2025年F1 スペインGP:知っておくべき統計・トリビア・洞察
2025年F1世界選手権はヨーロッパラウンド本格化の象徴ともいえるスペインGPを迎え、バルセロナのカタロニア・サーキットに舞台を移した。今季はマクラーレンの快進撃が続いており、ここスペインでも予選ではランド・ノリスが今季2度目のポールポジションを獲得。チームメイトのオスカー・ピアストリも選手権首位を堅持しており、マクラーレンが再び前列を独占した。

だが、そこに割って入ろうとしているのがレッドブルのマックス・フェルスタッペン。過去3年連続優勝、そしてF1初勝利の舞台でもあるスペインは、彼にとって特別な場所だ。予選3番手からの逆転勝利を狙う。

中団ではアップグレードを持ち込んだ各チームによる激しいポジション争いが繰り広げられており、コンストラクターズ選手権2位争いも熾烈を極めている。戦略は2ストップが主流、タイヤ選択や気温、路面コンディションの変化も勝敗を分ける重要な要素となるだろう。

今夜、日本時間の決勝スタートを前に、統計データや戦略傾向、勢力図、そして過去の名場面まで、スペインGPを読み解くための最新情報をお届けする。

基本データ
■ 初開催年:1951年(ペドラルベス)
■ コース全長:4.657km
■ ラップレコード:1分16秒330(マックス・フェルスタッペン/2023年)
■ 最多ポールポジション:ミハエル・シューマッハ(7回)
■ 最多優勝:ミハエル・シューマッハ/ルイス・ハミルトン(各6勝)
■ トリビア:アロンソ最後の勝利(2013年)が同地
■ ポールポジションからターン1までの距離:595m
■ 2024年のオーバーテイク数:86回
■ セーフティカー出動確率:38%
■ バーチャルSC出動確率:25%
■ ピットストップでのタイムロス:22.2秒(うち停止時間2.5秒)

スペイングランプリ

ドライバーの見解(ジョリオン・パーマー)
バルセロナは、すべてのドライバーが手の内を知り尽くしているサーキットで、まるで“ホーム”のような存在だとパーマーは語る。特にターン3~4やターン9といった長いコーナーが多く、首や身体に大きな負担がかかるという。舗装も粗いため、フロント左タイヤの摩耗が激しい。

また、オーバーテイクは基本的にターン1以外では難しく、ターン4~5の下り勾配のブレーキングゾーンも要注意ポイント。かつて存在していた最終シケインは2023年に撤去され、より走りやすくなったとも述べている。

過去5年のスペインGPポールシッター
■ 2024年:ランド・ノリス(マクラーレン)
■ 2023年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
■ 2022年:シャルル・ルクレール(フェラーリ)
■ 2021年:ルイス・ハミルトン(メルセデス)
■ 2020年:ルイス・ハミルトン(メルセデス)

過去5年のスペインGP優勝者
■ 2024年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
■ 2023年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
■ 2022年:マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
■ 2021年:ルイス・ハミルトン(メルセデス)
■ 2020年:ルイス・ハミルトン(メルセデス)

スペインGPフェルスタッペンが2024年F1スペインGPを制し、ポールスタートのノリスの追撃を退けた

タイヤと戦略のインサイト
今大会からFIAの新技術指令が適用され、ウイングの柔軟性に関する規制が強化された。これにより、一部のチームにはパフォーマンス面での影響があると見られている。

また、例年このスペインGPでは、各チームが大規模なアップグレードを投入する傾向があり、今週末も例外ではない。選ばれたタイヤは、ピレリの最も硬いレンジであるC1(ハード)、C2(ミディアム)、C3(ソフト)の3種。中でもC2は昨年から性能が見直されており、性能差がより均一に近づいていることから、ミディアムとソフトが有力な選択肢となりそうだ。

バルセロナではフロント左タイヤへの負荷が非常に高く、戦略面では近年一貫して2ストップが主流。昨年は12人のドライバーが3種類すべてのコンパウンドを使用し、上位勢はソフト→ミディアム→ソフトの戦略でレースを走破した。

2025年のF1世界選手権 スペインGP

現在の勢力図と注目ポイント
現在ドライバーズランキング首位に立つのは、マクラーレンのオスカー・ピアストリ(161ポイント)。モナコで優勝したチームメイトのランド・ノリスが、わずか3ポイント差で猛追している。

マックス・フェルスタッペンも25ポイント差の3番手につけており、スペインGPは得意な舞台でもあることから、逆転の可能性も十分にある。

コンストラクターズではマクラーレンが319ポイントで独走中。2位争いは激しく、メルセデス・レッドブル・フェラーリの3チームがわずか5ポイント差の中でしのぎを削っている。フェラーリは前戦モナコでのルクレールの表彰台により、レッドブルとの差を1ポイントにまで詰めた。

中団では、ウィリアムズが5位を維持するも、レーシングブルズがモナコでダブル入賞を果たし7位に浮上。6位のハースにわずか4ポイント差と迫っている。

名勝負の記憶:マンセル vs セナ(1991年)
ヘレスから現在のカタロニア・サーキットへと舞台を移した初のスペインGPでは、ナイジェル・マンセルとアイルトン・セナによる名バトルが展開された。

チャンピオン争いを続けていたマンセルはセナをオーバーテイクしたが、ピットストップで逆転される。その後、雨に足元をすくわれたセナがスピン。再びリードを奪ったマンセルは、ゲルハルト・ベルガーを追い抜いて最終的に快勝を収めた。



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カテゴリー: F1 / F1スペインGP