WRC ラリー・モンテカルロ
2019年 FIA世界ラリー選手権(WRC)第1戦ラリー・モンテカルロのデイ3が1月26日(土)にフランス南部のギャップを中心に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC 10号車)が総合4位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が総合5位に、クリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)が総合6位につけ、ヤリスWRCは難易度の高いステージで全車が速さを示した。

ラリー・モンテカルロの競技3日目デイ3は、サービスパークが置かれるギャップの北側エリアで4本のステージを各2回走行。4本のSSの合計距離は93.38kmだった。前日に続きデイ3も天気に恵まれ、雪化粧をした美しい山々が青空に映える1日だった。しかし気温は1日を通してかなり低く、山岳地帯のステージは大部分がドライ路面ながら雪やアイスバーンが広がる所も多く、非常に難しい路面コンディションでの戦いとなった。

デイ2総合4位のラトバラは、SS10でセカンドベストタイムを記録。モンテカルロで過去7回優勝しているセバスチャン・ローブと激しい3位争いを展開し、一時は総合3位につけた。最終的にはデイ2と変わらぬ総合4位で1日を終えましたが、総合3位のローブとのタイム差は僅か2.3秒。明日の競技最終日も、表彰台を巡る戦いが続く。デイ2でパンクを喫し総合7位に順位を落としたタナックは、午後のステージをドライバーのなかで、スタッドなしの冬用タイヤを唯一選択するなど攻めの姿勢で走行し、結果的にデイ3全てのSSで、ベストタイムを記録。総合5位まで順位を回復した。総合4位のラトバラとのタイム差は15秒と小さく、タナックにも表彰台フィニッシュのチャンスは十分にある。タナックと同様、デイ2でパンクにより総合8位と大きく遅れたミークは、SS10を除く3本のステージでタナックに迫るセカンドベストタイムをマーク。総合6位にポジションを上げ、良い形でデイ3を締めくくった。

競技4日目、最終日となる1月27日(日)のデイ4は、モナコ公国を基点にフランス南部の山岳地帯で2本のステージを各2回走行する。SS13とその再走ステージであるSS15は、有名なチュリニ峠を通過するラリー・モンテカルロの名物ステージ。また、SS14の再走ステージとなる最終のSS16は、トップ5タイムを記録した選手にボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されている。4本のSSはすべて昨年の最終日デイ4と同じステージとなり、その合計距離は63.98km。リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は224.58kmとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
我々のドライバー全員にとって素晴らしい1日でした。オットとクリスは1日を通して安定して速く、特にオットに関しては4本全てのSSで最速でした。今日は全員が良い気分で1日を過ごせたと思いますし、明日もきっとエキサイティングな1日になるでしょう。表彰台に上がるチャンスは十分あり、3位と4位に入る可能性もあると思っています。もしそうなれば、多くのポイントが得られるので期待しています。

オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今日は良い1日で、何事も起こりませんでした。午後のステージではタイムを縮めようと考え、他の選手と異なるタイヤを選びました。結果的には少しだけタイムを縮めることができましたが、そういったトライの積み重ねが重要なのです。チャレンジは成功だったといえるので、何か他と違うことを試すべきだと進言してくれた、私の担当セーフティクルーに感謝します。また、クルマも非常に調子が良く、自信を持つことができました。日中のサービスではセットアップを変更せず、すべてが満足できる状態でした。総合順位で我々の前につけている2選手とのタイム差を約1分縮めることができましたので、明日も最後まで攻め続けます。

ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
セバスチャン・ローブ選手との素晴らしい3位争いを楽しみました。最初彼は私の前にいましたが、その後私が抜かし、最後はまたローブ選手が前に出ましたが、タイム差は僅差です。ローブ選手を抑え続けることができるのではないかと思ったのですが、路面コンディションが複雑な状態になった時、私には強さが少し欠けていたのかもしれません。明日のステージはドライコンディションになると思われますが、私はドライ路面で多くのテストを行なってきたので、クルマに対して自信を持っています。もし自分達が望むような状況になれば、明日はきっとモンテカルロの表彰台に立てるでしょう。

クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
トリッキーな路面コンディションだったにも関わらず、心から楽しむことができました。ヤリスWRCというクルマはとても自然に、自分の思い通りに運転することが可能で、徐々に自信がついてきました。今日は何本かのステージで、オットにかなり近いタイムが出ました。30kmを越える、雪道とアイスバーンが点在する非常に滑りやすいステージでも差はごく僅かだったので、もう嬉しくてたまりませんでした。クルマについて学ばなくてはならないことは、まだ少しあります。しかし、それが自然に慣れてくるならば、その先には明るい未来が待っていると思います。明日のパワーステージでは、全力を出し、自分の力を試してみたいと思います。

ラリー・モンテカルロ デイ3の結果
1 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) 2h38m30.0s
2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +4.3s
3 セバスチャン・ローブ/ダニエル・エレナ (ヒュンダイ i20クーペWRC) +1m58.7s
4 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +2m01.0s
5 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +2m16.0s
6 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +5m26.8s
7 ガス・グリーンスミス/エリオット・エドモンドソン (フォード フィエスタ R5) +10m12.0s
8 ヨアン・ボナート/ベンジャミン・ボウルード(シトロエン C3 R5) +11m43.4s
9 ステファン・サラザン/ジャック-ジュリアン・レヌッチ(ヒュンダイ i20 R5)+12m16.0s
10 ギヨーム・ド・メヴィウス/マーティン・ヴェイダーク(シトロエン C3 R5) +13m07.0s

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)