角田裕毅 レッドブルF1マルコ顧問が擁護「コンマ2~3秒遅いスペック」

結果だけを見れば不調に映るレースも続いているが、マルコはその背景に「機材面でのハンデ」があったと指摘し、「彼への信頼は揺らいでいない」と強調している。
角田裕毅がレッドブルに昇格した当初、彼はその速さの片鱗をいくつか見せていた。
日本GP予選ではレッドブルの戦略ミスによってQ3進出とポイント争いのチャンスを逃したが、マシンにほとんど慣れていない中で示したスピードは確かなものだった。
次戦のバーレーンでは9位に入ってポイントを獲得。チームメイトのマックス・フェルスタッペンが6位にとどまった中での結果だった。
さらにジェッダでは再びQ3進出を果たしたものの、オープニングラップの接触によりポイント加算はならなかった。
それでも、開幕数戦における角田裕毅のパフォーマンスは、本人にとってもチームにとっても希望の持てるものだった。
とはいえ、近週は角田裕毅にとって困難な時間が続いている。ただし、ヘルムート・マルコは「その背景には正当な事情がある」と説明している。

マルコ「角田裕毅はまだ我々の信頼を得ている」
フェルスタッペンがRB21に対して不満を抱いていることはよく知られており、特に2025年シーズン序盤にはその傾向が顕著だった。
レッドブルはマクラーレンとの差を縮めるべく、すぐさまアップデートを導入し始めた。
その成果は徐々に現れ、イモラではフェルスタッペンがピアストリやノリスを上回る純粋なパフォーマンスを見せた。
マクラーレンの優位は依然として明白だが、レッドブルはプレッシャーをかけられるほどの位置まで戻ってきている。
だが、角田裕毅にとってイモラでのクラッシュは大きな代償を伴うものだった。
決勝ではピットレーンスタートから10位まで挽回したが、この接触で彼が装着していた最新アップグレードは破損してしまった。
マルコは、ロジスティクス上の問題で角田裕毅がRB21の最新スペックを使えていないと明かす。
「もう1つ見逃せないのは、我々のマシンが金曜時点では大抵ひどい状態だということだ」とマルコは伊メディア『motorsport.it』に語った。
「それを予選までに修正するが、かなり大きなセットアップ変更が必要になる。マックスはすぐに適応できるが、角田裕毅は自信をつけるのに数周を要する。だが予選の段階では、すでに時間がない」
「バルセロナでは、イモラでのクラッシュの影響で角田裕毅のRB21には同じ技術仕様が搭載されていなかったことも指摘すべきだ」
このクラッシュは、3連戦の幕開けというタイミングで起きた点でも、極めて不運だった。
マルコによれば、24歳の角田裕毅は古い仕様のパーツを使わざるを得ない状況で、重要なパフォーマンスを失っていたという。
「マシンだけで見れば、角田裕毅はコンマ2~3秒分の不利を被っていた」とマルコは述べている。
それでも楽観できる理由はある
もちろん、こうした事情があっても、過去数戦のリザルトが変わるわけではない。
角田裕毅はオーストラリアや中国では大きなポイントを逃す不運に見舞われ、現在のチャンピオンシップの順位でも望んでいた位置には届いていない。
スペインGPでは、ザウバーとニコ・ヒュルケンベルグのように、適切な条件が揃えばミッドフィールドのチームでも上位勢にプレッシャーをかけられることが示された。
とはいえ、角田裕毅のここ数戦の結果は、彼の実力や将来性を正しく反映しているとは言い切れない。
2022年後半以降、経験豊富なチームメイトだったピエール・ガスリーに匹敵するパフォーマンスを見せて以降、角田裕毅は一貫して高いレベルの走りを披露してきた。
角田裕毅は安定して強い走りができるドライバーとしての地位を確立しつつある。
もちろん、レッドブル昇格後の最近のパフォーマンスは改善の余地があるが、それでも厳しい状況下でも彼は速さの兆しを見せている。
もしカナダGPでRB21の新しいフロア仕様を受け取ることができれば、角田裕毅にも再び挽回のチャンスが巡ってくるだろう。
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