メルセデス連合?ウィリアムズF1もレーシング・ポイント裁判から撤退
ウィリアムズF1は、レーシング・ポイントに対するFIAの裁定に上訴しないことを決定。F1マシンのコピーに関する“最も根本的な懸念”が解消されたためだと説明した。

FIAは、ルノーF1が抗議したレーシング・ポイント R20のリアブレーキダクトに関して、競技規約に反する設計プロセスを採用しているとして40万ユーロ(約5000万円)の罰金とコンストラクターズ選手権における15ポイントの剥奪という罰則を科した。

レーシング・ポイントは、2019年に購入が可能な“ノン・リステッド・パーツ”だった時期にメルセデスからブレーキダクトを購入したが、2020年にブレーキダクトは自チームで設計が必要な“リステッド・パーツ”に分類されたため、2020年のパーツはモデリンクする際にコピーされたと見なされた。

だが、裁定は競技規則の違反であり、技術規則には違反ではないため、レーシング・ポイントは残りにシーズンも該当ブレーキダクトを使用できる。そのため、ライバルはペナルティの寛大さに異論を唱えた。

裁定に対する上訴には96時間の猶予が与えられており、ウィリアムズ、マクラーレン、ルノー、フェラーリは上訴の移行の意思をFIAに通知。レーシング・ポイント自身も裁定を明確化するために上訴する予定となっている。

8月11日(火)の段階でフェラーリとルノーは手続きを継続することを確認したが、マクラーレンは上訴を取り下げることを選択。12日(水)にはウィリアムズも手続きを取り下げた。

「慎重に検討した結果、ウィリアムズは正式な控訴を続行しないことを選択した」とウィリアムズF1の声明は述べた。

「2021年以降の大規模なマシンコピーの禁止を求めるFIAの決定は、我々の最も基本的な懸念に対処しており、F1のDNAとウィリアムズのコアの信念と原則に不可欠なスポーツ内のコンストラクターの役割と責任を再主張するものだと信じている」

FIAはすでに、レーシング・ポイントの訴訟を受けて、2021年のF1世界選手権のレギュレーションで模倣マシンのデザインを非合法化することを確認している。

ウィリアムズの副チーム代表であるクレア・ウィリアムズは、先週末のシルバーストンの時点では、違法なプロセスで設計されたパーツが今年もレースで使用し続けることができる理由を理解するのは難しいと語っていた。

「1つの混乱する要素は、競技規則と技術規制との間の不一致であり、事実上、レースカーに装着されるべきではない違法なパーツと見なされていたものを走らせることができることです」とクリア・ウィリアムズは語っていた。

「事実上、それは別のチームからある程度コピーされたものです。私にとって、それは適切なものではありません」

「レギュレーションに違反していたマシンがまだそれらのパーツを走らせることを許可されているのはファンにとっても紛らわしいことです。いずれにしろ、私にとってはそれはあまり意味のないことです」

今回、マクラーレンとウィリアムズが上訴を取り下げた背景には、両チームとも来年メルセデスのF1エンジンを搭載することがあると考えられている。メルセデスは、レーシング・ポイント、マクラーレン、ウィリアムズと10チーム中4チームと最大の政治力を持つことになる。(フェラーリは2チーム、レッドブルは2チーム、ルノーは1チームのみ)

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カテゴリー: F1 / ウィリアムズ・レーシング / メルセデスF1 / レーシングポイント