レッドブル、カルロス・サインツの放出は最大のミス?
ピエール・ガスリーがパフォーマンスを発揮できないことが判明した今、レッドブルが長年をかけて育成してきたカルロス・サインツをマクラーレンに完全移籍させたのは最大のミスだったかもしれない。
過去4シーズンにわたって低迷していたマクラーレンだが、今年はコンストラクターズ選手権で4位のポジションを確立しつつあり、F1ドイツGPでダニール・クビアトが3位表彰台を獲得して5位に浮上したトロロッソ・ホンダにほぼ2倍のポイントを獲得している。
その好転の大きな役割を果たしているのはカルロス・サインツだ。マクラーレンは、育成ドライバーのランド・ノリスのチームメイトとしてカルロス・サインツと2年契約を結んでフェルナンド・アロンソの後任として獲得。開幕3戦はノーポイントに終わったサインツだが、過去2戦連続での5位入賞を含めて前半戦で58ポイントを獲得。ドライバーズ選手権6位のレッドブル・ホンダのピエール・ガスリーに5ポイント差まで迫っている。
一方、レッドブルは今年からホンダにF1エンジンを変更。マックス・フェルスタッペンがオーストリアGPで今季初優勝、ドイツGPでは2勝目を挙げ、ハンガリーGPではポールポジションを獲得するなど快進撃を続けている一方で、ピエール・ガスリーはイギリスGPで4位入賞を好パフォーマンスを見せたものの、それ以外のグランプリではパッとしない。
昨年のこの時期、ダニエル・リカルドがレッドブルを離れてルノーに電撃移籍したことでドライバー状況は大きな混乱を生んだ。
ダニエル・リカルドの残留を確信していたレッドブルは、その時点でピエール・ガスリーとカルロス・サインツという2つの選択肢があった。
カルロス・サインツは、トロロッソで3シーズンを過ごしてもレッドブルに昇格できないことに不満を抱いて移籍を志願。2017年末のホンダのF1エンジンを巡るマクラーレン、トロロッソ、ルノーの取引の一環としてルノーへのローン移籍を果たしていた。
ダニエル・リカルドの離脱が明らかになった時点でカルロス・サインツはレッドブルの契約下にあった。そして、ニコ・ヒュルケンベルグと複数年契約を結んでいたルノーは、事実上、カルロス・サインツの後任としてダニエル・リカルドを起用。その時点でカルロス・サインツは所属チームがない状態となった。
一方、2018年、トロロッソ・ホンダでフル参戦を果たしたピエール・ガスリーは、バーレーンで4位、モナコで7位、ハンガリーで6位と好成績を収めていた。日本のスーパーフォーミュラでホンダと仕事の経験もあり、昨年の夏休みの時点でピエール・ガスリーはカルロス・サインツより4ポイント少ないだけの26ポイントを獲得していた。
一方、フェルナンド・アロンソがF1引退の意向を示したマクラーレンもドライバー獲得の必要に迫られていた。ザク・ブラウンはダニエル・リカルド獲得していたが、当時低迷していたマクラーレンにリカルドは関心を示さず、ザク・ブラウンは他のオプションに取り組んでいた。そして、そのリストのトップがカルロス・サインツだった。
十分な経験を積みつつあるカルロス・サインツと、さらに成長して長期的な見通しのある若手ピエール・ガスリーという選択肢を考えたが場合、経験の浅い2人のドライバーを選ぶというレッドブルの考え方は理解できる。
だが、ピエール・ガスリーは、プレシーズンテストで2度マシンをクラッシュして、パーツ不足に追い込むなど、チームとの仕事はじめからプレッシャーに晒されることになる。一方、初めて2年契約を結んで将来が確保されているカルロス・サインツは余裕をもってシーズンに挑んだ。
F1アゼルバイジャンGP以降の得点では、ピエール・ガスリーが50ポイントなのに対し、カルロス・サインツは52ポイントと上回っている。
現時点でそれはコンストラクターズ選手権でフェラーリとの差を縮めようとしているレッドブル・ホンダにとって大きな痛手となっている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、ピエール・ガスリーに不満を募らせており、F1ハンガリーGP後にその不満は痛烈な言葉に変わっている。
だが、レッドブルはピエール・ガスリーに代えるドライバーが不足している。今年トロロッソ・ホンダで活躍するダニール・クビアトは2017年末にレッドブルのプログラムから外されたドライバー、アレクサンダー・アルボンも過去にプログラムを外され、日産と結んでいたフォーミュラEの契約を解消させて出戻らせた。
カルロス・サインツは、トロロッソ時代にマックス・フェルスタッペンに結果では劣っていはいたものの、しっかりと対抗できるパフォーマンスを発揮していた。そして、結果的にピエール・ガスリーはトロロッソの1年間だけではトップチームのコックピットの準備はできていなかった。
レッドブルは、セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーの2人を戦わせてきた歴史があり、マックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツのチーム内バトルは好成績を生み出せいていたかもしれない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / カルロス・サインツJr.
過去4シーズンにわたって低迷していたマクラーレンだが、今年はコンストラクターズ選手権で4位のポジションを確立しつつあり、F1ドイツGPでダニール・クビアトが3位表彰台を獲得して5位に浮上したトロロッソ・ホンダにほぼ2倍のポイントを獲得している。
その好転の大きな役割を果たしているのはカルロス・サインツだ。マクラーレンは、育成ドライバーのランド・ノリスのチームメイトとしてカルロス・サインツと2年契約を結んでフェルナンド・アロンソの後任として獲得。開幕3戦はノーポイントに終わったサインツだが、過去2戦連続での5位入賞を含めて前半戦で58ポイントを獲得。ドライバーズ選手権6位のレッドブル・ホンダのピエール・ガスリーに5ポイント差まで迫っている。
一方、レッドブルは今年からホンダにF1エンジンを変更。マックス・フェルスタッペンがオーストリアGPで今季初優勝、ドイツGPでは2勝目を挙げ、ハンガリーGPではポールポジションを獲得するなど快進撃を続けている一方で、ピエール・ガスリーはイギリスGPで4位入賞を好パフォーマンスを見せたものの、それ以外のグランプリではパッとしない。
昨年のこの時期、ダニエル・リカルドがレッドブルを離れてルノーに電撃移籍したことでドライバー状況は大きな混乱を生んだ。
ダニエル・リカルドの残留を確信していたレッドブルは、その時点でピエール・ガスリーとカルロス・サインツという2つの選択肢があった。
カルロス・サインツは、トロロッソで3シーズンを過ごしてもレッドブルに昇格できないことに不満を抱いて移籍を志願。2017年末のホンダのF1エンジンを巡るマクラーレン、トロロッソ、ルノーの取引の一環としてルノーへのローン移籍を果たしていた。
ダニエル・リカルドの離脱が明らかになった時点でカルロス・サインツはレッドブルの契約下にあった。そして、ニコ・ヒュルケンベルグと複数年契約を結んでいたルノーは、事実上、カルロス・サインツの後任としてダニエル・リカルドを起用。その時点でカルロス・サインツは所属チームがない状態となった。
一方、2018年、トロロッソ・ホンダでフル参戦を果たしたピエール・ガスリーは、バーレーンで4位、モナコで7位、ハンガリーで6位と好成績を収めていた。日本のスーパーフォーミュラでホンダと仕事の経験もあり、昨年の夏休みの時点でピエール・ガスリーはカルロス・サインツより4ポイント少ないだけの26ポイントを獲得していた。
一方、フェルナンド・アロンソがF1引退の意向を示したマクラーレンもドライバー獲得の必要に迫られていた。ザク・ブラウンはダニエル・リカルド獲得していたが、当時低迷していたマクラーレンにリカルドは関心を示さず、ザク・ブラウンは他のオプションに取り組んでいた。そして、そのリストのトップがカルロス・サインツだった。
十分な経験を積みつつあるカルロス・サインツと、さらに成長して長期的な見通しのある若手ピエール・ガスリーという選択肢を考えたが場合、経験の浅い2人のドライバーを選ぶというレッドブルの考え方は理解できる。
だが、ピエール・ガスリーは、プレシーズンテストで2度マシンをクラッシュして、パーツ不足に追い込むなど、チームとの仕事はじめからプレッシャーに晒されることになる。一方、初めて2年契約を結んで将来が確保されているカルロス・サインツは余裕をもってシーズンに挑んだ。
F1アゼルバイジャンGP以降の得点では、ピエール・ガスリーが50ポイントなのに対し、カルロス・サインツは52ポイントと上回っている。
現時点でそれはコンストラクターズ選手権でフェラーリとの差を縮めようとしているレッドブル・ホンダにとって大きな痛手となっている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、ピエール・ガスリーに不満を募らせており、F1ハンガリーGP後にその不満は痛烈な言葉に変わっている。
だが、レッドブルはピエール・ガスリーに代えるドライバーが不足している。今年トロロッソ・ホンダで活躍するダニール・クビアトは2017年末にレッドブルのプログラムから外されたドライバー、アレクサンダー・アルボンも過去にプログラムを外され、日産と結んでいたフォーミュラEの契約を解消させて出戻らせた。
カルロス・サインツは、トロロッソ時代にマックス・フェルスタッペンに結果では劣っていはいたものの、しっかりと対抗できるパフォーマンスを発揮していた。そして、結果的にピエール・ガスリーはトロロッソの1年間だけではトップチームのコックピットの準備はできていなかった。
レッドブルは、セバスチャン・ベッテルとマーク・ウェバーの2人を戦わせてきた歴史があり、マックス・フェルスタッペンとカルロス・サインツのチーム内バトルは好成績を生み出せいていたかもしれない。
カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / カルロス・サインツJr.