レッドブルF1に戻ってきたダニエル・リカルドは“虚ろ”だったとエンジニア
ダニエル・リカルドが、今年初めにレッドブルに復帰した際には「虚ろ」だったと元レッドブルのレースエンジニアであるサイモン・レニーは振り返った。

現在、手の骨折で戦列を離れているリカルドは、今年サードドライバーとしてレッドブルに加わった後、スクーデリア・アルファタウリにレンタルに貸し出された。

これは、波乱に満ちた4年間の離脱からリカルドを再建するために、レッドブルとリカルドの双方が何カ月もかけて取り組んできたことの成果だった。

リカルドは2018年末にレッドブルを離れルノーに加入し、翌シーズンの終わりまでルノーに留まった。2021年にマクラーレンに移籍したが、当時7回のレースウィナーだったリカルドはマシンの微妙な違いに適応するのに苦労し、最終的には1年早く関係を終了するという決断に至った。

その後、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスをサポートするためにレッドブルに戻り、チームのシミュレーターでサイモン・レニーと再会した。

2人はポッドキャスト『Talking Bull』に登場し、リカルドの復帰について振り返った。

「2023年に最初にやったことは、いくつかのシミュレーターセッションだった」とリカルドは説明した。

「調子を取り戻し、マシンを学ぶためだったのは確かだが、ある意味で自分の流れに戻るためだった」

その時点で、レニーは初期の印象について口を挟んだ。

「思ったほど簡単ではなかったと思う」とレニーはあえて語り、リカルドもその点を認めた。

「彼が最初に戻ってきたとき、私はかなり驚いた。ダニエルのことをよく知っているから、彼が戻ってきたとき、あのときは言わなかったけどが、まるで...君は私が知っているほど自信に満ちていないし、ある意味でちょっと虚ろな感じだった」

「自分自身を少し疑っているように感じた。そして、君はそうでした。君はまた同じことができるかどうか少し心配していた。もちろん君は我々と協力して良い成功を収めてきたが、ここ数年はあまり成功していなかったからね」

「それに必ずしもシミュレーターですぐにピンときたわけではなかった」

「それが我々が一緒にやったの初日だった。最初の日の後、君が良い気分で帰ったかどうかはわからないが、君はまだすべてに少し自信がないように見えた」

「そして、離れて、家で少し休んで、次に来たときには、もう少し弾んでいたような気がする」

「もしかしたら、もっと考える時間があったのかもしれない。たとえば、自分自身に半分戻ったような感じだった」

「その後、シミュレーターで良い一日を過ごした。自分のやりたいように自然に運転できるようになったんだと思う。少しカチッとはまった感じだった」

「それから自信が雪だるま式に増えていって、何度も何度も積み重ね、その日の終わりか翌日には『ああ、また戻ってきたな』と感じるようになった」

「でも、本当にひどかった。初めて再会したとき、君は少し沈んでいた。彼が戻ってきてくれてうれしい」

レニーのコメントは、リカルドが2018年末にチームを去ったときとは別人だと示唆したレッドブルの代表クリスチャン・ホーナーのコメントと重なる。

この好感の持てるリカルドは自分の魅力を再発見し、F1が夏休みに入る前にドライブした2レースでは、自分自身を十分にアピールした。

現在はカタールGPが復帰の最有力候補となっている。それまでスクーデリア・アルファタウリのセカンドドライバーは暫定的にリアム・ローソンが務める。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ダニエル・リカルド