レッドブルF1代表 エイドリアン・ニューウェイの影響力の変化を概説
レッドブル・レーシングのF1チーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、エイドリアン・ニューウェイのレッドブルにおける影響力がここ数年でどのように変化したかを概説した。

現在レッドブルのチーフテクニカルオフィサーを務めるニューウェイは、2000年代半ばのチーム創設期からミルトン・キーンズを拠点とするレッドブルに在籍しており、レッドブルがこのスポーツで最も圧倒的な力を持つチームへと変貌を遂げるうえで、お守りのような存在だった。

2年連続でタイトルを総なめにし、20年未満の参戦期間で6回のコンストラクターズチャンピオンシップ制覇を達成したレッドブルのF1チーム代表クリスチャン・ホーナーは、チーム内でのニューウェイの役割がどのように進化したかを説明した。


クリスチャン・ホーナー エイドリアン・ニューウェイは「どこにでもいるわけにはいかない」
ニューウェイはF1以外のプロジェクトも監督しており、レッドブルのエンジニアリング能力をフルに発揮するハイパーカーRB17やアメリカズカップ、最近ではレッドブルの創業者である故ディートリッヒ・マテシッツの依頼でレッドブルが支援する潜水艦の製作にも携わっていることが明らかになっている。

ニューウェイの計算では、F1に捧げられる時間は50%程度だが、ハイブリッド時代の初期にレッドブルが水面下で足踏みをしていた頃よりも、今ははるかに多くのことに携わっている。

ルノーが競争力を失い、カルロス・ゴーンCEO(最高経営責任者)のもとで努力しようとしなかったため、レッドブルのマシンは劣悪なエンジンに阻まれた。ピエール・ワシェが2018年からF1チームのテクニカルディレクターに就任したことで、ニューウェイはチーフテクニカルオフィサーとしてより幅広いポジションとなり、必要に応じて自身のさまざまなプロジェクトに参加できるようになった。

「1人の個人に依存することなく、エイドリアンが意見を出し入れしたり、指導したり、アイデアに挑戦したりできるようなマシンを作るというのは、本当に完璧なシナリオだ」とホーナーはThe Telegraphのインタビューで説明した。

「エイドリアンが他のプロジェクトに関わるようになったことで、ここ4、5年で進化してきたと思う。彼はどこにでもいるわけにはいかないからね」

エイドリアン・ニューウェイ レッドブル・レーシング

ホーナーは、2021年に施行された予算上限の導入もニューウェイの起用法に影響を与えたと指摘した。

「2013年当時、彼は週末などにマシンの空力面やエンジニアリングのようなものの大部分を描いていました」とホーナーは語った。

「しかし、コストキャップの世界では、特にレギュレーションが変わったことで、エイドリアンが図面上でできることはいずれにせよ少なくなった。もちろん、彼はまだコンセプトの段階で重要な役割を担っている」

「しかし、彼がより幅広い役割を担うようになったことで、グループの他のメンバーも進化・発展していかなければならなくなった。特に、2021年にエイドリアンが事故に遭ってからは、RB18のデザインに携わるメンバーは本当にステップアップしなければならなかった」

「ピエールはその点において素晴らしい仕事をしてくれた。日々のことはピエールの責任であり、彼の説明責任だ。2人の関係は強い。正直なところ、これまでで最も強力なエンジニアリングチームだと思う

12月26日に65歳になったニューウェイは、まだF1から離れたいという兆候を示しておらず、ホーナーはその原因の一部はF1に特別な集中力を持っていないことによるものだと考えている。

「エイドリアンは現在65歳だ」とホーナーは説明した。

「彼は健康でやる気にあふれている。F1のプレッシャーや責任から解放されることで、彼はF1を本当に楽しんでいると思う。そして、ピエールや仲間たちとともに、そのマシンは順調に走っている」

ニューウェイ自身は、少なくとも今のところは、このスポーツの最先端で走り続けることができていると感じているという。

「50代前半のころは、60歳になったらビーチに寝転がるんだろうと思っていた」とニューウェイは語った。

「でも、現実は退屈してしまう。そうなることはわかっている」

「もし僕自身がそう感じたり、他の人たちから『君の貢献はもう役に立たない』と言われたりしたら、それを受け止めなければならない。チームを失望させることは絶対にしたくない。だが、自分が貢献できていると感じている限りは...今も貢献できていることを願っているよ」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング