2025年F1 モナコGPパワーランキング:角田裕毅はランク外

レース展開が限られるモナコでは、予選順位が決定的となる中、抜け目のない戦略と冷静な判断が光ったドライバーたちが評価を高めた一方で、静かな週末に終わった選手たちはランク入りを逃すことに。
レッドブル・レーシングの角田裕毅は、17位フィニッシュに終わり、ポイント獲得もならず。レーシングブルズのアイザック・ハジャーとリアム・ローソンがダブル入賞を果たした中、週末を通して流れを掴めず、パワーランキング入りも見送られた。
F1パワーランキングは、F1.comの5人の審査員がグランプリ終了後に各ドライバーを評価し、週末を通してのパフォーマンスに応じて10点満点で採点。専門家のスコアを平均してレーススコアを作成し、そのスコアは総合パワーランキングのリーダーボードでシーズンを通して集計される。

モナコGP特有の性質として、スタート時点のポジションがそのままゴール位置を決定づけることが多い。ランド・ノリスはこの事実を理解し、予選ではトラックレコードを更新する走りで見事ポールポジションを獲得。スタート直後の第1コーナーでの軽いロックアップにも動じず、地元の英雄シャルル・ルクレールからの激しいプレッシャーを受けながらも冷静にレースを展開。終盤にはさらにファステストラップを連発し、勝利に花を添えた。

レーシングブルズのアイザック・ハジャーは、F1マシンでのモナコ市街地走行という難題にもひるまず、今季自己最高の6位入賞を果たした。予選では5番手に食い込み、レースではチームメイトのリアム・ローソンと共にトップ10を維持するチームプレイを披露。「完璧な週末だった」と自身も振り返る。

母国GPでの2連勝を逃したシャルル・ルクレールにとっては悔しさが残る結果だったが、週末を通してフェラーリを限界までプッシュし、その差は想定よりも小さいことを証明した。全てのプラクティスをトップで終え、予選ではノリスにわずか0.1秒差まで迫った。決勝でも勝利への可能性を最後まで追い続け、観衆を魅了した。

ハースにとって今季はサーキットごとのパフォーマンス差に悩まされてきたが、モナコではついにすべてが噛み合った。エステバン・オコンはQ3に進出し、決勝では1つ順位を上げて7位フィニッシュ。チームにとって貴重な6ポイントをもたらし、改めて“リードドライバー”としての存在感を示した。

低速コーナーに弱さを抱えるレッドブルにとってモナコは苦戦が予想されたが、マックス・フェルスタッペンはそれでも予選でトップ5に入り、ルイス・ハミルトンのペナルティにより決勝では4番手からスタート。オスカー・ピアストリへのリスクあるオーバーテイクを回避しつつ堅実な走りで12ポイントを獲得し、タイトル争いで踏みとどまった。

そのピアストリは、週末を通してモナコの狭さに苦しめられ、バリアに接触し、サン・デボーテでタイヤバリアに突っ込む場面も。だが、ノリスとほぼ同等のペースを保ち、ルクレールを最終盤に追い詰める走りでマクラーレンに再び大量得点をもたらした。ランキング首位もキープしている。

話題をさらったのはリアム・ローソンの戦略だ。シーズン初ポイントとなる8位フィニッシュを果たしただけでなく、後続を抑え込むことでハジャーのピットストップをサポート。ドライバー仲間からは好意的に見られなかったが、レーシングブルズにとっては両者揃ってのトップ10入りという成果につながった。

フェルナンド・アロンソにとってモナコは“あと一歩”のレースだった。今季まだノーポイントの中、予選では素晴らしい走りで6番手グリッドを獲得。だが、ポイント目前のレース中盤、エンジンから煙が立ちのぼり、無念のリタイア。チームのパフォーマンスと運に見放される形となった。

ウィリアムズにとっては、9位と10位という結果に対し「物足りなさ」を感じられるほどに進歩が見られた。アレックス・アルボンは好調を維持し、Q3進出を果たすと、チームメイトとのダブル入賞を演出。これで今季5度目のダブルポイントとなり、中団グループでの存在感をさらに強めた。

予選でフェルスタッペンの進路を妨害したとして3グリッド降格となったルイス・ハミルトンだが、モナコについては「ここ最近で最高のマシン」と高評価。FP3ではクラッシュもあったが、決勝では2つポジションを上げて5位でフィニッシュ。前方集団には届かなかったものの、堅実なレースで意地を見せた。

カルロス・サインツは、ウィリアムズがレーシングブルズ同様の戦略を採用する中、ペースをコントロールして後方とのギャップを調整。本人は「やりたい役割ではなかった」と語ったが、4戦連続のポイント獲得を果たし、チームをランキング5位に導いている。
惜しくもランク外
ニコ・ヒュルケンベルグはQ2進出を果たし、キック・ザウバーにポイント獲得の希望をもたらしたが、あと一歩でランク外。ジョージ・ラッセルやハースの新人オリー・ベアマンも、健闘及ばずトップ10入りは逃した。

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