンのように世界選手権を戦い抜けるタイプではない。彼にはもう十分な時間が与えられてきた。100戦以上走ってもいまだに表彰台に立てていないのだから、そろそろ決断すべきだと思う」
「アイザック・ハジャーのほうがはるかにポテンシャルを持っている。だから彼と入れ替えるべきだと思う」
チャドウィックによれば、レッドブルは「まだ決まっていない」と発言しているものの、実際には角田裕毅のシート喪失が「ほぼ既定路線」だと見ているという。
角田裕毅について辛辣評価を行ったジェイミー・チャドウィックマルコも角田裕毅の課題を指摘
レッドブルのモータースポーツ顧問ヘルムート・マルコも、角田裕毅の課題を明確に示している。メキシコGP予選後、ドイツ『Sky Germany』に対して次のように語った。
「レースでは良い走りをするが、予選では通常より後れを取っている。シングルラップでのパフォーマンスをもっと安定させる必要がある。それをどうにかコントロールしなければならない」
角田裕毅は2021年にアルファタウリからF1デビュー。2023年にはチームメイトのダニエル・リカルドを事実上グリッドから追いやる走りを見せたが、レッドブル昇格後はフェルスタッペンの陰に隠れ、結果を残せていない。現在はレーシングブルズのリアム・ローソンやアービッド・リンドブラッドが控えており、チーム内の競争は激化している。
また、2026年からホンダがアストンマーティンにパワーユニットを供給することもあり、角田裕毅がホンダ系ドライバーとしてアストンマーティンへリザーブ移籍する可能性も報じられている。
角田裕毅に突きつけられた「世界王者の壁」
ジャミー・チャドウィックの発言は、角田裕毅が「F1で走る資格はあるが、チャンピオン候補ではない」という厳しい評価を示すものだ。これは単なる個人批評ではなく、レッドブルが掲げる「タイトルを争う2枚看板」体制の中で求められる基準を示唆している。
タイトルを争う資質の定義チャドウィックが挙げた“マックス・フェルスタッペン基準”は、速さだけでなく精神的な安定性と一貫性を含んでいる。角田裕毅はこれまでにスピード面で光る瞬間を見せてきたが、予選やレースでのミス、波の大きさが評価を下げている。
次世代への移行期レッドブルとレーシングブルズは現在、2026年に向けた体制刷新の真っ只中にある。チーム首脳のローラン・メキースやマルコは、ハジャーやリンドブラッドといった若手育成に積極的で、角田裕毅の将来に直接影響を与えている。
ホンダ支援との関係変化2026年からホンダがアストンマーティンにパワーユニットを供給するため、角田裕毅の後ろ盾の一部がレッドブルから離れる。この構造変化は彼のF1キャリアに新たな局面をもたらす可能性がある。
今後の焦点
角田裕毅が残り3戦でフェルスタッペンとの差をどこまで縮められるかが最大の注目点となる。レッドブルが2026年ドライバー決定をアブダビGP前後に延期している中で、アイザック・ハジャーやリアム・ローソンの去就発表のタイミングも鍵となるだろう。
また、ホンダとの関係を軸にアストンマーティンへのリザーブ移籍が現実味を帯びており、角田裕毅の選択肢は限られつつある。
2025年シーズン終盤、角田裕毅はキャリア最大の分岐点に立たされている。チャドウィックのような辛辣な評価を跳ね返すためには、残り3戦で確かな結果を残すことが求められる。
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