フェルスタッペン F1オランダGPでの走りにメキース驚嘆「今でも言葉を失う」
レッドブルF1の新チーム代表ローラン・メキースは、2025年F1第15戦オランダGPを終えて、自身のチームの絶対的エースであるマックス・フェルスタッペンの走りについて「今でも我々を驚かせる」と語り、その才能に改めて賛辞を送った。

母国で大観衆の声援を背に走ったフェルスタッペンは、結果として2位に終わったものの、その中で見せた果敢なオーバーテイクや冷静沈着なレース運びは、レッドブルにとって大きな誇りとなった。

フェルスタッペンは2016年にレッドブルに加入して以来、すでに4度のワールドチャンピオンに輝き、数え切れないほどの記録を更新してきた。今季はマクラーレン勢が圧倒的な速さを誇り、選手権争いの主役は彼らに移っているが、それでもフェルスタッペンは最有力な挑戦者として常に立ち向かい続けている。その姿は、今回のザントフォールトでも鮮明に表れていた。

決勝レースで3番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、前列を独占したマクラーレン勢に割って入るべく、スタート直後から攻めの姿勢を崩さなかった。第2コーナーでの進入時には、ランド・ノリスに対して果敢にアウトサイドへ飛び込み、際どいライン取りで2番手に浮上。ホームストレートから続く高速区間で観客の大歓声を背に、その技術と胆力を示した。やがてノリスに順位を奪い返されはしたが、ノリスが終盤にマシントラブルでリタイアしたため、フェルスタッペンは最終的に2位でチェッカーフラッグを受け、優勝したオスカー・ピアストリに次ぐ成績を残した。

メキースはその場面について強い驚きをもって振り返った。

「1周目のピットウォールで、毎日彼と仕事をしている我々ですら驚かされた」とメキースはF1.comに語った。

「どうやってあの動きをしたんだ?どうやってクルマをコース上に残したんだ?と思ったよ。スパのスプリントでも同じだった。あのときも彼はスタートでマクラーレンを抜いた。チャンスは一度きりだと分かっていて、彼は全力を尽くした。そういう走りを見ると今でも言葉を失う。本当に素晴らしい」

フェルスタッペンが見せた大胆な走りは、今季序盤から幾度となくファンとチームを驚かせてきた。特にスパ・フランコルシャンでのスプリントレースでは、スタート直後にピアストリを抜いて勝利を収めており、その時も「ここしかない」と見極めた瞬間にすべてを賭ける決断力が光った。メキースが「まだ驚かされる」と評するのは、単なる速さや記録ではなく、その一瞬の勝負勘と集中力の高さにほかならない。

マックス・フェルスタッペン F1 オランダGP

また、オランダGPはフェルスタッペンにとって特別な舞台でもある。彼はこれまでに母国で3勝を挙げ、毎年サーキットはオレンジ色に染まる大観衆の熱気に包まれる。その光景はF1カレンダーの中でも屈指の雰囲気を誇り、ドライバーにとっては時に大きなプレッシャーとなり得る。しかし、フェルスタッペンはそれをものともせず、むしろ冷静さを失わない強さを見せつけてきた。

「マックスのレース運びを見ていると、どれほどの注目やプレッシャーがあっても非常に落ち着いている」とメキースは付け加えた。

「彼は週末の臨み方をとても体系的に組み立てている。だから彼にとってもチームにとっても、ここオランダだからといって特別に慌ただしくなることはなかった。我々はむしろファンから良いエネルギーをもらえた」

オランダGPは地元ファンが熱狂するフェスティバルのような雰囲気を持つ一方で、その期待を背負うフェルスタッペンにとっては精神的負荷も大きいはずだ。しかし、彼はそれを受け止め、冷静に自らのペースを刻み、チームに確かな結果をもたらした。その姿勢こそが、メキースをはじめとするレッドブル陣営を今なお「驚かせ続ける」理由だといえる。

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カテゴリー: F1 / マックス・フェルスタッペン / レッドブル・レーシング / F1オランダGP