ピエール・ガスリー、アルファタウリ・ホンダと2020年F1シーズンを語る
ピエール・ガスリーが、アルファタウリ・ホンダ、そして、2020年のF1世界選手権について語った。

頂点までの道は長くて険しい。F1 2019シーズンを通じて激しいアップダウンを味わったあと、ビッグリザルトで同シーズンを締め括った24歳のフランス人F1ドライバー、ピエール・ガスリーはこのことを誰よりも良く知っている。

しかし、2020シーズンのガスリーはスクーデリア・トロ・ロッソから改称したスクーデリア・アルファタウリと共にF1キャリア初の2位表彰台を獲得した2019シーズン第20戦ブラジルGPより上のリザルトを手にすることはできるのだろうか? 本人にインタビューを試みた。

2019シーズンを振り返る
ガスリーは、マックス・フェルスタッペンのパートナーとしてアストンマーティン・レッドブル・レーシングから2019シーズンをスタートさせたが、残念ながら予定通りには進まなかった。ガスリーがキャリアを通じて見せ続けてきた圧倒的なスピードと精確なドライビングは鳴りを潜め続けた。

低調なパフォーマンスが続いた結果、8月にルーキードライバーのアレックス・アルボンがスクーデリア・トロ・ロッソから昇格し、ガスリーは自分を証明し直すためにトロ・ロッソへ戻った。

しかし、トロ・ロッソ復帰後のガスリーは見事に復調してポイント圏内フィニッシュを4回記録(復帰から7レースで達成)。第20戦ブラジルGPではF1キャリア初の2位表彰台を記録した。

トロ・ロッソにとって2008シーズン第14戦イタリア優勝(ベッテル)以来・チーム史上3回目の表彰台フィニッシュとなったこのビッグリザルトを勝ち取ったガスリーのコックピットからのシャウトは、若きフランス人の両肩から大きな荷が下りたことを示していた。本人はこの激動のシーズンをどのように振り返るのだろうか?

「2019シーズンは興味深い1年だったね。仕事でもプライベートでも色々なことが起きた。それらを通じて成長したし、多くを学べたと感じている」

「その中でトロ・ロッソの14シーズンの歴史の中で2番目のベストリザルトになったブラジルGPでの2位表彰台は、シーズンの締めくくりとしては最高の形だったと思う」

「チームの仕事の進め方にはとても満足できたし、結果にも満足できた。今は新シーズンに向けてこれまで以上の興奮を覚えているよ。2019シーズンの勢いを維持して2020シーズンを迎えたい」

2019シーズンの見事な終わり方は2020シーズンの勢いを保つ助けになるのではないかという質問を受けて、本人は次のように断言している。

「もちろんさ。チームはシーズン後半からほぼ変わっていないし、全員が高いモチベーションでフォーカスしている。チーム内の風通しも良い。ファクトリーに入ればその雰囲気が理解できるはずさ。全員が2020シーズンのニューマシンに興奮を覚えているし、2019シーズンよりも上を目指している」

2020シーズンの変化
2019シーズンの成功を精査すれば、マシンの開発と熟成がガスリーとダニール・クビアトの結果に結びついていたことが明確に理解できる。同シーズン後半、2人は多くのポイントをチームに持ち帰っていた。ガスリーは次のように説明する。

「2018シーズンから2019シーズンにかけてチームのマシン開発プロセスが大いに進化したと思う。仕事の進め方やレースウィークエンドへのアプローチも進化したし、みんなで一緒に仕事をするのが楽しかった」

「僕たちは2020シーズンに向けて正しい道を進めていると思うけれど、もちろん、プレシーズンのテスト結果を考慮する必要がある。でも、2019シーズンの成功はチームの仕事の進め方に因るところが大きかったし、2020シーズンも風通しが良くてダイナミックな仕事の進め方を維持できるはずだ」

しかし、マシンの開発と熟成は仕事の一部でしかない。ガスリーはドライバーとしてまだまだ成長できると信じている。第一、2020シーズンは彼にとってまだ3シーズン目のF1だ。本人は新しいチャレンジに向けてどのような準備を進めているのだろうか?

「2019シーズンよりも良い準備ができていると思う。経験値も増えたしね。2019シーズン後半を通じて、お互いに何を求めているのか、チームとして最大限の力を発揮するためには何をしたら良いのかをチーム全員で理解することができた」

「僕たちはプッシュし続ける必要がある。パフォーマンスを安定させてシーズンを通じてポイントを重ねていくことが非常に重要だ。2019シーズンと同じようにすべてのチャンスをものにする必要がある」

ガスリーはF1への愛とタイトなレースカレンダー(2020シーズンはF1史上最長・全22戦が予定されている)についても触れたが、過密日程はそこまで気にしていないようだ。

「とんでもなく忙しいシーズンになるのは間違いないけど、僕は良い結果を出すチャンスが増えたと捉えている。今すぐ開幕して欲しいね。我慢できないよ!」

ホンダとチームのパワー
レッドブルファミリーのドライバー4人の中でホンダとの関係が一番長いのがガスリーだ。ガスリーはホンダと組むチーム・ムゲンのドライバーとして日本のスーパーフォーミュラを戦った経験を持っているが、この経験は本人に大きな影響を与えている。

2015シーズン復帰後初優勝を飾った2019シーズンのホンダに好印象を持っているガスリーは次のようにコメントしている。

「ホンダの2019シーズンは彼らの長年のハードワークが報われた1年だったね。僕の話をすれば、中団チームながら表彰台を獲得できたわけだけど、この結果はホンダが僕たちにチャンスを与えてくれていることを示している」

「ホンダはさらなるパワーを供給するためにハードワークを続けてくれているし、僕たちの未来は明るいよ。ホンダには一緒に仕事をしたいと思える人しかいないし、僕たち全員が最大限の努力をしながら同じゴールを目指している」

チームについて話を進めると、ガスリーはスクーデリア・アルファタウリのメンバーになれたことに興奮しているとし、元々ファッション好きなので、ファクトリーがミラノにあるという地理的特徴がスクーデリア・トロ・ロッソ(当時)行きを決めた大きな理由のひとつだったと付け加えている。

ファッションブランドとの融合でチームがさらに自分好みの環境になったガスリーは、次のようにインタビューを締め括っている。

「新しいチームキットに袖を通すのが楽しみだよ。クオリティやフィット感、着心地などがかなり改良されるはずさ。ファッションブランドAlphaTauriは立ち上げ当初から知っているし、彼らのアプローチも理解しているから、本当に楽しみだ」

「チームの新章がスタートしたわけだけど、最初からそのメンバーとして参加できているのは光栄だね。チームメンバーはほぼ同じだからスクーデリア・アルファタウリに素晴らしいスタートをプレゼントすることが重要だ。この先が楽しみだよ」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ピエール・ガスリー / ホンダF1 / スクーデリア・アルファタウリ