F1王者フェルスタッペン「プレッシャーはない」ノリス&ピアストリに精神的優位

メキシコGPではRB21が完璧ではなかったものの、フェルスタッペンは3位を確保。チャンピオンシップリーダーのランド・ノリスとオスカー・ピアストリとの差を36ポイントまで縮めた。残り4戦(2スプリントを含む)で116点が獲得可能な状況において、彼は依然として王座奪還のチャンスを手にしている。
「勝つことが最も重要」冷静な王者の視点
「雨のレースは常にチャレンジングだし、このサーキットでは特にそうだ」とフェルスタッペンは語る。「去年のレースは間違いなくキャリアの中でもベストの一つだった。多くのプレッシャーの中で完璧に走らなければならなかったからね」
ただし、「キャリア最高」とまでは言わなかった。
「どれがベストレースかなんて決めるのは不可能だよ」と彼は続ける。「結局のところ大事なのは勝つこと。後方からでも先頭からでも、退屈なレースでも、勝てばいい。僕は毎週末、できる限り多くのポイントを稼ぐためにここにいるだけだ」
メキシコでは完璧な週末ではなかったが、それでも表彰台を確保した。「他のサーキットでは僕たちが強くて、マクラーレンが取りこぼしたケースもあった」とフェルスタッペンは説明する。「マシンがサーキットに合うかどうかの違いもあるし、まだ僕たちはすべてのトラックでベストではない。ブラジルは全く違うレイアウトだし、どうなるか見てみよう」
「今のF1では簡単じゃない」勝負の終盤戦
フェルスタッペンは現時点で首位ノリスに36ポイント差、ピアストリに35ポイント差を追っている。
「ここから先は毎週末もっと多くのポイントを稼がなければならない」と彼は語る。「もし2023年のようなシーズンなら、この状況からでも余裕で逆転できた。でも今季は全く違うんだ」
「僕たちは週末を最適化し、完璧にまとめ上げる必要がある。それに加えて、どこかで少し運が必要かもしれない。でも全力を尽くす。それでタイトルを獲れれば最高だし、獲れなくても最悪3位だ。失うものはほとんどない」

マクラーレンの“二人の挑戦者”と一人の王者
タイトル争いの心理戦も興味深い。フェルスタッペンにはレッドブルの圧倒的サポートがあるが、マクラーレンはノリスとピアストリという2人の挑戦者を抱えている。チームは両者を平等に扱おうとしているが、時に内部での緊張が生まれている。
「僕はチームと長くやってきたから、お互いをよく知っているし、成功も重ねてきた」とフェルスタッペンは語る。「マクラーレンでは二人のドライバーの間に多少の分散や混乱があるかもしれない。でも僕にとっては、そんなことより速いマシンをくれるほうが大事だ。最速のマシンを渡してくれれば、それをできるだけ速く走らせるだけだ」
「プレッシャーはない」チャンピオンの心の余裕
「僕にはプレッシャーはない」とフェルスタッペンは断言する。「たとえタイトルを逃しても、今季の走りには本当に満足している。このパフォーマンスをもう一度再現するのは難しいだろう。シーズン序盤に100ポイント以上離されていたのに、今こうしてタイトル争いをしていること自体、チームの努力の証だよ」
「チームは一度も諦めなかった。その粘り強さが強みなんだ」
ブラジルで試される“王者の心”
フェルスタッペンがこのまま逆転で5度目の王座を掴むか、それともマクラーレン勢が初タイトルを手にするか──。舞台は再び、ドラマの聖地インテルラゴス。雨と戦略、そして精神力が、2025年シーズンの結末を左右することになりそうだ。
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