トヨタ
トヨタは、2015年WECシーズン開幕戦シルバーストン6時間レースに向けて、力強く公式練習初日をスタートした。

全8戦で行われるWECの第1戦シルバーストンは、ちょうど1年前に1、2位という好成績を挙げ、マニュファクチャラー及びドライバーの両タイトル獲得に向けて幸先良いスタートを切ったレース。

公式練習走行初日は、長い冬を終えたイギリスに春の爽やかな陽射しの降り注ぐ暖かな1日だった。この日、合計3時間に渡って行われた2度の練習走行で、2台のTS040 HYBRIDは最適なセットアップとタイヤの性能評価に力を注いだ。走行初日のラップタイムはさほど重要ではないとの位置付けから、アンソニー・デビッドソン、セバスチャン・ブエミのチャンピオンドライバーに中嶋一貴が加わった#1号車は、2度のセッションとも6番目のタイム、アレックス・ブルツ、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイの#2号車は5番目のタイムを記録した。

今回のレースでトヨタ・レーシングが勝利と共に重要な課題としているのは、週末の走行を通してハイダウンフォース仕様の空力パッケージのデータ収集と、2015年仕様のミシュラン・タイヤの性能評価。今年導入されたレギュレーションによって予選、決勝レースで使用出来るタイヤが6セットに減らされたこともあり、タイヤの性格と性能低下の程度を掴んでおくことが非常に重要となった。

タイヤの性能評価と同時に、TS040 HYBRIDの機械的なセットアップ及び空力の評価も公式練習走行で試される。公式練習1回目の終了間際に小雨が落ちたが、予定のプログラムにはほとんど影響なく作業をこなすことが出来た。

今日の2回の公式練習走行では、2台のTS040 HYBRIDは合計151周・891kmを走破。明日・土曜日の午前中の公式練習3回目で、チームは2台のTS040 HYBRIDを最適なセットアップに仕上げ、午後0時半(日本時間午後8時半)からの予選に挑む。

TS040 HYBRID 1号車:
(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴)
公式練習1回目: 6番手(1分43秒565) 35周
公式練習2回目: 6番手(1分43秒569) 46周

アンソニー・デビッドソン:
シルバーストンに戻れて喜んでいます。私はこのコースをLMP1カーで走るのが本当に好きです。今日の公式練習1回目は全システムのチェックと全体的なバランスを見出すことに集中しました。午後の公式練習2回目では、私の走行時間は減らし、中嶋一貴にロングラン走行を託しました。更なるペースアップのためにまだやらなくてはならないことはあります。TS040 HYBRIDの感触は非常に良いですが、まだいくつかステップアップが必要です。明日の公式練習3回目でも、決勝レースに向けての準備作業を全力で続けます。

セバスチャン・ブエミ:
我々にとって良い一日でした。もちろん望んだポジションではありませんが、今日の目標は順位を求めるものではありません。我々はTS040 HYBRIDの全ての領域を確認し改良点を見出しており、良い方向に進んでいると思います。現時点でのタイムは非常に僅差なので、どのチームがどの位置にあるのかを語るのはまだ少し早いでしょう。明日の予選結果を見て、そして日曜日に全てが明らかになるでしょう。

中嶋一貴:
レースウィークの戦いの場に戻れて素晴らしい気分です。シルバーストンはいつ走っても最高に楽しめるコースです。今日は必要な全ての作業をこなし、TS040 HYBRIDのバランスには満足しています。公式練習2回目ではロングランを完了しました。これは特にタイヤの摩耗に関して、決勝レースへの準備という点で非常に重要になります。TS040 HYBRIDはとても好感触ですし、良い週末が迎えられると思います。

TS040 HYBRID 2号車:
(アレックス・ブルツ/ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ)
公式練習1回目: 5番手(1分42秒749) 27周
公式練習2回目: 5番手(1分42秒833) 43周

アレックス・ブルツ:
サーキットに戻れて嬉しいです。特にシルバーストンはクールなサーキットですし、大好きです。コースのいくつかの箇所は最近の路面改修作業によりまだ汚れていました。かなりの泥がコース上に出ていましたが、今夜中に改善されることを望んでいます。我々のプログラムは全く問題なく遂行出来ました。このコースが我々のTS040 HYBRIDのセッティングの面でチャレンジングであることは分かっており、やるべき事はありますが、かなり良いところまで来ているように思えます。

ステファン・サラザン:
我々にとって順調な一日でした。セットアップの面で多くの変更を行い、大きく進歩しました。バランスの面では満足しているので、明日の予選を待ちたいと思います。我々の目標は、決勝レースで強さを発揮することです。そのために、全体的なグリップ向上を目指す必要があります。今シーズンはライバルが非常に強力なので、僅差の戦いはファンにとって興味深く、エキサイティングなものになると思います。

マイク・コンウェイ:
全体的に見て、我々は予定していたテストプログラムを終えることが出来、セットアップの改善に有効な多くのデータを得ました。TS040 HYBRIDは好印象ですが、トータルバランスと言う点では、まだやるべきことがいくつかあると思います。明日我々は間違いなく決勝レースへ向けての強さを得られると信じています。今日のライバルの走りは参考になり、我々は明日更なる速さを見出すでしょう。現状も決して悪くはないですが、明日の公式練習3回目の後に更なる情報が得られると思います。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)