レッドブルF1 アービッド・リンドブラッドをメキシコシティGPのFP1に起用
レッドブル・レーシングは、マックス・フェルスタッペンが今週末のF1メキシコGPフリー走行1回目(FP1)を欠場し、若手のアービッド・リンドブラッドが代わりに走行すると発表した。

18歳のリンドブラッドは「将来のレッドブルを担う存在」として注目されており、今回はフェルスタッペンのマシンをドライブして自身2度目のF1公式セッションに臨む。前回はF1イギリスGPのFP1で出走し、14番手のタイムを記録している。

ルーキー走行義務でリンドブラッドが再登場

FIAの規定により、各チームはシーズン中に2回ずつ、合計4回の「ルーキー走行」を実施する必要がある。レッドブルはこれまでにリンドブラッドと岩佐歩夢を起用して2回の走行を終えており、今回のメキシコGPで3回目となる。

リンドブラッドにとっては再び実力を示す絶好の機会であり、来季のF1シート獲得に向けてアピールする場にもなる。レッドブル系4名の中で来季の去就が確定しているのはフェルスタッペンのみで、角田裕毅のポジションについては依然として不透明な状況が続いている。

今回、FP1という限られた条件ではあるものの、同じマシンでアービッド・リンドブラッドと角田裕毅が走行することで、レッドブル上層部は二人の実力を測ることなる。

アービッド・リンドブラッド レッドブル・レーシング

フェルスタッペンの走行不足は影響軽微

フェルスタッペンはキャリア9度目のメキシコGPを迎えるベテランであり、FP1を欠場しても週末全体への影響は小さいとみられる。2015年にトロロッソから初参戦して以来、2021〜2023年にはこの地で3連勝を飾っている。

前戦アメリカGPでは、スプリントと決勝の両方で勝利を挙げており、4戦中3勝という圧倒的な勢いを維持。ドライバーズランキングでは首位オスカー・ピアストリとの差を40ポイントにまで縮め、5度目の世界タイトル奪還へ向けて再び勢いを取り戻している。

フェルスタッペン「パーフェクトな週末だった」

フェルスタッペンはアメリカGPでの勝利後、次のように語っている。

「今日、最も重要だったのは最初のスティントで少しギャップを作れたことだと思う。その後はピットストップ後もほぼ安定していた。タイヤマネジメントが非常に重要で、決して簡単ではなかった。ラップごとにバランスやグリップの感触が違って、良い時も悪い時もあった」

「ミスをしないように集中しながら、できるだけ一貫した走りを続けることが大切だった。バンプの多いサーキットで、それを避けながら走らなければならなかったけど、また勝つことができて本当に信じられない気分だ」

リンドブラッド起用の背景とレッドブルの育成戦略

今回のリンドブラッド起用は、単なるルーキー義務消化にとどまらず、レッドブルの将来を見据えた人材育成プランの一環といえる。リンドブラッドはF2でのパフォーマンスでも注目を集めており、2026年の新規定時代に向けた次世代ドライバー候補として高く評価されている。

一方で、角田裕毅の去就が確定していない現状では、リンドブラッドやアイザック・ハジャーといった若手がどのような評価を受けるかが重要な指標となる。レッドブルは今後もFP1セッションを通じて若手育成プログラムの成果を試しつつ、2026年の体制構築を見据えた布陣を整えていくとみられる。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / F1メキシコGP / アービッド・リンドブラッド