F1 トロロッソ・ホンダ メキシコGP
トロロッソ・ホンダは、F1メキシコGPの決勝レースで最後尾からスタートしたピエール・ガスリーが10位入賞。ブレンドン・ハートレーは14位でフィニッシュした。

第19戦メキシコGPの決勝レースが午後1時10分より行われた。午前中は青空が広がった天候も、レースが近づくにつれ雲が覆い始める。気温18℃、降水確率は20%で、決勝を迎えた。

トロロッソ・ホンダの2台は、14番手スタートのブレンドン・ハートレーがスーパーソフトタイヤで、PU交換のペナルティーのため最後尾スタートのピエール・ガスリーがハイパーソフトタイヤでのスタートとなった。

午後1時10分にフォーメーションラップがスタートし、71周のレースが幕を開けた。1周目、スタート後の混乱を切り抜け、ピエール・ガスリーは16番手に上がる。スタート直後にタイヤにフラットスポットを作ったブレンドン・ハートレーは1周目を終えるとピットインし、ウルトラソフトタイヤに交換、19番手でレースに戻った。6周目にはガスリーがピットインし、スーパーソフトタイヤに交換する。

トロロッソ・ホンダは早めのタイヤ交換を選択したため、ポジションをいったん落とし、序盤はハートレーが17番手、ガスリーが19番手。10周を過ぎたころからほかの選手がピットインし、15周目にはハートレーが13番手、ガスリーが15番手にポジションを上げていく。20周目にはトロロッソ・ホンダの2台は、5台による接近したポジション争いを展開する。25周目にハートレーが2回目のピットインを行いスーパーソフトタイヤに交換。その2周後にはガスリーも2回目のピットインを行いスーパーソフトタイヤに交換した。早めに2回のピットインを行ったことで、ポジションを大きく落とした2台だが、中盤から追い上げを開始する。

39周目にはハートレーが13番手、ガスリーが17番手を走行。ハートレーはこの周にほかの選手と接触しマシンにダメージを負い、さらに5秒ペナルティーを科された。45周目、上位の選手のピットインでハートレーは11番手に、ガスリーは14番手に上昇。53周目には激しいポジション争いを制しガスリーが12番手に上がりる。54周目、ガスリーは5秒ペナルティーが科されているハートレーとポジションを入れ替え11番手にポジションを上げ、さらに前に迫る。ハートレーも接近したバトルを展開し12番手を死守する。62周目にレッドブルのダニエル・リカルドがマシントラブルでストップし、ガスリーは10番手と入賞圏内に入った。ハートレーは激しいバトルの末にポジションを奪われ、12番手となる。

ペースを上げて9番手を狙うピエール・ガスリーだが、接近するもののポジションを奪うには至らず10番手でフィニッシュ。ガスリーは最終ラップにレース中の自己ベストラップを更新した。ハートレーも12番手でチェッカーを受けたが、走路妨害で5秒ペナルティーが科され、リザルトは14位となっている。

F1第20戦ブラジルGPはサンパウロのインテルラゴス・サーキットで11月9日~11日に行われる。

ピエール・ガスリー (10位)
「ルイス(・ハミルトン)、チャンピオンシップ獲得おめでとう! 彼にとってまた一つ新しい栄光をつかんだ年になったと思います。そして、マックス(・フェスルタッペン)もすばらしいレースを見せてくれました! 僕にとっての今週末のレースは、ポイント獲得をし、いい結果で締めくくれた一戦になりました。ペナルティーによりグリッド最後尾の20番手からスタートしたので上位10位以内でレースを終えることは難しいと思っていましたが、チーム一丸となって成し遂げることができました。ここ数戦タフなレースが続いていたので、1ポイントを獲得できたことはチームにとってとても大きなことだと思います。マシンのフィーリングもよく、正しい戦略を元にいいバトルをしながらで戦うことができたので、できることをすべて出しきれた一戦でした。タイヤマネージメントがキーでしたが、正しいタイミングでプッシュしつつ、タイヤをレース最後まで持たせることにもフォーカスもせねばならず、必ずしも“簡単な一戦”だったとは言えないレースだったと思います。ブラジルとアブダビではペナルティーを受けないはずですし、予選結果通りの位置からレースをスタートした上で、ザウバーチームからコンストラクターズチャンピオンシップでのポジションを奪い返すことができるようがんばります!」

ブレンドン・ハートレー (14位)
「スタートはうまく決めることができたと思います。しかし4コーナーに差し掛かったとき、ブレーキ直前にほかのマシンに前方に入られてしまい、ブレーキをロックさせてスーパーソフトタイヤにフラットスポットを作ってしまいました。残念なことにそれが原因で1周目でピットに入らなくてはいけなくなってしまいました。そのあとは1ピットストップ戦略でレースの残りを順調に走ることができました。タイヤマネージメントもうまくでき、手堅いレースだったと思います。オコンを必死で抑えたときの接触が原因となり、5秒のペナルティーが科されてしまい、とても悔しい結果となってしまいました。接触によるマシンのダメージとペナルティーがなければ、10番手でレースを終えることも可能だったのではないかと思いますし、最初の周回でのフラットスポットさえなければ、マシンのペースもよかったので、さらに上位を狙えたかもしれません。結果が伴わなかったので残念ではありますが、この週末のマシンの手応えはポジティブに感じました」

フランツ・トスト (トロロッソ チーム代表)
「まず、マックス・フェルスタッペン選手の見事な優勝、おめでとうございます! Aston Martin Red Bull Racingは、この週末を通してすばらしいパフォーマンスを見せてくれました。そして、ルイス・ハミルトン選手とメルセデスの皆さん、ドライバーチャンピオン獲得おめでとうございます。メキシコでのレースはその標高の高さからブレーキとエンジンの冷却がキーポイントとなるため、いつもエンジニアにとっては大きな挑戦の一戦となります。そして正確なPUのパラメーターが必要となるため、PUマニュファクチュラーにとってもチャレンジングなレースではないでしょうか。私たちはロシアGPで使用した前スペックのPUを使用することにしたので、ピエールはレース最後尾からのスタートとなってしまいました。ピエールはスタートをうまく決めることができ、中団争いにも加わり、レースを通してうまくコントロールし戦ってくれたと思います。レース終盤にかけて、エリクソン選手(ザウバー)と見どころの多いバトルを繰り広げてくれましたが、残念ながら追い抜くことは叶いませんでした。しかし1ポイント獲得できたということは、マシンは今日十分に戦えるポテンシャルを持ち合わせていたということが証明できたのではないでしょうか。ブレンドンはスタート直後にフラットスポットができてしまったので、タイヤ交換のために1周目でピットに呼び戻さなければなりませんでした。そのあとはいいペースでレースを戦えていたのですが、オコン選手(フォースインディア)との接触でフロアにダメージを負ったのはもったいなかったかと思います。さらには5秒のペナルティーを受け、ゆえに14番手でレースを終えることなり、少し納得のいかない結果となってしまいました。ザウバーチームに2ポイントの差をつけられてしまいましたが、今シーズンはブラジルとアブダビであと2戦残っているので、コンストラクターチャンピオンシップの8位を奪い戻すために最大限の努力をして挑みたいと思います」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のレースでは、PU交換によるグリッドペナルティーのために最後尾からスタートしたガスリー選手が、アグレッシブな走りをみせて10位に入賞し、チームにとって貴重な1ポイントを獲得してくれました。ドライバーの走りに、チームのピット戦略がうまく噛み合った結果だったと思います。PUとしては、高地という通常とは異なる環境の中、2台揃ってトラブルフリーで週末を終えられたことは前向きに捉えています」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / F1メキシコGP