角田裕毅 レッドブルF1での優先課題は「予選Q3でのパフォーマンス向上」
角田裕毅は、レッドブルF1のマシンで予選最終Q3でのパフォーマンス向上が現在の自分にとって「優先的に取り組むべき分野」であると認めた。

今季からレッドブル・レーシングのシートを得てマイアミグランプリで4戦目を迎える角田裕毅だが、これまでの2度のQ3進出ではQ2よりもタイムが伸びず、課題を露呈している。

「正直に言うと、ここ数戦ではQ3ですべてをまとめきれていません」と角田裕毅は語る。

「Q1、Q2と段階的にペースを上げていくんですが、Q3ではさらに一段階ギアを上げる必要があります。でも、マシンの限界をほんの2%でも超えると、それまでとはまったく違う反応を見せるんです。まだその特性を完全には予測できていません。それは経験とともに自然と身につくものだと思っています」

「Q3で力を出しきれていないのは事実ですし、それを改善できれば予選順位も上がり、レースでポイントを取るチャンスも広がる。戦略の柔軟性も増すので、間違いなく優先して取り組む必要があります」

一方で、マシンへの適応は進んでいると手応えも感じているようだ。

「完全に慣れるにはもう少し時間が必要だとは思いますが、これまでの進歩には満足しています。自信もついてきています。ただ、予選で100%限界まで攻めるとき、初めてそのマシンの真の挙動に直面する。そこが難しいポイントですね」と角田裕毅は語る。

「フリー走行1回目のスタート地点が、以前よりもやや後ろからのスタートになっている感覚です。新しいサーキットでは特に、限界を見極めるのに時間がかかる。Q3でまだマシンの新たな挙動に戸惑うことが多く、完全に対応しきれていないのが現状です。マシン自体が特別難しいとは思いませんが、限界を理解するには時間が必要です」

角田裕毅 レッドブル F1

角田裕毅は現在、F1で最も困難な任務の一つに挑んでいる。4度の世界王者マックス・フェルスタッペンのチームメイトという役割だ。フェルスタッペンの非常に独特なドライビングスタイルに合わせるには、特定のタイプのマシンが求められる。

これまで多くのチームメイトがその適応に苦しんできた中、角田裕毅はマシンの完成度に問題を抱えるレッドブル陣営に加わった。風洞と実際の走行データの間に食い違いがあり、マシンに課題が出ているという。

「正直、運転するのが複雑というわけではないです」と角田裕毅は語る。「もちろん簡単ではありませんが、VCARBでは、どの方向に動かしてももう少し寛容だったという印象があります」

「レッドブルのマシンは、よりシャープで狭いウィンドウの中で最適な性能を引き出す必要がある。でも、思っていたよりは乗りやすかったですね。VCARBより簡単とは言いませんが、最初に乗ったときの印象よりは良かったです」

フェルスタッペンと比べるとペースでは後れを取っているものの、角田裕毅は着実に学習を重ねている。第2戦のバーレーンGPでは9位入賞で初ポイントを獲得したが、翌週のサウジアラビアGPではクラッシュに終わった。

そして迎える第4戦を前に、角田裕毅は「何に取り組むべきか」が明確になってきたという。ただし、勝てるだけの速さをすぐに手にするのは簡単ではないとも認めた。

「時には、そのマシンの持つ難しさを受け入れなければならないこともあります」と角田裕毅は語る。「少しオーバーステアを感じたり、アンダーステア気味だったりしても、ラップタイムが良ければ、その方向性で進めるという判断も必要です」

前戦後には、チームから過去モデルのレッドブルマシンを用いたテスト走行の機会が与えられたが、シルバーストンの天候が影響したという。

「典型的なブリティッシュウェザーでした」と角田裕毅は笑う。

「路面が濡れていて、ウェットタイヤは持ち込まなかったので、ドライになるまでかなり長い間待つことになりました。最終的にはマシンにもトラブルが出てしまい、あまり走行はできませんでした。でも、それでも貴重な経験にはなりました」

「路面状況もコーナー特性も全然違ったので、以前のレースと比較して違いを感じ取るのは難しかったです。余計な混乱を避けるためにも、率直に感じたことだけを伝えるようにしました。とはいえ、走行距離を稼ぐには良いテストでした」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / F1マイアミGP