【WRC】 トヨタ:WRC 第7戦 ラリー・イタリア プレビュー
トヨタは、6月8日(木)から11日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・イタリア サルディニアに、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の3台のヤリスWRCで参戦する。できる限り多くの実戦データを収集し、クルマの開発を加速させるため、前戦に続く3台体制で今季4回目となるグラベル(未舗装路)ラリーに臨む。
ラリー・イタリア サルディニアは、地中海のイタリア領サルディニア島が戦いの舞台となる。ラリーカーの整備作業を行なうサービスパークは、島北西部のアルゲーロに置かれ、島の北西部から北東部にかけてSS(スペシャルステージ)が設定される。ラリー・イタリア サルディニアのSSは、全体的に道幅が狭くツイスティで、道のすぐ脇まで木々が迫るコースが多い。道のコンディションは硬軟様々で、軟らかい道の表面は目の細かい砂のようなグラベルに覆われている。しかし、その下には硬質な岩盤や石が隠れており、ラリーカーが通過するたびに路面の状態はどんどんと変化し荒れていく。そして、同じSSを2回目に走行する際は、より轍(わだち)が深くなるため、慎重に車高セッティングを行う必要がある。6月のサルディニア島は気温がかなり高くなることが多く、全開で走行するラリーカーのエンジンの温度は上昇しやすい。また、タイヤの温度もかなり上がり、ドライビングによる摩耗のコントロールが勝負に大きな影響を及ぼす。
ラリーは8日(木)の夜に、アルゲーロの東側に位置するイッティリで2kmのスーパーSSが行われ、競技スタート。そのまま島北西部の都市オルビアに移動し、ラリーカーはパルクフェルメ(車両保管)に入る。そして翌日9日(金)の朝から本格的なグラベルコースでの戦いが始まり、島の北部で8本のSSが行われる。10日(土)は、やはり島の北部で6本のSSが実施され、その合計距離は143.16kmと4日間でもっとも長い距離を走る1日となる。そして競技最終日の11日(日)は島の北西部で4本の短いSSが行われ、そのうちファイナルステージのSS19は、上位のタイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが付与される、パワーステージに設定されている。ラリー全体でのSSの数は全部で19本、計312.66km。移動区間(リエゾン)を含めた総走行距離は、1496.37kmとなる。
現在ドライバーズランキング3位のラトバラは、2009年にラリー・イタリア サルディニアで総合優勝しており、それ以外に4回表彰台に上がっている。ハンニネンは過去に4回出場経験があり、2011年大会ではサポート選手権のSWRC(スーパー2000世界ラリー選手権)で2位に入った。また、前戦と同様開発ドライバーとしての役割を担って出場するラッピは、過去にR5カーで2回このラリーに出場している。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)
ラリー・イタリア サルディニアは、地中海のイタリア領サルディニア島が戦いの舞台となる。ラリーカーの整備作業を行なうサービスパークは、島北西部のアルゲーロに置かれ、島の北西部から北東部にかけてSS(スペシャルステージ)が設定される。ラリー・イタリア サルディニアのSSは、全体的に道幅が狭くツイスティで、道のすぐ脇まで木々が迫るコースが多い。道のコンディションは硬軟様々で、軟らかい道の表面は目の細かい砂のようなグラベルに覆われている。しかし、その下には硬質な岩盤や石が隠れており、ラリーカーが通過するたびに路面の状態はどんどんと変化し荒れていく。そして、同じSSを2回目に走行する際は、より轍(わだち)が深くなるため、慎重に車高セッティングを行う必要がある。6月のサルディニア島は気温がかなり高くなることが多く、全開で走行するラリーカーのエンジンの温度は上昇しやすい。また、タイヤの温度もかなり上がり、ドライビングによる摩耗のコントロールが勝負に大きな影響を及ぼす。
ラリーは8日(木)の夜に、アルゲーロの東側に位置するイッティリで2kmのスーパーSSが行われ、競技スタート。そのまま島北西部の都市オルビアに移動し、ラリーカーはパルクフェルメ(車両保管)に入る。そして翌日9日(金)の朝から本格的なグラベルコースでの戦いが始まり、島の北部で8本のSSが行われる。10日(土)は、やはり島の北部で6本のSSが実施され、その合計距離は143.16kmと4日間でもっとも長い距離を走る1日となる。そして競技最終日の11日(日)は島の北西部で4本の短いSSが行われ、そのうちファイナルステージのSS19は、上位のタイムを記録した選手に対してボーナスの選手権ポイントが付与される、パワーステージに設定されている。ラリー全体でのSSの数は全部で19本、計312.66km。移動区間(リエゾン)を含めた総走行距離は、1496.37kmとなる。
現在ドライバーズランキング3位のラトバラは、2009年にラリー・イタリア サルディニアで総合優勝しており、それ以外に4回表彰台に上がっている。ハンニネンは過去に4回出場経験があり、2011年大会ではサポート選手権のSWRC(スーパー2000世界ラリー選手権)で2位に入った。また、前戦と同様開発ドライバーとしての役割を担って出場するラッピは、過去にR5カーで2回このラリーに出場している。
トミ・マキネン(チーム代表)
ラリー・イタリア サルディニアは、とても大変なラリーです。我々のクルマの仕様は前戦ラリー・ポルトガルとあまり大きくは変わりませんが、ポルトガルで学習したいくつかの事が、イタリアで役立つであろうと期待しています。サルディニアは気温がかなり高くなると予想され、パンクの可能性も高まります。しかし、我々の選手は皆プロですので、うまく対処してくれるはずです。3台揃っての完走が私の希望であり、その上で何ポイントか獲得できれば、なお良しです。サルディニアでは、エサペッカに協力をしてもらい、実戦の場での開発を予定していますが、何よりも重要なのは走行距離を伸ばし、可能な限り多くを学ぶ事です。ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
ラリー・イタリア サルディニアへの出場をとても楽しみにしていますが、きっとラリー・ポルトガルよりも暑く、路面が滑りやすく、そして出走順がより大きな影響を及ぼすでしょう。路面は場所によって非常に硬いため、それほど荒れもせず、またコースを2回目に走行する際もコンディションはそれほど悪くはなりません。ただし、路上の石は跳ね飛ばされることなく道の上に留まり続けるため、パンクの可能性が高く、ダンパーにダメージを受ける危険性もあります。それを避けるためには、コーナー内側の石に注意して走るなど、ドライビングスタイルを少し変える必要があります。ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
第5戦ラリー・アルゼンチンの前にサルディニア島でテストを行ないました。かなり前の事ですし、今よりも気温は低かったのですが、それでもサルディニアの道に対する理解を深める事ができました。暑いラリーとなることでタイヤ選択に関してはよりシンプルになり、あまり迷わなくて済むのは良い事だと思います。我々にとってポルトガルはとても良いラリーとなり、多くの学びを得ました。ですので、今回もクリーンな走りをできれば、さらに多くのポイントを獲得できるチャンスがあると考えています。グラベルSSでの初日の出走順は私たちにとって有利に働くはずですので、それを最後まで活用して戦うべきだと心得ています。エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
ラリー・イタリア サルディニアは常に、純粋に速さを競うよりも、リタイアせず生き残る事が重要なイベントです。ですので、トラブルやアクシデントと無縁で最後まで走り切り、フィニッシュする事を目標に置いています。サルディニアではテストのためにいくつか新しいパーツを装着して走る予定なので、完走してデータをチームに提供する事が私の任務です。ラリー・ポルトガルでの結果を受け、周囲の期待の高まりを感じますが、私自身は変わらず自分の任務に集中して臨みます。サルディニアを前にフィンランドで1日テストを行ない、クルマのセットアップに対する理解を深めました。もちろんフィンランドとサルディニアでは条件が違いますが、それでも約150kmを走り、異なるサスペンションのセッティングを試す事ができたので、とても有効でした。カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)