角田裕毅 レッドブル昇格でF1キャリア危機「言い訳はもうできない」の声

ファンからは愛され、人気も高い角田裕毅だが、結果を残さなければ居場所を失うという現実が迫っている。モータースポーツ・コムに寄稿するクリスチャン・ニマーヴォルは、角田裕毅の現状について次のように語っている。
モータースポーツ・コムに寄稿するクリスチャン・ニマーヴォルは、角田裕毅の現状について次のように語っている。
「角田に残された言い訳は、もうほとんどない。彼は愛されるキャラクターだが、数字が冷酷に真実を突きつけている。レッドブル昇格後に獲得したポイントはわずか9にとどまり、その一方でマックス・フェルスタッペンは194ポイントと3勝を積み上げた。ミラノのカンパリでも飲み干せないほど苦い事実だ」
ニマーヴォルは、角田裕毅がF1デビュー以来、世界的な人気を築いたことを認める。ハリウッド女優クリステン・ベルが角田裕毅のTシャツ姿をSNSに載せたのもその証拠だ。可愛らしい外見と不器用さ、そしてコクピットでの激しさがファンを惹きつけてきた。しかし彼の速さは確かにある一方で「結果に結びついていない」と強調する。
2024年にはダニエル・リカルドを引退に追いやり、リアム・ローソンとの直接対決を制したが、2025年序盤の昇格を逃したのはクリスチャン・ホーナーが角田裕毅を評価していなかったからだとニマーヴォルは述べる。ローソンが失敗して戻された後、ようやく角田裕毅にチャンスが訪れた。
「私は2020年にグラーツのマルコのオフィスを訪ねたとき、彼が『なぜ誰もシューマッハばかり注目するのか。角田の方がはるかに才能がある』と語ったのを覚えている」とニマーヴォルは振り返る。

アルファタウリ時代、角田裕毅は無線での激昂や浮き沈みで注目を集めつつも、2023年のイモラ洪水では住民を助ける姿を見せた。フランツ・トストやピエール・ガスリーに支えられながら成長を遂げた過程も、ニマーヴォルは強調する。
そしてこう続ける。「メキースがレッドブルにやってきたことで角田には光が差した。ホーナーがフェルスタッペンにしか与えなかったパーツを彼にも回し、笑顔で迎える姿勢を見せた。しかしその分、角田は結果を残す以外に道がなくなった」
またニマーヴォルは「VCARBは扱いやすいのに角田はまだカーソルを正確に合わせられていない」と表現し、改善が急務だと警鐘を鳴らす。
さらに2026年以降のシート状況について「ホンダはアストンマーティンに専念し、席はすでに埋まっている。レーシングブルズに戻る道もなく、他チームも空席はない」と解説。もし角田裕毅が去れば「ハジャーが後任になる可能性が高い」との見方を示す。
結論としてニマーヴォルはこう締めくくる。「角田は極めて狭い立場に追い込まれている。残念だが、彼はドライバーとしても人間としても、F1にとって貴重な存在だ」
カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング