これぞ“TEAM IMPUL”のガチンコ対決で2007年以来の1-2フィニッシュ
2022年 スーパーフォーミュラ 第8戦モビリティリゾートもてぎの決勝レースで、19号車の関口雄飛と20号車の平川亮のTEAM IMPULの2台がファイナルラップまでのガチンコ対決を繰り広げて1-2フィニッシュを飾った。
序盤から随所でバトルが勃発する激しい争いとなったこのレースで、早目のタイヤ交換から最後までポジションを守り切って、2019年の第2戦・オートポリス以来の優勝を飾ったのは、7番グリッドからスタートした関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。
チームメイトの関口に対して、タイヤ交換を引っ張る作戦を採り、終盤オーバーテイクショーを見せた平川亮(carenex TEAM IMPUL)が2位。carenex TEAM IMPULが2007年の開幕戦・富士以来、実に15年ぶりの1-2フィニッシュを飾った。
「レースのスタート前に、19号車の(関口)雄飛と20号車の平川(亮)のお互いが、ベストを尽くして勝てるというチームとしての作戦を採ったら、それが(19号車と20号車で)別々の作戦だったというだけ」とcarenex TEAM IMPULの星野一樹監督代行は語る。
「チームとして『絶対こっちで行こう、あっちで行こう』というのはありませんでした。それぞれの号車のチームがやった結果が、37周をマックスで戦ってもあれだけ接戦でゴールできたっていうところが、チーム全体としてものすごいことを成し遂げたんだなって……残り3周くらいはちゃんと画面が見られなかったですが、素晴らしい結果を出せて良かったと思います」
「最初からスタートでものすごい前に出ない限りは、20号車の方はステイアウトとして行くという作戦だったんで。ポジションキープかひとつ順位が上がったくらいだったので、そのまま行きました」
「前のクルマがアンダーカットを狙ってどんどんピットに入ったのに対してカバーしていくだろうと予想し、20号車はステイアウトする作戦で行きました。予想よりも(後続を)引き離せなかったということでもなくて、残り5周、6周のところで最後プッシュして抜き返すというプラン通りでした。それが最後になって19号車との戦いになったという結果でした」
チームインパルとしてのワン・ツーフィニッシュは、2007年第1戦富士以来となる。
「もう覚えてないくらいワン・ツーフィニッシュがない中で、最後残り3周くらいの時に(関口と平川が)ガチンコで……。(星野一義)監督が真横にいたので『もう、このままやらせますよ!』と言ったら、『おぉ!やらせろ』と叫んで興奮していたので、もうこれが”TEAM IMPUL”だなと思いながら、僕も2台がぶつかろうが、1位を懸けて19号車と20号車に戦って欲しいと思った。最後は90度コーナーを立ち上がったところでヒヤッとしたシーンもありましたが、あれすら”TEAM IMPUL”だと思いながら見ていました」
「残り3周の時点で、このまま行かしていいですかと尋ねて、『やらせろ』と星野監督から怒鳴られた時からもう感情が高まりウルウルとしていました。狙っていた結果ではありましたが、本当に成し遂げられるとは思ってなかった部分もあったので。それが目の前で起きていたので、そこからは複雑な気持ちで…」
「(20号車の)平川もここ数戦苦汁をなめていたし、(19号車の)雄飛は前回、優勝を目の前にして残り95%のところまでレースを支配していながら勝てなかった…それはもうチーム側の責任だったので。2台一緒にゴールしてくれないかなと思っていたくらい複雑な気持ちで見ていました」
「インパルは2台で戦っていたら、監督はうれしく思うし、10周目以降にピットインできるというルールの中で、9周目が終わった時に前にいる方に決定権があるので、そこはやはり19号車も20号車も前にいたかったと思います。序盤からヒートアップしたのは、素晴らしい戦いだったと思います」
優勝:No.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
「(2019年第2戦オートポリスでの優勝から)3年と間が開いたんですが、7番グリットから優勝できて非常にうれしいです。(レース終盤から追い上げてきた)平川(亮)選手のペースは速かったですが、抜かれない自信があったんで。なんか自分にびっくりという感じじゃなくて、ちゃんとミスなくしっかりと押さえ切ることができて。どっちかと言うと(勝てて)ホッとしたというか。うれしいというよりもそんな感じでした。
(タイヤ交換を終えてコースに戻ったときは)正直、トラフィックに引っかかってしまって。自分のペース……もっと速く走れたんですけど、3台ぐらいに2〜3秒以内に近づくと自分のペースで走れないんで。そこですごくロスをして、『この作戦、失敗だ』と思いました。それ以上に自分がそこまで速いタイムで走れていたのは良かったんですけど。まぁ作戦というのは結果論なので、走っているときは『失敗したな』と思ったけれど勝てたので、これが正解ってことで。やっぱり(レースは)”生き物”で、ピットアウトした場所に今日みたいにもっとクルマがいたら勝ててないし、クルマがいなかったらもっと楽に勝てていたし。相手がいることなので、ある程度こうだろうということは予測できますが、戦略(が正しかったかどうか)はもう結果論だと思います。
(平川との最後のバトルについて)ミラーで見ていると平川選手がすごく速くて。野尻(智紀)選手と牧野(任祐)選手を抜いてきているのも見えていました。ミラーでどんどん(姿が)近づいてきてすごいなと思ったのですが、逆に(闘志が)燃えてきて。気合いが入りました。絶対バトルで負けるつもりはないし、とりあえずインだけは絶対に開けたくなくて。自分が止まれなくてもズバッと抜かれるくらいなら、自分で飛んでいく(コースアウトする)方がいいと思ってて。そういう気持ちでやっているので。ただ、90度コーナー(での攻防戦)に関しては、そこは今までの自分の経験でしっかりと押さえることができました」
2位:No.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)
「(第6戦)富士と昨日(第7戦)を合わせて2回連続リタイヤとなったので、まずはしっかりとポイントを獲得できて表彰台に上がれて良かったと思います。正直勝ちたかったですが、(予選)6位から(決勝)2位ということを考えると上出来だったかと思います。今日勝てなかったので、(最終戦の)鈴鹿で2連勝して今シーズンを終わりたいなと思います。
レース中は前が開けるまでは我慢をして、前の隊列についているような形で。前が開けてからもまだ20周はあると知っていたので、特にプッシュはせずしっかりとマネージメントして走ってました。どっちかと言うとタイヤを残しておいくというか……前半スティントの最後をしっかりと走れるように、タイヤを残しておくような感じでいつも通り(の作戦)という感じでした。(作戦は終盤に)タイヤを換えて抜くというものだったので、できるだけギャップは広げておかなきゃいけないから、もちろんそこは(ギャップを)広げられるように頑張って走りました。あとはタイヤ交換が結構早かったので、思ってたよりも前に出られて。正直ピットに入るまではトップを狙えるチャンスはないと思っていました。なので、関口(雄飛)選手と(のバトルの)チャンスが生まれたのかなと。最後は抜けませんでしたがそういうチャンスを生んでくれたピット作業には感謝しています。今日は2台ともチームワークが良かったのかなと思います」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ
序盤から随所でバトルが勃発する激しい争いとなったこのレースで、早目のタイヤ交換から最後までポジションを守り切って、2019年の第2戦・オートポリス以来の優勝を飾ったのは、7番グリッドからスタートした関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)。
チームメイトの関口に対して、タイヤ交換を引っ張る作戦を採り、終盤オーバーテイクショーを見せた平川亮(carenex TEAM IMPUL)が2位。carenex TEAM IMPULが2007年の開幕戦・富士以来、実に15年ぶりの1-2フィニッシュを飾った。
「レースのスタート前に、19号車の(関口)雄飛と20号車の平川(亮)のお互いが、ベストを尽くして勝てるというチームとしての作戦を採ったら、それが(19号車と20号車で)別々の作戦だったというだけ」とcarenex TEAM IMPULの星野一樹監督代行は語る。
「チームとして『絶対こっちで行こう、あっちで行こう』というのはありませんでした。それぞれの号車のチームがやった結果が、37周をマックスで戦ってもあれだけ接戦でゴールできたっていうところが、チーム全体としてものすごいことを成し遂げたんだなって……残り3周くらいはちゃんと画面が見られなかったですが、素晴らしい結果を出せて良かったと思います」
「最初からスタートでものすごい前に出ない限りは、20号車の方はステイアウトとして行くという作戦だったんで。ポジションキープかひとつ順位が上がったくらいだったので、そのまま行きました」
「前のクルマがアンダーカットを狙ってどんどんピットに入ったのに対してカバーしていくだろうと予想し、20号車はステイアウトする作戦で行きました。予想よりも(後続を)引き離せなかったということでもなくて、残り5周、6周のところで最後プッシュして抜き返すというプラン通りでした。それが最後になって19号車との戦いになったという結果でした」
チームインパルとしてのワン・ツーフィニッシュは、2007年第1戦富士以来となる。
「もう覚えてないくらいワン・ツーフィニッシュがない中で、最後残り3周くらいの時に(関口と平川が)ガチンコで……。(星野一義)監督が真横にいたので『もう、このままやらせますよ!』と言ったら、『おぉ!やらせろ』と叫んで興奮していたので、もうこれが”TEAM IMPUL”だなと思いながら、僕も2台がぶつかろうが、1位を懸けて19号車と20号車に戦って欲しいと思った。最後は90度コーナーを立ち上がったところでヒヤッとしたシーンもありましたが、あれすら”TEAM IMPUL”だと思いながら見ていました」
「残り3周の時点で、このまま行かしていいですかと尋ねて、『やらせろ』と星野監督から怒鳴られた時からもう感情が高まりウルウルとしていました。狙っていた結果ではありましたが、本当に成し遂げられるとは思ってなかった部分もあったので。それが目の前で起きていたので、そこからは複雑な気持ちで…」
「(20号車の)平川もここ数戦苦汁をなめていたし、(19号車の)雄飛は前回、優勝を目の前にして残り95%のところまでレースを支配していながら勝てなかった…それはもうチーム側の責任だったので。2台一緒にゴールしてくれないかなと思っていたくらい複雑な気持ちで見ていました」
「インパルは2台で戦っていたら、監督はうれしく思うし、10周目以降にピットインできるというルールの中で、9周目が終わった時に前にいる方に決定権があるので、そこはやはり19号車も20号車も前にいたかったと思います。序盤からヒートアップしたのは、素晴らしい戦いだったと思います」
優勝:No.19 関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)
「(2019年第2戦オートポリスでの優勝から)3年と間が開いたんですが、7番グリットから優勝できて非常にうれしいです。(レース終盤から追い上げてきた)平川(亮)選手のペースは速かったですが、抜かれない自信があったんで。なんか自分にびっくりという感じじゃなくて、ちゃんとミスなくしっかりと押さえ切ることができて。どっちかと言うと(勝てて)ホッとしたというか。うれしいというよりもそんな感じでした。
(タイヤ交換を終えてコースに戻ったときは)正直、トラフィックに引っかかってしまって。自分のペース……もっと速く走れたんですけど、3台ぐらいに2〜3秒以内に近づくと自分のペースで走れないんで。そこですごくロスをして、『この作戦、失敗だ』と思いました。それ以上に自分がそこまで速いタイムで走れていたのは良かったんですけど。まぁ作戦というのは結果論なので、走っているときは『失敗したな』と思ったけれど勝てたので、これが正解ってことで。やっぱり(レースは)”生き物”で、ピットアウトした場所に今日みたいにもっとクルマがいたら勝ててないし、クルマがいなかったらもっと楽に勝てていたし。相手がいることなので、ある程度こうだろうということは予測できますが、戦略(が正しかったかどうか)はもう結果論だと思います。
(平川との最後のバトルについて)ミラーで見ていると平川選手がすごく速くて。野尻(智紀)選手と牧野(任祐)選手を抜いてきているのも見えていました。ミラーでどんどん(姿が)近づいてきてすごいなと思ったのですが、逆に(闘志が)燃えてきて。気合いが入りました。絶対バトルで負けるつもりはないし、とりあえずインだけは絶対に開けたくなくて。自分が止まれなくてもズバッと抜かれるくらいなら、自分で飛んでいく(コースアウトする)方がいいと思ってて。そういう気持ちでやっているので。ただ、90度コーナー(での攻防戦)に関しては、そこは今までの自分の経験でしっかりと押さえることができました」
2位:No.20 平川 亮(carenex TEAM IMPUL)
「(第6戦)富士と昨日(第7戦)を合わせて2回連続リタイヤとなったので、まずはしっかりとポイントを獲得できて表彰台に上がれて良かったと思います。正直勝ちたかったですが、(予選)6位から(決勝)2位ということを考えると上出来だったかと思います。今日勝てなかったので、(最終戦の)鈴鹿で2連勝して今シーズンを終わりたいなと思います。
レース中は前が開けるまでは我慢をして、前の隊列についているような形で。前が開けてからもまだ20周はあると知っていたので、特にプッシュはせずしっかりとマネージメントして走ってました。どっちかと言うとタイヤを残しておいくというか……前半スティントの最後をしっかりと走れるように、タイヤを残しておくような感じでいつも通り(の作戦)という感じでした。(作戦は終盤に)タイヤを換えて抜くというものだったので、できるだけギャップは広げておかなきゃいけないから、もちろんそこは(ギャップを)広げられるように頑張って走りました。あとはタイヤ交換が結構早かったので、思ってたよりも前に出られて。正直ピットに入るまではトップを狙えるチャンスはないと思っていました。なので、関口(雄飛)選手と(のバトルの)チャンスが生まれたのかなと。最後は抜けませんでしたがそういうチャンスを生んでくれたピット作業には感謝しています。今日は2台ともチームワークが良かったのかなと思います」
カテゴリー: F1 / スーパーフォーミュラ