オスカー・ピアストリ F1マイアミGP決勝「今一番欲しかった勝利」

土曜日のスプリントではチームメイトのランド・ノリスに惜敗し、さらにスプリント予選で見せた2番手という速さを日曜の予選では再現できず、決勝は4番手スタートとなった。しかし、そこからピアストリの快進撃が始まった。
スタート直後、ポールポジションのマックス・フェルスタッペンと2番手ノリスのバトルがターン1で激化し、ノリスがコースオフして6番手までポジションダウン。その混乱の中で、ピアストリは冷静にマシンを進め、キミ・アントネッリ(メルセデス)を早々に攻略。レースの主導権を握る位置につけた。
その後は、前を走る唯一のマシンだったフェルスタッペンとの息詰まるような攻防が約4周にわたって展開。最終的に冷静かつ巧みなオーバーテイクでトップに立ち、そのままリードを築いていった。
「昨日は正直、今年一番厳しい予選だった。でも今日はその分、今一番欲しかった勝利を手にできた」とピアストリ。「ターン1でちょっとした混乱があったけど、それをうまく避けられたし、そこからはクルマの速さを信じて戦った。今日のマシンは本当に素晴らしかった」と振り返った。
ピアストリはレース中、複数回のバーチャル・セーフティカー(VSC)を冷静に乗り切りながらノリスの追撃を抑え続け、最終的に4.2秒差でフィニッシュ。だが注目すべきは3位のジョージ・ラッセル(メルセデス)との差で、そのギャップは実に37.6秒に及んだ。マクラーレンの圧倒的なレースペースを証明する結果となった。
「最後の方は少しずつ状況をコントロールできるようになってきたけど、今日の午後の走りにはまだ改善点がある。勝てて嬉しいし、ポイントも大きいけど、常に学び続ける必要がある。マイアミをトップで去れるのは素晴らしい気分だ」と冷静に自己評価も加えた。

さらにピアストリは、マクラーレンの進化の大きさにも言及する。
「2年前のマイアミでは、僕たちは正真正銘グリッドで一番遅かった。レース中に2周遅れにされていたほどだった。でも今日は、3位に35秒以上の差をつけて勝った。この結果は、サーキットにいる全員、そしてファクトリーで働く全スタッフの努力の賜物だ」
ピアストリにとって、そしてマクラーレンにとっても、まさに記念すべき勝利となったマイアミGP。チームの躍進は、2025年シーズンのタイトル争いにおける新たな主役の到来を印象づける結果となった。
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