2025年F1 スペインGP 予選:トップ3インタビュー&記者会見全文

予選後、トップ3ドライバーはパルクフェルメでアレックス・ブランドルのインタビューに応じ、その後メディアセンターで記者会見を行った。マクラーレンの2人はチーム内の駆け引きを交えつつも健闘を称え合い、フェルスタッペンは明日の決勝に向けて「ターン1で輝くチャンス」と冷静に意気込みを語った。
Q:オスカー・ピアストリ、今年最大のマージンでのポール獲得。予選最後のラップは素晴らしかったですね。この結果には満足していますか?
オスカー・ピアストリ: うん、とても満足してる。今のところすごくいい週末だね。最初は少し苦戦してたけど、昨日の夜にペースを見つけられて、今日はクルマもすごく良かったし、自分もいいラップを刻めたと思う。チームには本当に感謝してるよ。去年はここでかなり辛い思いをしたけど、それを最高の形でひっくり返せたのは素晴らしいね。
Q:最後のQ3のラップでポールに飛び込みました。トウ(スリップストリーム)も使えない中、どこでタイムを見つけたのでしょう?
ピアストリ: 実はターン1で結構タイムを縮められたんだ。それに加えて、今日ずっと苦労してたいくつかのコーナーも少し改善できた。特にラップの前半がよかったと思う。後半はなんとか持ちこたえたって感じで、完璧なラップではなかったけどね。このサーキットはラップの途中でタイヤのグリップがどんどん落ちていくから、パーフェクトなラップを決めるのは本当に難しい。それでも、今日の自分たちの努力にはとても満足してるよ。
Q:明日はマクラーレンがフロントロウ独占。戦略的な展開になりそうな中、ポールポジションは大きな武器になりますね。
ピアストリ: 間違いないね。明日はかなり面白い展開になると思うし、ポールからスタートできるのは嬉しい。ターン1までの距離は長いから、スタートをうまく決める必要がある。でも、今日のチームの働きにはすごく誇りを持ってるし、スタート位置としてはこれ以上ない。あとは明日楽しめればいいなって思ってる。
Q:素晴らしいラップでした。おめでとうございます。では続いてランド・ノリス。セッションの序盤ではポール獲得が見えていましたが、最後のアタックで届きませんでした。今日ポールは取れたと思いますか?
ランド・ノリス: オスカーがいい走りをしたよね。僕にも十分なペースはあったと思うけど、小さなミスがいくつかあって、それで決まっちゃった。彼は今週ずっと良い走りをしてたし、チームにとっては1-2だから素晴らしい結果だよ。明日は面白いスタートになると思う。
Q:Q3前半では2人の間でトウの駆け引きも見られましたね。チャンピオンシップではたった3ポイント差。明日はそのバトルの始まりでしょうか?
ノリス: いや、できればバトルなしで楽な展開にしたいけど(笑)。でも実際はターン1までの距離も長いし、後ろにも速いドライバーがいるから、そう簡単にはいかない。今日はいい結果だったし、満足してるよ。
Q:明日は左フロントタイヤのマネジメントが鍵になりそうですが、レースペースには自信ありますか?
ノリス: 自信あるよ。僕らが一番いいクルマを持ってると思う。
Q:マックス・フェルスタッペン、3番手獲得おめでとうございます。今日はクルマの全てを引き出せたと思いますか?
マックス・フェルスタッペン: たぶんそうだね。今週末はマクラーレンに対してちょっと足りなかったけど、自分たちとしてはうまくまとめたと思う。3番手は今の実力として妥当な位置だと思うよ。後ろもかなり接戦だったしね。このコースはグリップがしっかりしてるから走ってて楽しいし、明日どうなるか楽しみにしてる。
Q:タイミングモニター上ではジョージ・ラッセルと全く同タイムでしたね。今回はあなたの方が先に記録して前に。クルマのバランスについては今週どれくらい調整が必要でしたか?
フェルスタッペン: そこまで大きな変更はしてないよ。金曜の時点で結構仕上がってて、あとは細かい調整だけ。もちろんポール争いには足りなかったけど、それでもそこそこ戦えるクルマにはなってたと思う。
Q:2列目からのスタートになりますが、明日のレースに向けてレースペースの手応えは?
フェルスタッペン: ベストは尽くすよ。でも彼ら(マクラーレン)は手強いと思う。どこまでやれるか、明日次第だね。

記者会見
Q:オスカー、ポールを獲得したラップについて聞かせてください。どんな内容でしたか?
オスカー・ピアストリ: 結構いいラップだったと思う。特にセクター1はかなり感触が良くて、セクター2の途中までは順調だった。後半の区間はちょっと難しくて、少しタイムを落としたと思う。ここではラップの前半でタイヤを使いすぎると、後半が本当にきつくなる。でも、それでも十分なタイムだったってことだから良かったよ。今日はクルマの調子もすごく良くて、ラップも安定してたし、昨日とは対照的な一日になった。いい一日だったよ。
Q:今季最大のポールマージンになりました。この予選前、自信はどれくらいありましたか?
ピアストリ: プラクティスではずっと調子が良かったし、特にFP2はすごく感触が良かった。FP3でも手応えはあったから、予選では狙えると思ってた。もちろんランドが速いのは分かってたし、他のチームも絡んでくるかもしれないとは思ってたけど、チームとしてギャップを作れたのは嬉しいね。今日この結果を出せる自信はあったし、それをちゃんと形にできてよかった。
Q:さっきタイヤの話が少し出ましたが、セクター1でどれだけプッシュするか、セクター3に向けてどれだけタイヤを残すか、その判断はどうしていましたか?
ピアストリ: ぶっちゃけ、特に意識はしてなかったんだよね。あとから分かった感じ。前半に改善したいコーナーがいくつかあって、そこに集中してた。たぶん後半はちょっと気持ちが入ってしまったのかも(笑)。もしかすると単に自分の実力不足だったのかもしれないけど、タイヤをギリギリまで攻めると、その代償はあるよね。最後のセクターはコーナーがすごく長くて遅いから、タイヤが死んでると本当にきつい。もしもう一度やるなら少しやり方を変えるかも。でも、結果が良かったからあんまり気にしてない。
Q:今週末から導入されたテクニカルディレクティブの影響はありましたか? セットアップで苦労したところは?
ピアストリ: テクニカルディレクティブが原因で苦労したわけじゃないよ。毎週末、細かい調整は必要だけど、それはいつものこと。今回は特に新しい問題があったわけじゃなかった。
Q:明日のスペインGPを制する鍵は何でしょうか?
ピアストリ: トップでチェッカーを受けること。それがすべてさ(笑)。まあ、いいスタートを決めて、リードを保つのが大事かな。でも明日は戦略勝負になると思う。昨日のロングランはどのチームも結構きつかったから、今年の他のレースとは違った展開になると思うよ。先週みたいにはいかないはず。タイヤマネジメントやピットストップのタイミング、いろいろな要素が絡んでくるから、簡単にはいかないだろうね。
Q:ランド、Q3の最初のラップでは暫定ポールを取っていました。その時点でさらにタイムを伸ばせる手応えはありましたか?
ランド・ノリス: うん、間違いなくあったよ。
Q:では、2本目のラップについて詳しく教えてください。何が起こったのですか?
ノリス: 小さなミスがいくつかあったんだ。ターン1でミスしたんだけど、そこはラップの最初だから、その後のタイヤマネジメントにも影響してくる。それにターン4の出口でもちょっと乱れてしまった。だから完璧なラップではなかったし、クリーンなラップでもなかった。ただ、それでも意外とタイムは改善していたから、クルマのペースは十分にあったと思う。ミスが少し多すぎたね。
Q:ランド、今週末のクルマのパフォーマンスを振り返って、明日のロングランペースに対する自信はどれくらいありますか?
ノリス: いい感じだよ。これまでのすべてのコンディションでクルマの調子はよかった。とにかく今日はすごく暑くてね。オスカーも言ってたけど、1ラップの予選ですらタイヤマネジメントが大変だった。だからレースはもっと難しくなる。でも、週末を通してマシンのパフォーマンスは良かったし、それは今日の結果にも表れているから、日曜に向けては心強いよ。
Q:Q3の1本目では、外から見ているとオスカーの“トウ”を使ったようにも見えましたが、あれは効果がありましたか?
ノリス: どうだろうね。あまり長くは続かなかったし、正直言ってそれで差が出たとは思っていないよ。
Q:マックス、この予選をあなたの視点から振り返ってください。再び、最後の瞬間にしっかりまとめてきましたね。
マックス・フェルスタッペン: まあ、悪くはなかったよ。全体としてコンマ3秒前後の差でずっと推移してたから、Q1、Q2、Q3で大きく変わることはなかった。Q3の1本目はちょっと難しかったね。アウトラップで違うアプローチを試したんだけど、それがうまくいかなかった。でも、やっぱりターン1はずっと難しかった。いろんなラインを試したけど、グリップが得られなかった。あとは全体的に悪くなかったし、クルマもまずまずの仕上がりだったけど、ポールを狙えるような速さではなかった。それでも、このサーキットで全開アタックするのは楽しかったよ。速いコーナーが多いからね。
Q:楽しかったとのことですが、マクラーレンにもう少し近づけると予想していましたか?
フェルスタッペン: いつの話?予選で?いや、そんなふうには思ってなかったよ。
Q:レースペースについてはどうでしょう?あなたはここで4連勝がかかっていますが、明日はどれほど厳しいチャレンジになりますか?
フェルスタッペン: 厳しいレースになると思うよ。ロングラン自体は悪くなかったけど、今日の差を見る限りでは、簡単にはいかないと思う。だからといって諦めるわけじゃないけどね。できる限り最大限の力を出すつもりさ。
会場からの質疑応答
Q:オスカー、SNS上ではあなたのポールや勝利後のリアクションが「冷静すぎる」「キミ・ライコネンの息子みたいだ」と話題になっています。こうした“アイスボーイ”というイメージについて、自分ではどう思いますか?
ピアストリ: 「アイスボーイ」と呼ばれるのはちょっと微妙だね(笑)。でも、その時々で感情は違う。確かに、あまり感情を出してないときもあるけど、内心ではすごく満足してる時もある。単純に、自分はあまり感情を表に出すタイプじゃないってだけ。もちろん、めちゃくちゃ嬉しい瞬間もあるけど、今日みたいにポール取っても「まだレースが残ってる」って思ってる。だから気持ちが爆発するような感じにはならないんだ。バトルして勝ったレースならもっと感情も出ると思うけど、ある程度余裕があると冷静になっちゃうんだよね。それが自分ってだけかな。
Q:ランド、モナコでは予選での仕上げに自信を持ち始めていると話していましたが、今日の結果はその進歩を裏付けていますか?それとも今回は少しミスが出ただけ?
ノリス: 今日は十分なスピードがあった。でも、うまくラップをまとめきれなかっただけ。予選の序盤はちょっと遅れてたけど、途中でしっかり取り戻せたし、どこでミスしたかも自分で分かってる。ちょっと攻めすぎたし、特にバルセロナみたいなサーキットでは、ターン1や2で少しオーバーステアが出ただけでもラップ全体が難しくなる。でも全体としてはポジティブな内容だったし、バルセロナで2番手なら悪くない。いい週末だったと思う。
Q:マックス、明日のスタートがレースの鍵になると思いますか? それとも、ロングランペースでマクラーレンに食らいついていける自信がありますか?
フェルスタッペン: まあ、ターン1で輝けるチャンスかもね(笑)。3台並んで写真に収まったら面白いでしょ。とはいえ、今日のペース差を見ると、簡単なレースにはならないと思う。でも、スタートだけがすべてじゃないし、タイヤの使い方とか戦略でも勝負できると思う。自分の手札を最大限に活かすだけさ。
Q:マクラーレンの2人に質問です。Q3の“トウ”についてですが、オスカーはランドが少し“抜け目なく”トウを取ったと言っていました。事前にお互いを避けるような計画はあったのですか? それともマックス相手に十分に戦えるという自信があったのですか?
ピアストリ: 僕はQ3の1回目にすごく早く出て行ったんだけど、たまたまランドが僕の後ろでアタックする形になったと思う。自分のラップをスタートするときに後ろにランドがいるっていうのは、まああんまり気持ちのいいものではないけど、特に悪意があったわけじゃないし、あとでちゃんと話せばいいと思ってた。ランドとウィルの間で何か計画があったのかもしれないけど(笑)、僕としてはただの偶然だったと思ってる。
ノリス: 週末を通してずっと仕込んでたんだよ(笑)。いや、冗談だって。オスカーが最初に出るなんて知らなかったし、単純に誰かのスリップを使いたかっただけ。たまたまその相手がオスカーだったってだけで、ピットレーンで10番手くらいに並んでたから誰の後ろになるかなんてまったく分からないんだよね。ただの偶然だよ。
カテゴリー: F1 / F1スペインGP