セルジオ・ペレス キャデラックF1加入「証明すべきことは何もない」

火曜日、ペレスと同じく経験豊富な複数勝利経験者のバルテリ・ボッタスが、2026年にF1の11番目のチームとして参戦するキャデラックのドライバーとして発表された。これにより、35歳のメキシコ人ドライバーは1年のブランクを経てグリッドに戻ることになる。
2024年末、契約延長からわずか半年後にペレスはレッドブルの難しい2024年型マシンに苦しみ、チームは契約を買い取って放出。その後はまずリアム・ローソン、次に角田裕毅がマックス・フェルスタッペンの横に座る困難なシートに昇格した。
新たな環境に戻るにあたり、通算6勝を誇るペレスは、後任のドライバーたちがさらに苦しんでいる状況を踏まえ、自分には「証明すべきことはない」と強調した。
「僕には証明することなんてないと感じている。今のドライバーや僕の後に座ったドライバーのことだけでなく、それ以前からもだ」とペレスは語った。「今はみんな忘れているけど、あの場所にいるのは本当に大変なんだ。常に適応し続けなければならず、メンタル面で自信を築くのも難しい。とても特殊な挑戦なんだ」
「彼らが稼いだポイントの数を見れば、僕に証明することなんてないと思う。シーズンを通して5ポイント(実際には7ポイント)なんだ」
「僕にとっては、スポーツを楽しむための復帰なんだ。僕が愛し、僕に多くを与えてくれたスポーツを楽しみたい。あんな形でこのスポーツを去ることはできなかった。だからこそこの新しいプロジェクトで戻ってきた。成功することを願っているけど、それ以上にこの復帰を楽しみたい」
ペレスはまた、F1に戻れる保証がない中で迎えたレッドブル離脱の困難な状況を振り返り、次の挑戦に進む前に精神的にリセットするための長い休養が重要だったと認めた。
「僕にとっては、このスポーツから離れる時間を持つことがとても大切だった。特に、年末になって初めて自分がレッドブルで続けられないことが明らかになったからだ」とペレスは明かした。「だからただグリッドに残るために何かに飛びつくのではなく、スポーツから離れて、自分のキャリアで本当に次に何をしたいのか理解する時間が必要だった」
「最初の数カ月は、自分が次に何をしたいのかはっきりしなかった。でもキャデラックの人たちと話を重ねるほど、これこそが自分をワクワクさせるものだと分かってきた。ただ普通のチームでグリッドに戻って、表彰台やレースやポイントを争うことじゃない。これはひとつのプロジェクトなんだ。ダイナミックさが違うと感じる」
休養で得た学びについて問われると、ペレスはこう答えた。
「自分自身について学んだ。僕はキャリアを通してずっと注目を浴びてきた。F1だけじゃなく、カート時代からずっとだ。だけど一歩下がってスポーツをファンの視点で見てみると、ドライバーが気にしていることなんて、一般の人にとっては全く関係ないことなんだと分かるし、スポーツを知っている人にとっても同じだ。今スポーツに戻る僕の考えは、とにかく楽しんで、クルマに乗るたびに全力を尽くし、チームとともに働くこと。それが本当に重要なことで、あとのことは全部外部の要素にすぎない」
また、キャデラックがF1参入初年度に新規則の下で後方からスタートする可能性が高いことについても受け入れる姿勢を示した。
「時にはクルマが競争力を持って表彰台に立てることもある。でも時には素晴らしいレースをしても15位で終えることだってある」とペレスは指摘した。「15位でフィニッシュしたドライバーでも、チームと共に全力を尽くして進歩しているなら、それを誇りに思うべきだと、外からスポーツを見て分かったんだ」

そのうえで、ペレスは動画メッセージで次のように心境を伝えている。
「また会えると言ったのを覚えているだろう」
「これは僕だけのことじゃない。僕は家族と一緒に走った。友人に支えられながら。君の声援をターンごとに感じながら。そして僕を夢見てくれた何百万もの人々の希望とともに。これまで僕を支えてくれたことに、心から感謝している」
「だから今日伝えたい。僕は一人で戻ってきたんじゃない」
「戻ってくるのは国全体の叫びだ。戻ってくるのは大陸の力だ。戻ってくるのは何百万もの鼓動だ」
「これは次の、次の章なんだ」
「僕たちは帰ってきた」
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