マックス・フェルスタッペン F1タイトル差を縮めるもFIA判定巡り他陣営が激怒

しかしレース後は、FIA(国際自動車連盟)の判定をめぐって他陣営が一斉に反発。フェルスタッペンのコース外走行にペナルティが科されなかったことに対し、ジョージ・ラッセルやフレデリック・バスールらが怒りを露わにし、メキシコGPは再び“裁定論争”の渦中に置かれる結果となった。
「完璧な週末でなければ勝てない」とフェルスタッペン
「序盤の混乱を考えれば、P2を争えたのは強い結果だ」とフェルスタッペンはレース後に語った。「ランドには10ポイント失ったけど、週末が完璧じゃなかった。それが答えだ。タイトルを取るには、完璧な週末が必要なんだ」
フェルスタッペンはまた、今季のレッドブルが全ての状況で速さを発揮できていないと認めた。「すべてのシナリオで速いわけじゃない。そこをもっと理解する必要がある」と冷静に分析している。
FIA判定に不満噴出:ラッセル「正しく走る者が罰せられる」
レース中の判定をめぐり、複数のドライバーやチームがFIAの対応を強く批判した。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、フェルスタッペンが3コーナーでコース外走行をしたにもかかわらずペナルティを受けなかった点を問題視し、「正しく走る者が罰せられている」と発言。これにより「FIAがタイトル争いを人工的に接戦にしているのでは」との声も広がった。
フェラーリ代表のフレデリック・バスールも怒りを隠さず、「マックスはシケインをカットしても罰せられなかった。我々は10秒のペナルティを受けたのに」と不公平な裁定を非難。フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)も「FIAは時に見て見ぬふりをする」と同調した。
マルコ「サインツがフェラーリへの餞別をした」
終盤、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)のスピンによって導入されたバーチャル・セーフティカー(VSC)が、フェルスタッペンのシャルル・ルクレール追撃を阻んだ。
レッドブルの顧問ヘルムート・マルコは「我々は全員、マックスが2位に届くと確信していた。だがサインツがフェラーリへの遅すぎる餞別をした」と皮肉を交えたコメントを残した。
メキース「プロ・フェルスタッペン的批判は的外れ」
一方、レッドブル代表ローラン・メキースは、FIAの裁定がフェルスタッペンに有利だったという批判を笑い飛ばした。「話しているのが誰かを考えてほしい」と苦笑し、以前から確執のあるラッセルへの当てつけを交えた。

ブラジルでの巻き返しに意欲
フェルスタッペンは「ギャップは大きい。これからのレースを全部勝たなければ、もう可能性はない」と語り、残り4戦への覚悟を示した。
マルコも「我々はどのサーキットでも依然として競争力がある。今回は最適なセットアップを見つけられなかっただけだ。次のブラジルはスプリントもあるし、雨の可能性もある。楽観的に見ている」と語る。
フェルスタッペンの逆転には、“完璧な週末”が不可欠だ。レッドブルが再び一貫性を取り戻せるか――ブラジルGPが今季タイトル争いの分水嶺となる。
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