フェルナンド・アロンソ 「F1は“ピークDNA”には戻らない」

2001年にF1デビューを果たしたアロンソにとって、複雑化するハイブリッド管理は“レース”というより“高速で行う数学の試験”のように映っている。
「すべてのレギュレーションにはそれぞれ特別な特徴があるし、マシンや規則が違えば求められるドライビングテクニックも違う。この世代はその点で少しドラマチックだと思う」とアロンソは今週のメディア対応で語った。
「ラップを最適化するためのエネルギーマネジメントや、時には予選でさえ行わなければならない運転は、ドライバーの立場からすると少し厄介だ。100%で走りたいと思うけれど、今はそれ以上に少し考えなければならない」
一方でアロンソは、管理重視のカテゴリーに不慣れなわけではない。インディカーや世界耐久選手権での経験がそれを物語る。
「インディカーではレースの75%で燃料をセーブするのが主な戦いだった。WECではハイブリッドシステムとトラフィックを含めたエネルギーコントロールが中心だった。結局のところ、それもレースだ」と語った。
「本音を言えばフラットアウトで走れる違うマシンを望む気持ちはある。でもF1はこの方向へ進み、ハイブリッドパワーユニットの時代に入った。それにはこうしたエネルギーマネジメントが必要だし、我々も慣れていくと思う」
失われた“純血種”の時代
アロンソが最も強い言葉を使ったのは、F1の本質そのものについてだ。V10時代、軽量で高速、そして官能的なエンジンサウンドに包まれていた90年代後半から2000年代初頭こそが、F1の「ピーク」だったと語る。
「90年代後半や2000年代初頭に戻ることは決してないと思う。あの頃のマシンは軽く、速く、エンジン音も含めて、おそらくF1のDNAのピークだった」と述べた。
「今は別のF1へと移行している。良いか悪いかは分からないが、確実に違う」
「以前のほうが興味深かったと思うが、新しい世代に売り込まなければならない。我々は今のマシンが悪いとは言えないが、以前のほうが運転していて劣っていたと誰も言わないだろう。昔のマシンのほうがアドレナリンがあったし、限界で走っている感覚も強かった」
現代のコクピットはシステムに囲まれすぎているとアロンソは続ける。
「ゴーカートに乗れば、それが最も純粋なモータースポーツだと感じる。物理の限界でクルマを操るのは素晴らしいが、効率やロボットのような運転で最大効率を目指すのとは違う」
「いくつか興味深い要素はあるし、それらを少し試していくことになるだろう。しかし私は、あまり多くのシステムがドライビングスタイルやコーナーへのアプローチに干渉しないほうが好みだ」
「運転中に少し考えすぎなければならないように感じる。それはステアリングを握る喜びが減るリスクでもある」

構造化される現代スポーツ
アロンソは、この変化をモータースポーツに限った話ではないと捉えている。
「ここ数十年の世界の流れだと思う。モータースポーツだけではない」
「サッカーやバスケットボール、NBAなど、他の多くのスポーツでも同じだろう」
「20年前なら、ある選手が魔法の夜を迎えて試合を決めることがあった。今はより構造化され、メカニズムが必要だ。バスケットボールでもパフォーマンスを発揮するための仕組みが重視されている」
「この世代では、誰かのひらめきやインスピレーションは少し忘れられつつある」
アロンソにとって、F1は魂を失ったわけではない。しかし、その魂は確実に、計算された一行一行によって書き換えられつつある。
カテゴリー: F1 / フェルナンド・アロンソ / アストンマーティンF1チーム
