マックス・フェルスタッペン ピケJr.の「メルセデスF1移籍」は意図的?誤爆?

ブラジル人元F1ドライバーであり、フェルスタッペンのパートナーであるケリー・ピケの兄でもあるネルソン・ピケJr.は、ポッドキャスト『Pelas Pistas』で語った中で「来年はメルセデスでマックスと一緒に…」と発言。この“うっかり発言”が本心から出たものか、それとも単なる言い間違いかをめぐり波紋が広がっている。
ピケJr.はイギリスGPを振り返る中で「シルバーストンはメルセデスにとっていい週末じゃなかった」としたうえで、「でも来年はマックスがいるかも」と語った。これに驚いた司会のチアゴ・アルヴェスが反応すると、ピケJr.はさらに続けてこう語った。
「もう話はしてるよ、みんな知ってることじゃない? あとは契約の細部を詰めるだけ。もうオプションとして知られてるし、ちゃんと話は進んでる」
そしてフェルスタッペンが2026年もF1に出場するのか、それともサバティカル(休養)を挟むのかと問われると、ピケJr.は明言した。
「出るよ。8月までには決断する必要がある。契約の最終調整を終えるか、それが決裂するかだ。でも僕としては移籍してくれたらクールだと思う」
その後、司会者が「残留か、それとも移籍か?」と尋ねると、ピケJr.は一言、「移籍だ」と返した。
この発言が事実であれば、メルセデスが2026年に向けてフェルスタッペンを起用する可能性がかなり現実的になってきたことになる。

メルセデス側は現時点でジョージ・ラッセルおよびキミ・アントネッリと2026年の契約を結んでおらず、トト・ヴォルフ代表はその件について沈黙を保っている。レッドブルは2028年までの長期契約をフェルスタッペンと結んでいるものの、成績に基づく“パフォーマンス条項”が存在するとされ、7月末のハンガリーGP終了時点でランキング4位以下の場合には契約を解除できるとの報道もある。
しかし、現在フェルスタッペンはランキング3位で、5位のシャルル・ルクレールに対して46ポイント差をつけており、理論上その条項は発動されない見通し。唯一の現実的な離脱方法は、1億ポンド(約200億円)超とされる買い取り金での契約解除だ。
レッドブル側もフェルスタッペン引き留めのために動いてきたとみられ、特にクリスチャン・ホーナー代表の解任はその一環との見方もある。昨年はホーナーとフェルスタッペンの父ヨスが激しく対立し、レッドブル内の不和が公になった。ドイツ『Sky Sports』のポッドキャストでラルフ・シューマッハが明かしたところによると、今季イギリスGPでもヨスとホーナーの間に“口論があった”という。
ゲルハルト・ベルガーはこの動きを「チームの安定化、そしてマックスを引き戻すための動きだ」と評しているが、仮にピケJr.の発言が“暴露”だったとすれば、その努力は水泡に帰すかもしれない。
フェルスタッペン自身はこの件についてのコメントを避けており、「あれこれ言えば言うほど報道が増えるだけ」とし、「自分の将来は自分で決める」と強調している。
レッドブルに残るのか、それとも“F1界最大の移籍劇”が現実となるのか――その答えは、8月に明かされることになりそうだ。
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