角田裕毅 激しい気性が悪評も「それがなければ僕はF1にいなかった」
だが、角田裕毅は同じ経験をしたことで、今シーズンははるかに上手くフラストレーションをコントロールできるようになった。
無線で悪態をつかないことの重要性を理解しているものの、24歳の角田裕毅は、もしキャリアの初期に感情をコントロールできていたとしたら、モータースポーツでここまでの成功を収めることはできなかっただろうと考えている。
基本的に、角田裕毅は悪態をつくことは自分の感情を表現し、胸のつかえを取り除くための手段だと考えている。
ESPNのネイト・サンダースにコース上でのフラストレーションをどう処理しているか尋ねられた角田裕毅は「僕の考え方は、ストレスを軽減するために、ある意味で大声で言いたいということでした」と答えた。
このやり方は角田裕毅にとって効果的だった。なぜなら、「それがなければ、僕はここにいなかった」からだ。しかし、チームから無線での悪態を減らすよう言われたため、角田は無線ボタンを押すのをやめ、イライラした時はヘルメットの中でそれを発散するようになった。
角田裕毅は自身のアプローチの変化について説明
「すべてが自分自身のためというわけではありません」とインタビューで角田は付け加え、チームを代表する立場になった今、ドライビング以外にもはるかに多くの責任があることを説明した。すべてのチームには複数のスポンサーがいるため、角田は自身のイメージを良好に保つ必要がある。
また、レッドブルが彼を冷遇している主な理由は、彼が冷静にレースができる成熟したドライバーではないと見なしているからだという複数の報道に不満を示しながら、アプローチを変えることを決意したのかもしれない。
24歳の角田裕毅の短気な性格が浮き彫りになった注目すべき出来事のひとつが、2024年のバーレーンGPだった。ベテランのダニエル・リカルドと並走していた角田は、RBのためにポイント獲得を目指していた。レース終盤、ピットウォールは、13番手で後ろにいたリカルドを先行させるよう指示した。
角田裕毅は、チームがより速いタイヤを履いていたチームメイトを優先したことに非常に腹を立てた。しかし、リカルドもポイントを獲得できなかったため、クールダウンラップ中にクラッシュしそうになるほど怒りをあらわにした。この行為は多くの人をいらだたせ、日本の天才ドライバーの悪いイメージにつながった。
角田裕毅：リカルドのおかげで冷静さを取り戻すことができた
バーレーンでの一件があったにもかかわらず、角田裕毅とダニエル・リカルドは和解し、ファエンツァのチームのために良い仕事をするために協力することにした。24歳の角田は、自分の過ちと、ミルトン・キーンズのトップが自分の態度に期待していることの全体像を理解していた。
レッドブルのようなトップチームで走るドライバーに必要なのは、ただ単に速いだけでは不十分であり、それと同じくらい重要なのは、チームの他のメンバーと協調できる気質と能力である。角田裕毅はリカルドのチームメイトとして、そのことを学んだ。
「外から見ると、以前の僕は、1周のタイムやパフォーマンス、ドライビングはまあまあでも、無線でのコミュニケーションや感情のコントロールがかなり欠けていたと思います。例えばダニエルと比較すると、大きな一歩です」と角田裕毅はリカルドと比較して自身の気質について説明した。
「トップチームはより完成度の高いドライバーを求めている」と気づいた角田裕毅は、今シーズン、その点に力を入れて大幅に改善した。しかし、レッドブルの幹部たちを説得してメインチームへの昇格を勝ち取るには、彼にとっては残念ながらまだ十分ではなかった。
代わりに、レッドブル・レーシングはリアム・ローソンと契約を結ぶことを決定し、角田裕毅は大きなフラストレーションを感じることになった。
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