ウィリアムズF1、2026年型マシンを異例の早期完成へ 新規則対応を最優先
ウィリアムズF1は、2026年から始まる新レギュレーション時代に向け、ライバル勢よりも大幅に早い段階でマシンを完成させる方針を打ち出している。時間との戦いが激しさを増すなか、チームは年明け直後から本格的な検証作業に入る構えだ。

1月下旬にはバルセロナで最初のグループテストが予定されているが、チーム代表のジェームス・ボウルズは、ウィリアムズF1が1月のごく早い段階でマシン全体を完成させる計画であることを明かした。

「マシン全体を1月初めにVTTテストベンチに載せられる状態にしておく必要がある」とボウルズは独Auto Motor und Sportに語っている。

「おそらく、ここまで早く始めるのは我々が最初のチームになるだろう。2023年のように、不意を突かれる事態は二度と避けたい」

VTT(バーチャル・テスト・トラック)は、実走行を行う前に、エンジン、ギアボックス、サスペンションを含むマシン全体を静的なリグ上で動かし、疑似レース環境で信頼性を検証するためのシステムだ。実走テスト前に問題点を洗い出せる点が大きな特徴となっている。

ボウルズによれば、すでに最初のモノコックは完成しており、開幕数戦に向けたパーツ製造もフル稼働に入っているという。

「VTTテストの後には、バルセロナで始まる3日間のテスト前に、もう一度フィルミングデーを行うことになるだろう」とも付け加えた。

このアプローチは、近年のウィリアムズF1とは明確に異なるものだ。これまではマシン完成の遅れが序盤戦のパフォーマンスに影響するケースが少なくなかったが、今回はそれを根本から改めようとしている。

もっとも、早期完成には代償もあるとボウルズは認めている。

「数週間早く仕上げることで、多少のパフォーマンスを失う可能性はある。しかし、プログラム全体に遅れが出ないことを保証できる。それが今のウィリアムズF1にとって非常に重要なんだ」

一方で、先週報じられたアウディやアルピーヌがメインテストに先行して走行を行うという話題に関連し、Grada3は、アウディの1月最初の走行では2026年型パワーユニットの最終仕様がまだ投入されないと伝えている。シーズン開幕戦メルボルンまでに、さらなる進化が計画されているという。

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カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング