レッドブルF1代表 「モナコGP優勝がチーム全員の脚にバネを入れた」
レッドブル・レーシング・ホンダのF1チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、マックス・フェルスタッペンが優勝し、両方のチャンピオンシップで首位に躍り出たモンテカルロの伝統の一戦を振り返った。
2021のF1世界選手権 第5戦 F1モナコGPでマックス・フェルスタッペンが優勝し、セルジオ・ペレスが予選9位から決勝4位フィニッシュを記録した結果、レッドブル・レーシング・ホンダはコンストラクターズ&ドライバーズランキングで首位に立った。
素晴らしい結果を残せた伝統の一戦について、チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーが振り返った。
今シーズンの人気
ここまでのところ今シーズンは大人気のようだ。マックス(・フェルスタッペン)のモナコ優勝後にタイソン・フューリーからメッセージを受け取ったくらいだ。世界ヘビー級王者のフューリーはマックスのファンなのだが、今シーズンの私たちの激しいタイトル争いは他のスポーツのアスリートたちから多くの注目を集めている。タイソンは非常に情熱的で高い集中力を持つアスリートだが、マックスのドライビングに自分との共通点を見出しているのだろう。
モナコはパフォーマンスとポイントの両方において素晴らしいレースウィークエンドになった。コンストラクターズとドライバーズの首位に立てたことは望外の結果だった。
モナコGPのマックスはマスタークラスのパフォーマンスを見せてくれた。フローティングタイプのエナジーステーションを用意しなかった今年のモナコは静かだったが、グランドスタンドにファンが戻ってきたのは嬉しかった。また、モンテカルロ市街地サーキットに戻れたのも良かった。アイコニックなサーキットだからだ。
このサーキットはオーバーテイクのチャンスが少ないことが批判されがちだが、このレイアウトが予選とレース戦略の重要性を高めている。
ホンダにとってはアイルトン・セナがナイジェル・マンセルを下して勝利した1992シーズン以来のモナコGP優勝になったので、今回の勝利は彼らにとっても重要なモーメントになったが、シーズン終了後の順位が重要なので気を抜かずに戦い続ける。
好調のチェコ
チェコは日曜日に素晴らしい仕事をしてくれた。今シーズンの彼のレースペースは見事だが、今回のモナコGPの結果は、彼が土曜日を問題なく進めて良い形で予選を終えれば表彰台と優勝が見えてくることを明らかにした。
あとはとにかくマシンをドライブする時間を延ばし、自信を深めていくだけだ。シングルラップを上手くドライブできるようになれば、結果はついてくるだろう(編注:次戦アゼルバイジャンGPで優勝!)。
私が率いていたアーデン・インターナショナル時代からチェコはレースで結果を出してくれていた。当時から彼はタイヤの管理能力に優れていて、オーバーテイクを恐れなかった。チェコが良い結果を出せることは分かっている。昨シーズンの雨のイモラでの彼のパフォーマンスを振り返れば明らかだ。
チェコは今シーズンのタイトル争いで重要な役割を演じるだろう。彼には今年のモナコGPのようなドライビングをしてもらうことが重要だ。ルイスからポイントを奪い、バルテリのミスにつけ込む走りをする必要がある。
タイトル争いのメンタル
一部のメディアは、チームからタイトル争いに必要な能力が失われたと報じているが、モナコGPの結果は戦況が瞬時に変わる可能性があることを示している。
過去2戦はメルセデスのレースになると予想していたが、最もエキサイティングなことは、ポルトガルGPを除くすべてのレースで主導権を握っているということだ。
私たちは上位争いを演じている。また、シーズンを通じて幸運・不運が同じ数だけ起きる。それがスポーツというものだ。というわけで、気楽に構えていきたい。
チーム一丸
今シーズンのチームのパンデミック、ブレクジット、レースカレンダー変更への対応は実に見事だ。
チームが備えている力と層の厚さ、そして情熱は昨年よりも光り輝いている。
モナコGPの木曜日は好調とは言えず、マックスはマシンに不満を抱えていた。しかし、スタッフたちの努力とアレックス・アルボンのシミュレーター作業のおかげで土曜日に状況を覆すことができた。
セットアップを上手く変更できたので、マックスとチェコのマシンに対する満足度が高まった。だからこそ、マックスはポールポジションを逃したことに苛立ちを募らせ、チーム全員がフラストレーションを抱えながら土曜を終えた。なぜなら、誰もがモナコGPではオーバーテイクが非常に難しいことを知っているからだ。しかし、フェラーリの不運が私たちの幸運となった。チャンスを活かすことが重要だった。
モナコGP優勝がチーム全員の脚にバネを入れてくれた。
験担ぎ
ポッドキャストで話題になったのだが、バクー市街地コースには “ラッキートイレ” がある。そして実は、どのサーキットにもこのようなトイレがある。ちなみに、2017シーズンはこのトイレが役に立ったが、2018シーズンは役に立たなかった(笑)。
私には少し迷信深いところがあるので、レース前の験担ぎをいくつか持っている。まず、レース前は必ず右側からドライバーにアプローチして、握手をして目を見るようにしている。レース前に行うちょっとした儀式のようなものだ。
一部のドライバーもこのような験担ぎを持っている。チェコもいくつか持っているようだ。験担ぎというよりはゾーンに入る方法と言うべきだろう。マシンに乗り込む前にヘルメットを装着するドライバーがいれば、特定の方向からマシンに乗り込むドライバーやレーシングシューズを履く順番を決めているドライバーもいるが、私が知っている限り、異常な拘りを持っているドライバーはいない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1モナコGP
2021のF1世界選手権 第5戦 F1モナコGPでマックス・フェルスタッペンが優勝し、セルジオ・ペレスが予選9位から決勝4位フィニッシュを記録した結果、レッドブル・レーシング・ホンダはコンストラクターズ&ドライバーズランキングで首位に立った。
素晴らしい結果を残せた伝統の一戦について、チームプリンシパルのクリスチャン・ホーナーが振り返った。
今シーズンの人気
ここまでのところ今シーズンは大人気のようだ。マックス(・フェルスタッペン)のモナコ優勝後にタイソン・フューリーからメッセージを受け取ったくらいだ。世界ヘビー級王者のフューリーはマックスのファンなのだが、今シーズンの私たちの激しいタイトル争いは他のスポーツのアスリートたちから多くの注目を集めている。タイソンは非常に情熱的で高い集中力を持つアスリートだが、マックスのドライビングに自分との共通点を見出しているのだろう。
モナコはパフォーマンスとポイントの両方において素晴らしいレースウィークエンドになった。コンストラクターズとドライバーズの首位に立てたことは望外の結果だった。
モナコGPのマックスはマスタークラスのパフォーマンスを見せてくれた。フローティングタイプのエナジーステーションを用意しなかった今年のモナコは静かだったが、グランドスタンドにファンが戻ってきたのは嬉しかった。また、モンテカルロ市街地サーキットに戻れたのも良かった。アイコニックなサーキットだからだ。
このサーキットはオーバーテイクのチャンスが少ないことが批判されがちだが、このレイアウトが予選とレース戦略の重要性を高めている。
ホンダにとってはアイルトン・セナがナイジェル・マンセルを下して勝利した1992シーズン以来のモナコGP優勝になったので、今回の勝利は彼らにとっても重要なモーメントになったが、シーズン終了後の順位が重要なので気を抜かずに戦い続ける。
好調のチェコ
チェコは日曜日に素晴らしい仕事をしてくれた。今シーズンの彼のレースペースは見事だが、今回のモナコGPの結果は、彼が土曜日を問題なく進めて良い形で予選を終えれば表彰台と優勝が見えてくることを明らかにした。
あとはとにかくマシンをドライブする時間を延ばし、自信を深めていくだけだ。シングルラップを上手くドライブできるようになれば、結果はついてくるだろう(編注:次戦アゼルバイジャンGPで優勝!)。
私が率いていたアーデン・インターナショナル時代からチェコはレースで結果を出してくれていた。当時から彼はタイヤの管理能力に優れていて、オーバーテイクを恐れなかった。チェコが良い結果を出せることは分かっている。昨シーズンの雨のイモラでの彼のパフォーマンスを振り返れば明らかだ。
チェコは今シーズンのタイトル争いで重要な役割を演じるだろう。彼には今年のモナコGPのようなドライビングをしてもらうことが重要だ。ルイスからポイントを奪い、バルテリのミスにつけ込む走りをする必要がある。
タイトル争いのメンタル
一部のメディアは、チームからタイトル争いに必要な能力が失われたと報じているが、モナコGPの結果は戦況が瞬時に変わる可能性があることを示している。
過去2戦はメルセデスのレースになると予想していたが、最もエキサイティングなことは、ポルトガルGPを除くすべてのレースで主導権を握っているということだ。
私たちは上位争いを演じている。また、シーズンを通じて幸運・不運が同じ数だけ起きる。それがスポーツというものだ。というわけで、気楽に構えていきたい。
チーム一丸
今シーズンのチームのパンデミック、ブレクジット、レースカレンダー変更への対応は実に見事だ。
チームが備えている力と層の厚さ、そして情熱は昨年よりも光り輝いている。
モナコGPの木曜日は好調とは言えず、マックスはマシンに不満を抱えていた。しかし、スタッフたちの努力とアレックス・アルボンのシミュレーター作業のおかげで土曜日に状況を覆すことができた。
セットアップを上手く変更できたので、マックスとチェコのマシンに対する満足度が高まった。だからこそ、マックスはポールポジションを逃したことに苛立ちを募らせ、チーム全員がフラストレーションを抱えながら土曜を終えた。なぜなら、誰もがモナコGPではオーバーテイクが非常に難しいことを知っているからだ。しかし、フェラーリの不運が私たちの幸運となった。チャンスを活かすことが重要だった。
モナコGP優勝がチーム全員の脚にバネを入れてくれた。
験担ぎ
ポッドキャストで話題になったのだが、バクー市街地コースには “ラッキートイレ” がある。そして実は、どのサーキットにもこのようなトイレがある。ちなみに、2017シーズンはこのトイレが役に立ったが、2018シーズンは役に立たなかった(笑)。
私には少し迷信深いところがあるので、レース前の験担ぎをいくつか持っている。まず、レース前は必ず右側からドライバーにアプローチして、握手をして目を見るようにしている。レース前に行うちょっとした儀式のようなものだ。
一部のドライバーもこのような験担ぎを持っている。チェコもいくつか持っているようだ。験担ぎというよりはゾーンに入る方法と言うべきだろう。マシンに乗り込む前にヘルメットを装着するドライバーがいれば、特定の方向からマシンに乗り込むドライバーやレーシングシューズを履く順番を決めているドライバーもいるが、私が知っている限り、異常な拘りを持っているドライバーはいない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1モナコGP