ヘルムート・マルコ、セバスチャン・ベッテルのレッドブルF1後任説を否定

82歳のオーストリア人であるマルコは、言葉の自由を取り戻したことをすでに楽しんでいる様子で、これまでで最も辛辣な攻撃として、元チーム代表クリスチャン・ホーナーを激しく批判したことでも知られている。
ベッテルが、ドイツ人ドライバーが4度の世界王者に輝いたこのチームで何らかの役職に就く可能性について問われると、マルコは断定的な姿勢を示した。
「私は強く疑っている」とマルコは語った。
「彼には十分な支持がない。特に、彼の立場、いわば反モビリティ的な姿勢を考えると、組織の中で主導権を握るのは難しいだろう」
ベッテルがレッドブルで新たな役割を担いながら、レース現場で環境問題への啓発活動を続ける可能性があるのではないかと示唆されると、マルコは率直にこう返した。
「しかし、それではドライバーのパフォーマンス向上にはつながらない」
現在は思ったことをそのまま口にできる立場となったマルコは、かつてシーズン中には後継者候補として思い描いていたものの、ベッテルには自分の職を務めるだけの器はないとも認めている。
復帰の意思は否定、エンジン計画には関心
マルコは、自身が再びアドバイザーとして戻る可能性についても完全に否定した。その理由として、フランツ・トストのコメントスタイルを巡る最近の批判があり、そうした状況では職を受けられないと説明している。
「何のために?」と彼は問いかけた。
その一方で、フォードの支援を受けるレッドブルの新エンジンプロジェクトについては、大きな関心をもって見守るつもりだと付け加えた。
「すべてにはリスクが伴うが、自前のエンジンが機能しなければならない。そこに関わる人たちが何とかするだろう」
レッドブル・オーストリアへの不満
マルコは、自身の退任を発表したレッドブル・オーストリアのプレスリリースについても、容赦なく批判した。問題となったのは、その決断のタイミングだった。
「詳細には触れたくないが、あの出来の悪いプレスリリースは読んですらいない」と彼は語る。
「ただ、短期間のうちにチーム内で多くのことが変わった。人のことはよく分かっているつもりでも、結局はまったく違っていたと気づくものだ」
さらに彼は、マックス・フェルスタッペンがタイトルを失ったから退任を決めたという見方を否定した。
「そう言われているように、マックスがタイトルを失ったのを待って辞めたわけではない」とマルコは強調する。
退任決断の真相
マルコは、自身の決断が「形を取り始めた」のは、前週のカタールGPの週末だったと説明した。
「自分自身では長い間考えていなかった。だが、カタールで辞めるという考えが芽生え始めた。それで驚きだったのだ」
「私は迷うタイプではない。どちらかと言えば決断が早い。アブダビでの最終戦を前にした木曜日、あの週末が最後になると決めた。つまり、レースとその結末を迎える前に決断していた」
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