レッドブル・ホンダF1 決勝分析:ルノーから3位を“守った”レース / F1ベルギーGP
レッドブル・ホンダF1にとって、2020年のF1ベルギーGPはメルセデスに挑戦するよりも、むしろルノーから3位を守ったレースとなった。

マックス・フェルスタッペンが決勝でメルセデスに割って入るためのチャンスは2つしかなかった。1つはスタート、そして、2つはピットストップ(タイヤ戦略)だ。しかし、そのどちらもルノーのダニエル・リカルドによって阻まれることになる。

3番グリッドからミディアムタイヤでスタートしたマックス・フェルスタッペンは、オープニングラップで4番グリッドでソフトタイヤでのスタートとなったダニエル・リカルドからプレッシャーをかけられる。なんとか3位を堅守したフェルスタッペンだったが、その間にメルセデスは1-2体制を築く。

レースペースでもメルセデスに匹敵することはできず、そのギャップは徐々に広がっていく。状況を打開するためにはメルセデスの出方を見て、バルテリ・ボッタスにアンダーカット、もしくはオーバーカットを仕掛けて揺さぶること。しかし、11周目のアントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ)とジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)のクラッシュによるセーフティカーで1回目のピットストップは強制されることになる。

ここで1つチャンスはあった。メルセデスはダブルストップとなったため、バルテリ・ボッタスの前に出られた可能性があったが、レッドブル・ホンダ自慢のピットストップにいつもの輝きはなく、トップ3の順位は変わらないままレースは再開する。

トップ3のタイヤは同じハードタイヤ。そのため、展開は序盤と変わらず、タイヤがフレッシュなうちはマックス・フェルスタッペンもバルテリ・ボッタスについていくことができたが、徐々にトップ3勢のギャップは一定間隔を維持することになる。

両チームは高速セッションのセクター1と3ではなく、ダウンフォースが重要となるセクター2に焦点を合わせてマシンをセッティングしていた。そして、レース後半になるとメルセデスの2台はタイヤデグラデーションに苦しむことになる。しかし、それはマックス・フェルスタッペンも同じ。

ここで2ストップ戦略に切り替える手もあったが、4番手に順位を上げてきたダニエル・リカルドとのギャップを広げることができない。ルノーはレッドブル・ホンダとは真逆のセットアップで高速セクションを重視してきた。そのセットアップは当たり、トップ3よりもバランスがとれたことでタイヤを痛めることはなかった。

それはファイナルラップでリカルドが33周走ったハードタイヤでファステストラップを記録し、エステバン・オコンがアレクサンダー・アルボンを抜いたことからも見て取れる。

「雨の脅威があったので、今日はマシンに多めにダウンフォースをつけていた。ルノーの方が低いダウンフォースを走らせていた。彼らがミドルセクターでハードにタイヤを機能させていなかった。それがよりスティントを長くすることを可能にしたと思う」とクリスチャン・ホーナーは語る。

「マックスは(リカルドを)17秒引き離すことができていた。それが18秒になれば、彼の後ろにはならず、もう1回ピットストップをできていたし、メルセデスをジレンマに陥らせていたかもしれない」

そして、今回もやはりアレクサンダー・アルボンを戦略として使用できないことも大きな痛手となった。アルボンがリカルドをカバーすることができていれば、展開は違っていたかもしれない。

「全体的に今週末ここで我々はメルセデスに近づいていたと思う。彼らに適したサーキットであり、我々はここで少し進化を果たした」とクリスチャン・ホーナーは語る。

「毎週、同じ2台と戦い、同じ1台が勝利するという状況はもちろんフラストレーションを感じるが、我々はどこかのポイントでそれを変えるために懸命に取り組んでいる」

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1ベルギーGP