レッドブル・ホンダF1:フェルスタッペンがペレスのピットインを指令する歪な力学
F1アメリカGPで、マックス・フェルスタッペンの指令でセルジオ・ペレスをピットインさせることに即断即決で応じた戦略は、レッドブル・ホンダのドライバー間の“わずかに歪な力学”を反映していると元F1ドライバーのジョリアン・パーマーは説明する。

マックス・フェルスタッペンは、F1アメリカGPのオープニングラップでルイス・ハミルトンにリードを奪われたが、早期にピットストップを敢行し、最終的にアンダーカットを成功させてリードを奪い返した。

しかし、ミディアムからハードに交換してコースに復帰した直後、マックス・フェルスタッペンは、レッドブル・ホンダのピットウオールにセルジオ・ペレスをピットに入れて、ルイス・ハミルトンのピットストップを誘発するよう提案。レッドブル・ホンダはそれに従い、ハミルトンのステイアウトを防いだ。

ジョリオン・パーマーは、マックス・フェルスタッペンとチームとのやり取りに困惑したが、その一方で、レースを
しく読み取り、その瞬間の真っ只中に正しい判断をするフェルスタッペンの能力にも驚いたと語る。

「チームメイトの戦略を指令しようとするドライバーは、レースではほとんど聞いたことがないが、レッドブルはその通りにペレスをピットに入れ、ハミルトンは彼をカバーすることを余儀なくされた」とジョリオン・パーマーは Formula1.com のコラムに書いた。

「レッドブルは、純粋にドライバーズタイトルを狙っており、時々ペレスを犠牲にすることは分かっている。シルバーストーンのような早い段階でさえ、ファステストラップを獲得し、ハミルトンが追加のポイントを獲得するのを阻止するためだけにペレスをポイントから外した」

「リードドライバーがチーム無線でもそういったことを提案し始めるのは、少し歪な力学だが、それは今、いかにフェルスタッペンだけにだけに打ち込んでいるかを示している」

「彼は以前にここにいたような、このようなハイプラッシャーなシナリオでもレースを読み取り、適切な判断をする経験豊富なドライバーのように振る舞っている」

「チームメイトを含め、チーム全体を同じ方向に引っ張っている。それは、ペレスがオープニングラップのターン1後にフェルスタッペンに戦いを提供しなかったことからも明らかだった」

レッドブル・ホンダ RB16Bは、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでメルセデス W12に対して優位に立っていたが、それでも、ルイス・ハミルトンに勝つためには完璧な実行が必要だった。

ジョリオン・パーマーは、マックス・フェルスタッペンの勝利、おそらくレッドブル・ホンダに有利な場所であるF1メキシコGPに先んじた重要な瞬間だったと考えている。

「レッドブルの方が速いマシンだったので、今回はハミルトンが勝てなかったレースだったのかもしれないが、ハミルトンがいつものようにメルセデスを運転していたことで、彼を止めるにはレッドブルの完璧に実行されたレースが必要だった。それが彼らが提供したものだ」とジョリオン・パーマーは語った。

「ハミルトンが最初のストップでアンダーカットした後、レッドブルは2回目のストップで先手を打って早めにピットインすることで、メルセデスの手からレースを奪った」

「それでも非常に接近していたが、フェルスタッペンによるレースのマネジメントは卓越していたし、彼には十分なタイヤが残っていたため、ハミルトンは適切な攻撃を開始するために十分に近づくことができなかった」

「特にサーキットでのハミルトンの以前のフォーム、夏休み以降のメルセデスの強いペースを考えれば、オースティンはメルセデスに有利かもしれないと思っていた」

「しかし、ハミルトンが最高の状態でドライブしていたとしても、レッドブルが勝つことができたという事実は、彼らが常に得意としているサーキットに向かう大きな後押しを彼らに与えるだろう」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1