レッドブルF1新体制をフォードが評価 ホーナーの遺産とメキースの技術力

レッドブルとフォードの協業は、ポルシェとの交渉が決裂したことをきっかけに動き出した。
対等な立場での参画を求めたポルシェに対し、別の可能性を探っていた中で、ラッシュブルックがホーナーに直接メールを送り、対話が始まったという。ホーナー自身は後に、ディアボーンでの会談でジム・ファーリーがセルジオ・ペレスのキャップをかぶって現れたことを冗談交じりに振り返っている。
ホーナーは、ルノー、そしてホンダの突然の撤退を経験したことで、外部に依存しない体制の重要性を強く意識するようになった。パワーユニットをシャシーにより深く統合できれば、長期的な競争力につながるという考えのもと、社内エンジンプロジェクトを推し進めた中心人物でもある。ラッシュブルックは、「彼は20年にわたってチームを築き、タイトルと技術的な厚みをもたらした。その功績には最大限の敬意を払うべきだ」と述べ、最初の協議を主導した人物がホーナーだったことを改めて強調した。
エンジニア出身代表という強み
一方で、現在レッドブルを率いるローラン・メキースについて、フォードはそのエンジニアリングのバックグラウンドを大きな資産と捉えている。マックス・フェルスタッペンを含むチーム内部でも、その技術的理解力は高く評価されており、昇格理由のひとつとして公式にも挙げられていた。
ラッシュブルックは、「彼自身が細かな設計を行うわけではないが、ピエール・ワシェやポール・モナハンらが必要とする支援を理解し、的確に後押しできる」と語る。プロジェクトの承認や方向性の判断において、技術を理解する代表がいることは、開発を円滑に進める上で大きな意味を持つという見方だ。
この考え方は、F1全体の潮流とも一致している。近年はエンジニア出身者が要職に就く例が増えており、ラッシュブルック自身もフォード・パフォーマンスを技術畑から率いている。「マーケティングや広報の力も不可欠だが、レースチームとしては技術を理解したリーダーがいることが確実に助けになる」と述べ、メキースの立場に自身を重ね合わせた。

既知の関係性が支える移行期
メキースの就任がスムーズに受け入れられた背景には、レーシングブルズ時代からフォードと関係を築いていた点もある。ファエンツァを拠点とする姉妹チームも、2026年から同じレッドブル・フォード・パワートレインズを使用するため、準備段階での接点は多かった。
ラッシュブルックは、「2026年に向けた準備の中で、彼の仕事ぶりはよく分かっていた。だからこそ、レッドブルでの役割が決まったときも、リーダーとして、そしてエンジニアとして信頼できる人物だと確信していた」と語る。メキースはチームの能力を信じ、引き出すための支援に徹しており、その姿勢が新体制の安定につながっているとフォードは見ている。
ホーナーが築いた土台への敬意と、メキースがもたらす技術的視点。その両輪が、レッドブルとフォードの新時代を形作ろうとしている。
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