エイドリアン・ニューウェイ F1史上最高のデザイナーに訪れる「閃きの瞬間」
レッドブル・レーシングのエイドリアン・ニューウェイは、何年にもわたって信じられないほどの25回のF1タイトル獲得への道を設計してきたにもかかわらず、今でも「エウレカ(発明の喜び)」の瞬間をどのように楽しんでいるかを語った。

ウィリアムズ、マクラーレン、そしてレッドブルでタイトルを獲得し、ナイジェル・マンセル、アラン・プロスト、デイモン・ヒル、ミカ・ハッキネン、セバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペンらをタイトル獲得に導いたニューウェイは、F1界きってのデザイナーだ。

1992年以来、ニューウェイが設計したマシンはコンストラクターズタイトルを12回、ドライバーズタイトルを13回獲得しており、なかでも最新のRB19は2023年の22レースで21勝を挙げ、860ポイントを獲得している。

レッドブル・レーシングのチーフ・テクニカル・オフィサーとして、日々の設計作業の多くはピエール・ワシェやベン・ウォーターハウスを含むニューウェイ以下のチームによって行われているが、ニューウェイは今でも有名な製図板で時間を過ごしている。 彼はそこで「エウレカ」な稀有な瞬間を描写している。

ニューウェイの“エウレカ”モーメント
「滅多に起こることではないが、実際に起こる。それらはとても満足のいくものだ」とニューウェイは“エウレカ”の瞬間についてTopGearに語った。

「最高のアイデアだと思うかもしれないが、それを証明するためには非常に規律正しくなければならない。それは長いプロセスだが、もしそれがクルマに搭載され、クルマがより速く走るようになれば、それはとても満足のいくことだ」

「信頼性を除けば、実際のマスターはただ1つ、ストップウォッチだけだ」

「製図版は、アイデアを頭の中から取り出し、それを発展させるための媒体なんだが、それでもそのひらめきが必要だ」

「潜在意識というのは素晴らしいものだ。何かに行き詰まったとき、諦めてコーヒーでも飲みに行ったことが何度もある。ある日、1週間後、1ヵ月後、解決策がひょっこり顔を出すんだ」

「それは経験から来るものだ。それはまた、私の仕事の経営的な側面や開発的な側面にも通じる」

「同僚と一緒に仕事をするのは本当に楽しいし、たとえそのアイデアが良くないと感じても、私が間違っている可能性もある。誰かの創造性を妨げたいとは思わないし、励ますことも大切でだ。しかし、しかし、特にコストキャップの時代においては効率的である必要もある」

レッドブルのCTOはまた、今後数年間でF1におけるAIの利用が増えることについても簡単に触れ、ある程度はすでに存在していると考えている。

「いつかはそうなるだろうが、その時期を見極めるのはもっと難しい」とニューウェイは語った。

「AIは大まかなバズワードだが、実際は“機械学習”の延長線上にあるもので、インターネットを少し取り入れたものだ」

「我々は何年も応力解析オプティマイザー(FEA または有限要素解析)を使用してきたが、最終的には依然として人間のほうがオプティマイザーよりも優れているようだ。これはツールだが、人間に取って代わるものではない」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング