WRC | トヨタ 第10戦 ラリー・ドイチェランド デイ3レポート
2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC) 第10戦 ラリー・ドイチェランドの競技3日目デイ3が8月24日(土)にドイツ西南部のボスタルジーを中心に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が首位を守った。また、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)はタナックと32.4秒差の総合2位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は総合3位に順位を上げ、トップ3をヤリスWRCが占めた。
今大会最長のデイ3は、前半ザールラント州の2本のカントリーステージを各2回走り、その後バウムホールダー軍事演習場内で2本のステージを各2回走行。8本のSSの合計距離は157.92kmだった。デイ2で首位を守り総合2位のライバルに2.8秒差をつけたタナックは、オープニングのSS8でその差を1.5秒に縮められたが、SS9でベストタイムを記録し差を6.7秒に拡大。その後、SS12まで激しい首位争いが続いた。しかし、今大会最長となる全長41.17kmのSS13「パンツァープラッテ1」でベストタイムを記したタナックのリードは一気に拡大。首位の座を確かなものとした。また、SS13では、総合4位につけライバルと表彰台争いを続けていたミークが総合2位に、総合5位につけていたラトバラが総合3位に順位を上げた。その後ラトバラはSS14で、ミークはSS15でベストタイムを記録。チームの全選手がヤリスWRCから速さを引き出し、非常に良い形でデイ3を締めくくりった。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCでWRCに出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組(17号車)は、デイ3も全てのステージを堅実に走破。SS14ではタイヤのエアー抜けに見舞われたが、落ち着いて対処し総合10位に順位を上げてデイ3を終えた。
トミ・マキネン(チーム代表)
チーム全体にとって素晴らしい1日となりました。軍事施設内のステージは非常に重要でしたが、我々の全ドライバーは称賛に値する仕事をしました。特に、パンツァープラッテでは何も問題がなく、クルマも非常に速かったと思います。3台とも非常に良い順位につけていますし、選手権争いにとっても有利な展開です。とはいえ、明日も難しいブドウ畑のステージが続くので、最後まで気を引き締めて臨まなければなりません。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今朝は本当に限界近くまで攻めましたが、ミスをせずクリーンな走りをすることも忘れはしませんでした。午後のバウムホールダーのステージは今年非常にトリッキーだったので、特に2走目は順位を守ることだけを考えて走りました。ステージはとても荒れていて、石が多く転がっていたので、それを全て避けるのに苦労しました。大変なプレッシャーを感じましたが、ベストを尽くし何とかクリアしました。チームとしては、戦況を上手くコントロールできていると思います。明日は全員が力を合わせて戦えば、最後までこの順位を保ち続けることができると信じています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
全体的にとても良い1日でした。今朝はブレーキングのことを気にし過ぎて少しフラストレーションが溜まりましたが、2本目のステージを走り終えた後トミから電話がかかってきて「落ち着いてリラックスして走りなさい。慌てる必要はないし、ただ運転に集中すれば良い方向に向かうから」とアドバイスされました。その後状況は少しずつ良くなり、担当エンジニアのタービのお陰もあってクルマのグリップレベルが上がり、午後はとても良いフィーリングで走れました。今、何よりも重要なのは、チームに最大ポイントをもたらせるように集中することです。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
今朝のステージはあまり良く知らなかったので、少し不安でした。それだけに、最初のステージを走り終えて総合3位のライバルと3秒差だったので安心しました。午後のパンツァープラッテは、状況が一気に変わる可能性がありましたが、良いペースで走ることができました。今晩のクルマの仕上がりは特に素晴らしく、パンツァープラッテの2回目の走行に向けてもセットアップをまったく変えませんでした。路面は少しクリーンになっていたので、1走目よりもさらにタイヤのグリップに自信を持って走れました。チームにとっては完璧な展開ですが、明日のステージは日曜日としては比較的長いので、この順位を守るため最後まで戦い続けなければなりません。
ラリー・ドイチェランド デイ3の結果
1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 2h27m21.9s
2 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +32.4s
3 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +41.8s
4 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m10.8s
5 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m35.2s
6 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m37.3s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m43.1s
8 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +2m09.7s
9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +6m02.6s
10 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリスWRC) +6m57.4s
明日のステージ情報
競技最終日となる8月25日(日)のデイ4は、サービスパークの北側、モーゼル河畔に広がるブドウ畑内のステージを各2回走行する。そのうちSS17の再走ステージとなるSS19「ダオンタール2」は、トップ5タイムを記録したドライバーおよびコ・ドライバーに対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は79.50km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は286.52kmとなる。
注目のステージ
SS17/19 ダオンタール 全長11.69km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
パワーステージに指定された「ダオンタール」は、全長11.69kmと短いステージですが、挑戦し甲斐があります。ブドウ畑内の狭路はヘアピンコーナーが続き非常にツイスティですが、それだけでなく、幅が広いメインロードも途中で走るためリズム変化への対応が求められます。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
今大会最長のデイ3は、前半ザールラント州の2本のカントリーステージを各2回走り、その後バウムホールダー軍事演習場内で2本のステージを各2回走行。8本のSSの合計距離は157.92kmだった。デイ2で首位を守り総合2位のライバルに2.8秒差をつけたタナックは、オープニングのSS8でその差を1.5秒に縮められたが、SS9でベストタイムを記録し差を6.7秒に拡大。その後、SS12まで激しい首位争いが続いた。しかし、今大会最長となる全長41.17kmのSS13「パンツァープラッテ1」でベストタイムを記したタナックのリードは一気に拡大。首位の座を確かなものとした。また、SS13では、総合4位につけライバルと表彰台争いを続けていたミークが総合2位に、総合5位につけていたラトバラが総合3位に順位を上げた。その後ラトバラはSS14で、ミークはSS15でベストタイムを記録。チームの全選手がヤリスWRCから速さを引き出し、非常に良い形でデイ3を締めくくりった。
TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCでWRCに出場した勝田貴元/ダニエル・バリット組(17号車)は、デイ3も全てのステージを堅実に走破。SS14ではタイヤのエアー抜けに見舞われたが、落ち着いて対処し総合10位に順位を上げてデイ3を終えた。
トミ・マキネン(チーム代表)
チーム全体にとって素晴らしい1日となりました。軍事施設内のステージは非常に重要でしたが、我々の全ドライバーは称賛に値する仕事をしました。特に、パンツァープラッテでは何も問題がなく、クルマも非常に速かったと思います。3台とも非常に良い順位につけていますし、選手権争いにとっても有利な展開です。とはいえ、明日も難しいブドウ畑のステージが続くので、最後まで気を引き締めて臨まなければなりません。
オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今朝は本当に限界近くまで攻めましたが、ミスをせずクリーンな走りをすることも忘れはしませんでした。午後のバウムホールダーのステージは今年非常にトリッキーだったので、特に2走目は順位を守ることだけを考えて走りました。ステージはとても荒れていて、石が多く転がっていたので、それを全て避けるのに苦労しました。大変なプレッシャーを感じましたが、ベストを尽くし何とかクリアしました。チームとしては、戦況を上手くコントロールできていると思います。明日は全員が力を合わせて戦えば、最後までこの順位を保ち続けることができると信じています。
ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
全体的にとても良い1日でした。今朝はブレーキングのことを気にし過ぎて少しフラストレーションが溜まりましたが、2本目のステージを走り終えた後トミから電話がかかってきて「落ち着いてリラックスして走りなさい。慌てる必要はないし、ただ運転に集中すれば良い方向に向かうから」とアドバイスされました。その後状況は少しずつ良くなり、担当エンジニアのタービのお陰もあってクルマのグリップレベルが上がり、午後はとても良いフィーリングで走れました。今、何よりも重要なのは、チームに最大ポイントをもたらせるように集中することです。
クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
今朝のステージはあまり良く知らなかったので、少し不安でした。それだけに、最初のステージを走り終えて総合3位のライバルと3秒差だったので安心しました。午後のパンツァープラッテは、状況が一気に変わる可能性がありましたが、良いペースで走ることができました。今晩のクルマの仕上がりは特に素晴らしく、パンツァープラッテの2回目の走行に向けてもセットアップをまったく変えませんでした。路面は少しクリーンになっていたので、1走目よりもさらにタイヤのグリップに自信を持って走れました。チームにとっては完璧な展開ですが、明日のステージは日曜日としては比較的長いので、この順位を守るため最後まで戦い続けなければなりません。
ラリー・ドイチェランド デイ3の結果
1 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) 2h27m21.9s
2 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +32.4s
3 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +41.8s
4 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m10.8s
5 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +1m35.2s
6 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +1m37.3s
7 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +1m43.1s
8 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +2m09.7s
9 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタWRC) +6m02.6s
10 勝田 貴元/ダニエル・バリット (トヨタ ヤリスWRC) +6m57.4s
明日のステージ情報
競技最終日となる8月25日(日)のデイ4は、サービスパークの北側、モーゼル河畔に広がるブドウ畑内のステージを各2回走行する。そのうちSS17の再走ステージとなるSS19「ダオンタール2」は、トップ5タイムを記録したドライバーおよびコ・ドライバーに対しボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSの合計距離は79.50km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は286.52kmとなる。
注目のステージ
SS17/19 ダオンタール 全長11.69km
マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
パワーステージに指定された「ダオンタール」は、全長11.69kmと短いステージですが、挑戦し甲斐があります。ブドウ畑内の狭路はヘアピンコーナーが続き非常にツイスティですが、それだけでなく、幅が広いメインロードも途中で走るためリズム変化への対応が求められます。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)