関口雄飛
関口雄飛は、第58回マカオGPの決勝レースを4位で終えた。

12番グリッドからスタートした関口雄飛は、1コーナーの混乱をすり抜けて7番手まで順位を上げる。

「15周のレースで3回もセーフティカーが入る荒れた展開のレースでした」と関口雄飛は決勝レースを振り返った。

「シグナルが消えてスタートした瞬間に思い切ってコースの進行方向右側にクルマを振って加速しました。直感的に真ん中を進んだら危ないと思ったからです。結果としてこれがあたりリスボアコーナーを7番手で通過できました」

「その後は前を走るクルマの脱落もあり3周目には6番手にあがり、5周目までには5番手になりました。その後6周目には4位となったところで決勝レース2回目のセーフティカーが導入されました」

リスタートを決めた関口雄飛は2番手までポジションを上げる。

「このセーフティカーランまでに、前方に位置するクルマの挙動を観察していました。そして一番、走っていて自信のあったリスボアコーナーの進入に照準をしぼって10周目に2番手まであがれました」

「ところがこのころからタイヤがきつくなり、世界で最もコーナー通過速度が遅いメルコ・ヘアピンでさえクルマのリヤが滑るような状態でした。当然、後ろのクルマはこれを見逃すはずもなくストレートであっさり抜かれ、13周目には4番手と表彰台からはこぼれてしまいました」

「さらにタイヤがきつくなるだろうと予測していたときにウォールにヒットした車両があり、3回目のセーフティカーが入りました。結局、この時点の順位のままでレース距離を達成してチェッカーフラッグ。4位完走となりました」

2番手を走行していたときは「勝てるかもしれない!2番手を走行しながらそんな考えが頭をよぎりました」と関口雄飛は振り返る。

「でもここは世界のフォーミュラ3選手権の上位ランカーが集まるレースです。簡単ではありませんでした。エンジン、車、ドライバー全てが揃わないと勝てません。せめて表彰台にはのぼりたいと最後まで踏ん張ろうとしましたがかないませんでした。

「途中からモニター映像に走行シーンが映るようになり、リスボアコーナーなどでまわりのクルマと競りあったシーンが数多く映ったと、レース後に聞きました。世界舞台で自分の走りを印象付けることができ、自分の自信になりました」

全日本F3王者を獲得したにも関わらず、参戦前日という土壇場でシートを獲得した関口雄飛。世界の舞台で全日本F3王者の名に恥じない走りを披露した。

「参戦できる保証もない状態で、走りたいという気持ちだけでヘルメットとスーツをもってマカオまでやってきました。水面下で最後まであきらめずに動いてくれていたマネージャー様、僕をチームに紹介してくださった主催者のバリー・ブランド様、少ない時間のなかでクルマを仕上げてくれたミュッケ・モータースポーツのみなさまに感謝いたします」

「これからのことはまだわかりませんが、今夜はチームスタッフと一緒に美味しいお酒で乾杯します」

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カテゴリー: F1 / マカオGP