トヨタF1 ヤルノ・トゥルーリ ティモ・グロック
11月23日(日)、富士スピードウェイで、毎年恒例となったトヨタ モータースポーツ フェスティバル 2008 (TMSF)が開催された。サーキットには3万人のモータースポーツファンが富士に集まり、トヨタのモータースポーツシーズンの締め括りとなる祭典を満喫した。

パナソニック・トヨタ・レーシングからはヤルノ・トゥルーリ、ティモ・グロック、小林可夢偉の3名が参加。また、米国からは、NASCARスプリント・カップ・シリーズの“トヨタ カムリ”と共に、今季スプリント・カップ・シリーズで1勝し、トヨタドライバーでランキング最上位となったデニー・ハムリンが来日した。

オープニングセレモニーではトヨタモータースポーツを担うドライバーが勢揃い。小林可夢偉のドライブによるトヨタF1カーがオープニング走行。続いて行われた「ニュルブルクリンクスペシャルラン」では、ニュルブルクリンク24時間レースに出場したレクサスLF−A(レース出場車)が、ニュルブルクリンクでのレースに参戦したレクサスIS250、アルテッツァと共にその走りを初めて日本のファンの前に披露した。

そして日本初お目見えとなったNASCARの“トヨタ カムリ”がデニー・ハムリンのドライブで登場。5.8リッターV8エンジンの爆音を響かせながら、大迫力の走りを披露した。

今回初の試みとなった、「レーシングカーシャッフル」では、トヨタのトップドライバーが、普段戦っているのとは異なるカテゴリーの車種をドライブ。ティモ・グロックが1999年のル・マン24時間レースで2位に入ったトヨタTS020を、SUPER GTのトヨタMR-Sを小林可夢偉が、そしてNASCARの“トヨタ カムリ”を織戸学がドライブ。ヤルノ・トゥルーリ、中嶋一貴、デニー・ハムリンがSUPER GTのレクサスSC430をドライブするなど、このイベントでしか見られない組み合わせでの走行に注目が集まった。

「国内最高峰への挑戦」では、SUPER GTを戦うレクサス SC430とフォーミュラ・ニッポンの各09年仕様マシンが、08年マシンと共に走行。

最後は、ヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックがトヨタF1カー(TF108、TF107)をドライブ。2台揃ってのランデブーランを見せ、詰めかけたファンはF1カーの快音とその速さに酔いしれた。

ヤルノ・トゥルーリ (パナソニック・トヨタ・レーシング レースドライバー)
「今年は大きな進歩を遂げ、満足行くシーズンだったが、その良いシーズンの最後を締め括るイベントを、最高の天気の下で行うことが出来て良かった。日本に来るたびに感じることだが、日本のファンは非常に熱心で、このイベントも、毎年観客が増えているように感じられる。ファンの皆さんの声援に感謝すると共に、今シーズンの進歩を成し遂げてきた経験を活かし、来年はトヨタ“TF109”で更にトップチームとの差を縮めていきたい」

ティモ・グロック (パナソニック・トヨタ・レーシング レースドライバー)
「トヨタチームに加わって1年目の私にとっては、初めてのTMSF参加となったが、SUPER GTの車両やルマンカーTS020をドライブするなど、素晴らしい体験が出来た。沢山集まってくれたファンに感謝したい。もっと多くの車種を、もっと長くドライブしたかった。来年もまたここへ来て、ファンの皆さんと楽しめればと思う。今年は目標通りの成績を挙げ、良い一年となったが、そんなシーズンの最後にとても良いイベントに参加できた。今年は色々と出入りの激しいシーズンではあったが、ハンガリーGPで2位表彰台を獲得でき、後半戦は良いペースに乗れたと思う。現在も、チームは24時間努力を続けており、ドライバー、チーム一丸となって、来年は今年以上の成績を挙げるべく頑張る」

小林可夢偉 (パナソニック・トヨタ・レーシング サードドライバー)
「今日のイベントについては、晴天、その一言に限る。お客様も、昨年より多く感じられたほどで、これだけの人に応援してもらっているんだということを実感できた。今年のシーズンは、GP2参戦とF1のサードドライバーという滅多にないチャンスを貰い、自分自身も成長したと感じるし、トゥルーリ、グロックからも多くのことを学ぶことが出来た。二週間後にはGP2アジアシリーズの第2大会が迫っている。第1大会では自分の焦りから優勝を逃してしまったが、同じミスは絶対に犯さず、ドバイでは優勝のみ狙っていく」

デニー・ハムリン (ジョー・ギブス・レーシング ドライバー)
「海外に出るのは初めてだったのだが、日本のファン、そして日本のコースにとても興奮した。素晴らしい経験となった。富士スピードウェイは良いコースで、ファンも熱狂的。良い刺激を受け、楽しく過ごせた。我々のチームは今シーズン初めてトヨタと組むことになり、最初は苦戦を予想していたが、チームやTRD-USAの素晴らしい努力で、スプリント・カップ・シリーズで計10勝し、ネイションワイド・シリーズでも“トヨタ カムリ”は20勝を挙げることが出来た。来年はスプリント・カップ・シリーズでもチャンピオンを狙って行ければと思う」

中嶋一貴 (AT&Tウィリアムズ レースドライバー)
「良い天気となり、沢山のお客様が来てくれて、僕自身も楽しめたし、全てのお客様にも楽しんで貰えたと思う。今年は、初めてのGT500車両(レクサスSC430)にも乗れたし、ジムカーナでのiQや、サーキットタクシーでのIS-Fなど、いろんな車に乗れてとても興味深い体験が出来た。今年は初のF1フルシーズン参戦となったが、内容の濃いシーズンを過ごし、良い経験を積み重ねられたと思う。来年は予選での走りなど、自分の弱さを乗り越えて頑張っていきたい」

国本京佑 (2008年マカオGP優者)
「マカオGPで初参戦ながら初優勝を果たし、もちろん嬉しいし、ほっとしたが、まだ実感がない。この勝利はチームが本当に頑張ってくれたおかげであり、感謝している。初めての市街地レースで、事前にビデオを見てレイアウトは覚えていたが、実際に走ると目線は低いし、路面は荒れていた。ガードレールに挟まれたコースは、最初は怖かったが、それよりも面白かったという印象が強い。セーフティカーからの再スタートでは、ビデオでの予習の成果が出たと思う。来季についてはまだ決まっていないが、着実にキャリアを積み重ねていきたい」

山科忠 (トヨタ自動車(株)専務取締役) 
「今年もトヨタは様々なモータースポーツシーンで戦った。F1では残念ながら今年も優勝は叶わなかったが、2位1回、3位1回と表彰台を2回獲得。NASCARでは日本メーカーとして初めて最高峰カテゴリーのスプリント・カップ・シリーズで優勝を果たし、合計10勝した。SUPER GTでは年間ドライバーズチャンピオンには僅かに及ばなかったものの健闘した。フォーミュラ・ニッポンでは3年連続チャンピオンを獲得した。F1日本GPでは、熱い声援を頂き、そのお礼も兼ね、今日のイベントにはヤルノ・トゥルーリ、ティモ・グロックの両名を招いた。また、米国からはデニー・ハムリンと共にNASCARの“トヨタ カムリ”も初来日し、華を添えた。何かと大変なことの多い昨今であるが、ご来場のお客様には、盛りだくさんの企画で楽しんでいただけたと思う。来年も全力を尽くし、皆様を興奮させるトヨタモータースポーツに取り組んでいくので、引き続き熱いご声援をお願い申し上げたい」

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カテゴリー: F1 / トヨタ