F1 ルノー レッドブル
ルノーは、レッドブル・レーシングというパートナーを失ってもF1でのマーケティングに影響はないとし、今後はワークスチームにより一層専念していくと語る。

今週、レッドブル・レーシングは、ホンダと2019年と2020年の2年間にわたるF1パワーユニット供給契約に合意したことを発表した。

ルノー・スポーツF1のマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングがルノーとのパートナーシップを終了することを決断した理由は理解していると語る。

レッドブル・レーシングの決断が発表されたことに安心しているか、もしくは失望しているかと質問されたシリル・アビテブールは「どちらでもない」とコメント。

「我々は一年近く答えを待っていた。昨年のシンガポールで、我々はいつかレッドブルとの協力関係を終了する予定だと発表していた。ルノーがファクトリーチームとして復帰した後、我々はこのような別れが来ることを予想していた」

「我々はレッドブルがファクトリーチームとしてのステータスを取り戻すために別のパートナーを探すことになることは完全に理解していた」

レッドブル・レーシングとルノーは12年間にわたってパートナーシップを組み、2010年から2013年までドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを4連覇してきた。だが、レッドブル側はルノーのエンジンに不満を述べ続け、ルノーの功績を称えることは多くなかった。

シリル・アビテブールは、レッドブル・レーシングを失うことはマーケティングの観点からルノーに影響を及ぼすことはなく、マクラーレンとの新たなパートナーシップもイメージを向上させるためのものではないと付け加えた。

「我々はデータ収集のために2チームを持つことが重要なのでエンジンを供給している。当社の利益とマーケティングは、ルノー・スポールF1の黄色いクルマに始まり、黄色いクルマに終わる」

だが、レッドブルを失うことでルノーは資金が必要になるとの見方もある。2017年にトロロッソも失っているルノーの収入損失は、年間2500ユーロ(31億8000万円)になる見通しだとされている。

シリル・アビテブールも「我々は損失を受け入れていく」と認める。「だが、我々は費やす額が減ることはない」

「レッドブルにエンジンを供給するには資金が必要だったが、それほど収益は出なかった。そのため、彼らとの契約解消が我々の予算に影響を与えることはない」

2014年にV6ターボパワーユニットが導入されて以降、ルノーのF1エンジンのパフォーマンスと信頼性の低さは顕著となり、一旦レッドブル・レーシングは2015年シーズン限りで契約を打ち切ることを決定している。しかし、レッドブル・レーシングにエンジンを供給するメーカーは現れず、ルノーのエンジンに“タグホイヤー”のバッチをつけて搭載することで決着。さらに2016年にルノーがワークス復帰して以降、レッドブル・レーシングはカスタマー待遇となったことでその関係はさらに冷え切っていた。

しかし、シリル・アビテブールは、ルノーとしてはレッドブル時代が終わったことに安堵しているわけではないと語る。

「酷い結末のストーリーだったわけではない。私は安堵という言葉は好きではない。出来事の論理的な発展について話すことを好む」とシリル・アビテブールはコメント。

「我々としては、2021年の準備に専念できるので満足している。それにレッドブル・レーシングがホンダという新しいパートナーを見つけたことを彼らのためにも嬉しく思う。F1には4つの自動車メーカーがいるわけだからね」

レッドブル側は母国レースとなるF1オーストリアGPで2019年以降のエンジンサプライヤーを発表することを望んでいたが、ルノーは先週末に最終期限を求めたことで、予定よりも2週間早くに発表されることになった。

「とにかく我々には答えが必要だった。パートナーを少し急かすことになるのはそれが理由だ。そうしてくれた彼らに感謝している」とシリル・アビテブールは語った。

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カテゴリー: F1 / ルノーF1チーム / レッドブル・レーシング