トヨタ:スーパーフォーミュラ 第2戦 岡山 レース2レポート
スーパーフォーミュラ第2戦岡山大会のレース2は、3番手スタートから早めのピット作戦を採った関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が圧倒的な速さで首位に立ち今季初勝利。ポールスタートの石浦 宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が2位、アンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)は3位で連続表彰台。トヨタエンジン搭載車が今大会の2レースともに表彰台を独占した。
28日(日)は朝から雲一つ無い快晴。午前9時20分よりノックアウト方式の予選が開始された。
Q1(20分)では、混雑を避けるために少しでも早くコースに出ようと、セッション開始の8分前から多くの車両がピットロードで待機。セッション序盤から各車積極的にアタックに入った。一方、あえてコースインを遅らせる作戦に出た山下健太(KONDO RACING)がQ1前半トップタイムをマークした。
全車一旦ピットに戻り、残り7分半あたりから再びコースへ。セッションが残り1分半ほどになったところで小林可夢偉(KCMG)がトップ、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が2番手につけた直後、2コーナーの立ち上がりでニック・キャシディ(KONDO RACING)がコースアウト。セッションは赤旗中断となってしまった。
残り2分半でのセッション再開となり、各車は一発アタックに。石浦がトップタイム、ロッテラーが3番手に飛びこみ、最後は関口が1000分の2秒差で10番手に飛びこみQ2進出を決めた。
一方で、国本 雄資(P.MU / CERUMO・INGING)はタイムアップを果たせず13番手でQ2進出ならず。フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が15番手、ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が16番手、キャシディが17番手でQ1敗退となった。
予定よりも10分遅れで開始されたQ2(10分)は一転、セッション開始から2分ほどは誰もコースへ出ないまま推移。セッション終了ぎりぎりでのタイムアタックでタイムシートが塗り替えられていった。
チェッカー直前、一旦は山下がトップタイムをマークしたが、ここ岡山のコースレコードホルダーである石浦が貫禄のアタックを見せ、ただ一人1分13秒台に入るアタックでポールポジションを獲得。惜しくもルーキーでのポール獲得はならなかった山下だが、デビュー3レース目にして2番手につけてみせた。
山下に0.03秒及ばず関口が3番手。以下4番手ロッテラー、6番手小林、8番手大嶋 和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、9番手中嶋一貴と続いたが、この4番手から9番手までの6台は僅か100分の6秒の中に入るという、近年のスーパーフォーミュラを象徴する僅差の予選となった。
予選を終えたあとも好天は続き、決勝スタートとなる午後2時25分の時点では、気温27度、路面温度は41度と強い日差しで汗ばむほどの気候の中、51周で争われるレース2のスタートが切られた。
最前列の石浦、山下が順当なスタートを切る一方、3番手グリッドの関口は抜群のダッシュを決めたロッテラーの先行を許すことに。また、7番手スタートの中嶋一貴がアトウッドコーナーでコースオフ。最後尾へと順位を落としてしまった。
1周目を終えたところで、後方スタート勢をメインに多くの車両が早くもピットイン。4位からピットに入った関口は、ピットイン勢では先頭でコースに復帰すると、前車との間に大きな空間が空いたこともあり、周回毎にファステストタイムを更新する猛烈なペースで周回を重ねていった。
これを見て、2周後には3位につけていたロッテラーもピットイン。首位を行く石浦は、関口がハイペースで追い上げていることを知って,こちらもプッシュを続け、それぞれ見えないライバルとのタイム差を計算しながらの、直接ではないバトルが続いた。
序盤ピットに入らず走行を続けたのは首位石浦、2位の山下、そして6番手スタートの小林、後続勢がほとんどピットインしたことで前の空いた15番手スタートのローゼンクヴィストが4位に浮上し、ハイペースでじりじりと前との差を詰めていった。
ローゼンクヴィストの猛追を受けることとなった小林は20周終了時にピットイン。ピットイン組の4位でコースへ復帰。
山下は31周終了時、石浦が33周終了でピットへ。石浦は関口の10秒後方、ロッテラーの1秒前でコースに復帰。山下はピットで左リアタイヤの交換に手間取りタイムロス。小林の後、7位へとポジションを落としてしまった。
ピットインした石浦は、交換したばかりのタイヤの優位性を活かし、ファステストラップを更新しながら追い上げ。関口との差を詰めていった。
38周目、2コーナーの立ち上がりでクラッシュが発生し、セーフティカーが導入。このタイミングでローゼンクヴィストはピットイン。ロッテラーの後方、4位でコースに復帰した。
レースは残り9周で再スタート。関口は好ダッシュを決めて2位石浦との差を一度は1.4秒まで広げたが、その後石浦が再び追撃を開始。47周目にはテール・トゥ・ノーズに。その後方でも3位のロッテラーにローゼンクヴィストが迫り、レース終盤、激しいバトルが各所で展開された。
関口は何度も石浦に迫られながらも逃げ切り、トップチェッカー。昨年のSUGOラウンド以来、通算3勝目を挙げた。関口はレース1で2位、レース2で勝利と、今大会最大ポイントを稼ぐこととなった。
石浦は2位。ロッテラーが3位で両レース表彰台。4位には15番手スタートから11ものポジションアップを果たしたローゼンクヴィストが入り初ポイント獲得。小林はファイナルラップにファステストタイムをマークする速さを見せ5位。山下は6位でレース1に続き連続ポイント獲得となった。
今大会の結果、1位/3位のロッテラーが12ポイントでランキング首位に浮上。開幕戦で勝利した中嶋一貴が1ポイント差の2位、石浦が1.5ポイント差の4位、関口が2ポイント差の5位と僅差での争いが続いている。
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ / トヨタ
28日(日)は朝から雲一つ無い快晴。午前9時20分よりノックアウト方式の予選が開始された。
Q1(20分)では、混雑を避けるために少しでも早くコースに出ようと、セッション開始の8分前から多くの車両がピットロードで待機。セッション序盤から各車積極的にアタックに入った。一方、あえてコースインを遅らせる作戦に出た山下健太(KONDO RACING)がQ1前半トップタイムをマークした。
全車一旦ピットに戻り、残り7分半あたりから再びコースへ。セッションが残り1分半ほどになったところで小林可夢偉(KCMG)がトップ、中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)が2番手につけた直後、2コーナーの立ち上がりでニック・キャシディ(KONDO RACING)がコースアウト。セッションは赤旗中断となってしまった。
残り2分半でのセッション再開となり、各車は一発アタックに。石浦がトップタイム、ロッテラーが3番手に飛びこみ、最後は関口が1000分の2秒差で10番手に飛びこみQ2進出を決めた。
一方で、国本 雄資(P.MU / CERUMO・INGING)はタイムアップを果たせず13番手でQ2進出ならず。フェリックス・ローゼンクヴィスト(SUNOCO TEAM LEMANS)が15番手、ヤン・マーデンボロー(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が16番手、キャシディが17番手でQ1敗退となった。
予定よりも10分遅れで開始されたQ2(10分)は一転、セッション開始から2分ほどは誰もコースへ出ないまま推移。セッション終了ぎりぎりでのタイムアタックでタイムシートが塗り替えられていった。
チェッカー直前、一旦は山下がトップタイムをマークしたが、ここ岡山のコースレコードホルダーである石浦が貫禄のアタックを見せ、ただ一人1分13秒台に入るアタックでポールポジションを獲得。惜しくもルーキーでのポール獲得はならなかった山下だが、デビュー3レース目にして2番手につけてみせた。
山下に0.03秒及ばず関口が3番手。以下4番手ロッテラー、6番手小林、8番手大嶋 和也(SUNOCO TEAM LEMANS)、9番手中嶋一貴と続いたが、この4番手から9番手までの6台は僅か100分の6秒の中に入るという、近年のスーパーフォーミュラを象徴する僅差の予選となった。
予選を終えたあとも好天は続き、決勝スタートとなる午後2時25分の時点では、気温27度、路面温度は41度と強い日差しで汗ばむほどの気候の中、51周で争われるレース2のスタートが切られた。
最前列の石浦、山下が順当なスタートを切る一方、3番手グリッドの関口は抜群のダッシュを決めたロッテラーの先行を許すことに。また、7番手スタートの中嶋一貴がアトウッドコーナーでコースオフ。最後尾へと順位を落としてしまった。
1周目を終えたところで、後方スタート勢をメインに多くの車両が早くもピットイン。4位からピットに入った関口は、ピットイン勢では先頭でコースに復帰すると、前車との間に大きな空間が空いたこともあり、周回毎にファステストタイムを更新する猛烈なペースで周回を重ねていった。
これを見て、2周後には3位につけていたロッテラーもピットイン。首位を行く石浦は、関口がハイペースで追い上げていることを知って,こちらもプッシュを続け、それぞれ見えないライバルとのタイム差を計算しながらの、直接ではないバトルが続いた。
序盤ピットに入らず走行を続けたのは首位石浦、2位の山下、そして6番手スタートの小林、後続勢がほとんどピットインしたことで前の空いた15番手スタートのローゼンクヴィストが4位に浮上し、ハイペースでじりじりと前との差を詰めていった。
ローゼンクヴィストの猛追を受けることとなった小林は20周終了時にピットイン。ピットイン組の4位でコースへ復帰。
山下は31周終了時、石浦が33周終了でピットへ。石浦は関口の10秒後方、ロッテラーの1秒前でコースに復帰。山下はピットで左リアタイヤの交換に手間取りタイムロス。小林の後、7位へとポジションを落としてしまった。
ピットインした石浦は、交換したばかりのタイヤの優位性を活かし、ファステストラップを更新しながら追い上げ。関口との差を詰めていった。
38周目、2コーナーの立ち上がりでクラッシュが発生し、セーフティカーが導入。このタイミングでローゼンクヴィストはピットイン。ロッテラーの後方、4位でコースに復帰した。
レースは残り9周で再スタート。関口は好ダッシュを決めて2位石浦との差を一度は1.4秒まで広げたが、その後石浦が再び追撃を開始。47周目にはテール・トゥ・ノーズに。その後方でも3位のロッテラーにローゼンクヴィストが迫り、レース終盤、激しいバトルが各所で展開された。
関口は何度も石浦に迫られながらも逃げ切り、トップチェッカー。昨年のSUGOラウンド以来、通算3勝目を挙げた。関口はレース1で2位、レース2で勝利と、今大会最大ポイントを稼ぐこととなった。
石浦は2位。ロッテラーが3位で両レース表彰台。4位には15番手スタートから11ものポジションアップを果たしたローゼンクヴィストが入り初ポイント獲得。小林はファイナルラップにファステストタイムをマークする速さを見せ5位。山下は6位でレース1に続き連続ポイント獲得となった。
今大会の結果、1位/3位のロッテラーが12ポイントでランキング首位に浮上。開幕戦で勝利した中嶋一貴が1ポイント差の2位、石浦が1.5ポイント差の4位、関口が2ポイント差の5位と僅差での争いが続いている。
関口雄飛 (ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 19号車)
前回勝った昨年のSUGOは、もちろん良いクルマというベースはあったが、自分でも良い走りが出来て100点満点の内容で、ある意味自分で勝ち取ったという感覚はあった。しかし今回はまたスタートを失敗してしまい、チームが用意してくれた良いクルマと、良い作戦で勝たせてもらったという感じで、本当に感謝している。ピットインのタイミングについては、監督やエンジニア、色々な意見があって悩みに悩んだが、最終的にグリッド上で1周目に入ることを決めた。1周目に入ったことで、その後2周目、3周目に入る車に抜かれる可能性があったので、ピットアウト直後の数周でオーバーテイクシステムを4つ使うなどとにかくプッシュした。スタートでミスをしたので、挽回するにはそこしかないと100%プッシュし、ほぼミスなくハイペースで周回出来た。最後は石浦選手のペースが速かったが、ミスさえしなければ絶対に抜かれないのは分かっていた。勝てたのは嬉しいが、スタートは今後の大きな課題だ。石浦宏明 (P.MU / CERUMO・INGING 2号車)
今日は悔しいが完敗だ。スタートでトップに立ち、前に車がいない状態であれば、自分のペースで可能な限りプッシュし、そのまま逃げ切れると考えていた。しかし、先にピットに入った組の先頭にいた関口選手が、ピットアウト直後から僕よりラップペースが速いと無線で聞いて、見えない関口選手と戦っているという意識で、途中2,3度コースアウトしそうになったくらいずっと100%でプッシュした。それでも彼の方が若干速いという状況は分かっていたが、やれるだけやるしか無いという気持ちでプッシュし続けた。最後にセーフティカーが入ったあと、こっちの方がタイヤの状況がいいというのは分かっていたので、可能な限りプッシュしたが、40周以上走ったタイヤとは思えないような関口選手のペースだったので残念ながら抜けなかった。本当に今日は完敗と言うしかない。アンドレ・ロッテラー (VANTELIN TEAM TOM'S 36号車)
まずまずの結果だ。正直言ってスタートで先頭に出られなかったのは大きい。とはいえ3位は悪い結果ではない。関口選手が1周目でピットインしてハイペースで周回し始めたのを見て、2周後にピットインしたが、既にギャップは大きくなってしまっていた。レースを通して若干ブレーキに不調を抱えていたのもあるが、とりあえず3位という結果には満足している。セーフティカー導入後は、後から新しいタイヤのフェリックス(ローゼンクヴィスト)に攻められたが面白いバトルだった。カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ / トヨタ