2025年F1スペインGP:各チーム代表が語る勝因・敗因と今後への手応え

マクラーレンのアンドレア・ステラは冷静なレース運びとマシン性能を称賛し、チームの総合力を強調。フェラーリのフレデリック・バスールは3戦連続の表彰台に手応えを示しつつも、マクラーレンとの差を埋める努力を続けると語った。
メルセデスのトト・ヴォルフは暑さによるタイヤ管理の課題を指摘し、信頼性の向上を誓った。ザウバーのジョナサン・ウィートリーはヒュルケンベルグの快走を讃え、アップグレードの効果に確信を見せた。
中団では、レーシングブルズのローラン・メキースが3戦連続Q3・入賞の勢いに満足感を示し、アルピーヌのフラビオ・ブリアトーレは現状の厳しさを認めながらも立て直しへの決意を表明。アストンマーティンのアンディ・コーウェルはアロンソの粘り強い走りを称え、レッドブルのクリスチャン・ホーナーはフェルスタッペンの戦略判断と接触の影響に悔しさを滲ませた。ハースの小松礼雄とウィリアムズのジェームス・ボウルズはともに、パフォーマンスと運営体制の再検証を急ぐ必要があると述べ、次戦カナダへの巻き返しを誓った。
マクラーレン(アンドレア・ステラ)
「このヨーロッパでの3連戦を、バルセロナでの力強いパフォーマンスとMCL39の競争力のさらなる裏付けとともに終えることができた。週末を通して、両ドライバーとチームは非常に高いレベルのパフォーマンスを引き出し、3回目の1-2フィニッシュという結果を得られた。戦略もピットストップも非常にうまく機能し、本来なら緊張感が高くなるレース展開を、非常にスムーズに運ぶことができた。これから一度ウォーキングに戻ってリフレッシュし、2週間後のカナダに向けた準備に入る」
フェラーリ(フレデリック・バスール)
「表彰台でレースを終えるのは常に良いことだし、モナコに続いてこの結果が得られたことで、我々が勢いをつけつつあるという証明にもなった。これで3戦連続で良いレースができており、コンストラクターズランキングでも再び2位に浮上することができたのはポジティブな進展だ。今日のレースはかなりタフで、我々も多くのチームと同じようにミディアムとソフトの性能差を正確に把握するのに苦労したが、最終的にはソフトの方がペースと安定性に優れていた。それが終盤のシャルルの逆転につながったし、セーフティカーも我々に有利に働いた。ルイスは終盤にバランスの問題を報告していたが、それでもポイントを持ち帰ってくれた。マイアミ以降、一貫して進歩を続けており、イモラの予選以外では好調を維持している。マクラーレンはまだ我々の先にいるが、一歩ずつギャップを縮めている。これからも改善を続けて、戦い続けていきたい」
メルセデス(トト・ヴォルフ)
「我々にとっては全体的に難しい週末だった。暑いコンディション下ではタイヤマネジメントが大きな課題になる傾向があり、今回もそれに悩まされた。ジョージの4位という結果は、レース前に想定していた以上の成果ではあったが、我々が本来目指すポジションではない。キミはパワーユニットのトラブルでリタイアすることになり、ポイントの可能性を失ってしまった。今回の週末で収集したすべてのデータを分析して、マシンのポテンシャルを引き出すために必要な領域に集中していく。タイヤのオーバーヒート対策は最優先事項であり、まだシーズンは長い。我々は前進を続け、マシンの改善に全力を尽くすつもりだ」
ザウバー(ジョナサン・ウィートリー)
「今日はチーム、そしてファクトリーで働くすべてのスタッフにとって素晴らしいパフォーマンスだった。アップグレードの投入を前にして、我々はソフト/ミディアム-ソフトという戦略を選択し、それを的確に遂行することができた。両ドライバーとも良いスタートを切り、レース中もクルマのペースは強く、戦略面でも非常に良い判断ができた。ピットクルーも素晴らしい働きをしてくれて、特に2.1秒のピットストップは見事だった。ニコは序盤にベアマンをカバーする形でアンダーカットを実行し、セーフティカー下でソフトに履き替えてハミルトンを抜くという流れに持ち込めた。P5という結果は、2022年イモラ以来の最高順位だ。ガブリエルについては、13周目にピットインしてミディアムで1ストップを狙ったが、セーフティカーで流れが崩れてしまった。それでも最後までしっかりとペースを保って走ってくれた。3連戦を最高の形で締めくくり、貴重なポイントを得られたことは、すべての努力の証だ」
レーシングブルズ(ローラン・メキース)
「バルセロナでも非常に強い週末となった。現地のチームにもファクトリーの仲間たちにも心から感謝したい。3連戦の締めくくりとして、3戦連続のQ3進出とポイント獲得は素晴らしい成果だ。去年のスペインでは競争力を欠いていたが、今年はトップ・ミッドフィールドで戦えるところまで来られた。セーフティカーによって少し状況は変わったが、非常に価値のあるポイントを得られた。アイザックの週末は本当に素晴らしく、予選でのQ3、そして今日の走りと、すべてが見事だった。リアムは昨日の予選が少し響いてトラフィックに苦しんだが、良いオーバーテイクをいくつも決めて、彼本来の速さを見せてくれた。この3連戦を始めたときにはコンストラクターズ8位だったが、今は6位に浮上している。ただ、これはまだ序章に過ぎない。これからも大きなチームとの戦いを続けていくために、謙虚に、そして貪欲に前進し続けていく」

アルピーヌ(フラビオ・ブリアトーレ)
「ポジティブな点として、困難な週末ではあったがバルセロナをポイント付きで終えることができた。現状では我々のクルマがあるべき位置には達しておらず、それはこの3連戦でも明確に示された。ピエールは堅実なレースをしてくれたし、セーフティカーのタイミングでフリーストップを選択できたのも良い判断だった。結果的にフレッシュなタイヤでポジションを守ることができた。フランコにとっては後方スタートからの厳しい展開だったし、期待していたほど順位を上げることはできなかった。チームとしてこの状況から抜け出すために、改めて団結し、踏ん張る必要がある」
アストンマーティン(アンディ・コーウェル)
「フェルナンドが母国の観衆の前で素晴らしいバトルを繰り広げ、ポイントを獲得できたことをうれしく思っている。序盤はトップ10争いの中で接触もあり、ソフトタイヤでできるだけスティントを引き延ばしたかったが、想定よりもタイヤが早く厳しくなってしまった。そこからは徐々に順位を取り戻し、セーフティカーで一気に集団が再接近したことでスプリントのような展開になった。そこからのフェルナンドの3台抜きは見事だったし、マックスの10秒以内でゴールしたことで9位を確保できた。今回の3連戦で得られた学びをしっかりと分析し、チーム全員がランスの早期回復を願っている」
レッドブル(クリスチャン・ホーナー)
「レース展開の流れから、早い段階で3ストップ戦略を選択した。我々にとってはその方が優位に立てると見ていたが、最終的にはマクラーレン勢とのペース差とタイヤ戦略の差により、厳しい展開になった。マックスは最初のピットストップを早めに行い、アンダーカットを狙ったが、そこから使用済みのソフトとミディアムをすべて使い切っていた。セーフティカーが出たタイミングは我々にとって最悪で、タイヤ選択肢もハードしかなかった。古いタイヤでリスタートを迎えるか、新品のハードでリスクを取るかの選択を迫られた中で、後者を選んだ。結果的にはうまくいかなかったが、当時の状況ではベストな判断だった。ジョージとの接触についてはスチュワードの判断を受け入れるが、チーム内で改めて精査する必要がある。今日はマックスにとって本来は表彰台が狙える展開だっただけに残念だ。角田裕毅についても、セーフティカーが出なければポイント争いに絡めた可能性があった。彼の今週末の結果には本人も満足していないだろうが、来週チームとともにセットアップ面での改善に取り組み、カナダでの巻き返しを目指す」
ウィリアムズ(ジェームス・ボウルズ)
「我々のレースは、1周目の接触で両マシンがフロントウイングを損傷した時点で実質的に終わっていた。可能な限り早くピットに入れて対応はしたが、それ以降のペースが十分ではなかった。他にもマシンにダメージがあった可能性があるため、そこを精査する必要がある。カルロスはポイント圏が見えるところまで粘ってくれたが、序盤のロスが大きすぎた。今週末は元々厳しい展開になると予想していたが、他のコースでは改善が見られている一方で、バルセロナのようなサーキットでは十分な進歩ができていない。2026年に向けて、この点を深く理解して対処する必要がある。アレックスもカルロスと同様、最初の接触で大きく崩れてしまい、最後はリタイアに追い込まれた。全員がベストを尽くしたが、今日は厳しい日だった」
ハース(小松礼雄)
「今日は良い日とは言えなかった。クルマのパフォーマンスも十分ではなかったし、オペレーションの面でもうまく噛み合わなかった部分がある。これは今日だけの問題ではなく、金曜の段階から続いていた。チームとしてどのように作業を最適化し、ドライバーやマシンからもっとパフォーマンスを引き出せるのか、しっかりと調査していく必要がある。今日のレースをきちんと振り返り、モントリオールではより良い結果を目指したい」
カテゴリー: F1 / F1スペインGP