ニック・デ・フリース 現行F1レギュレーションに理解「フォーミュラEとは別物」
ニック・デ・フリースは、現在のF1に向けられている「オーバーテイクが不自然になっている」という批判に一定の理解を示した。

2026年F1では、電動化比率が高まった新世代パワーユニットとエネルギーマネジメント重視のレギュレーションによって、ドライバーから「フォーミュラE化している」との懸念も噴出している。マクラーレンF1でテスト兼シミュレータードライバーを務めるデ・フリースは、自身のフォーミュラEでの経験を踏まえ、その議論について率直な見解を語った。

現在31歳のデ・フリースは、先週末のフォーミュラEモナコE-Prixで2022年以来となる勝利を達成。マヒンドラとともに長年苦戦を経験してきた中での復活劇となった。

「フォーミュラEは本当に楽しんでいる」とデ・フリースはGPblogの独占インタビューで語った。

「特に技術面では非常にチャレンジングだ。競争レベルも極めて高く、常に限界までプッシュされる」

2026年のデ・フリースは、フォーミュラE、WEC(世界耐久選手権)、さらにマクラーレンF1での開発業務を並行する多忙なシーズンを送っている。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリを擁するマクラーレンでは、新世代F1マシンの開発を支えている。

“バッテリースペシャリスト”としてF1開発に貢献
フォーミュラEで培ったエネルギーマネジメント技術は、現在のF1でも重要性を増している。

「もちろんだ。今はこれまで以上に重要になっている。だから、僕がその分野で積み上げてきた経験は、今のF1でも関連性がある」

一方で、ランド・ノリスをはじめ、一部F1ドライバーが現在のパワーユニットに否定的な姿勢を見せていることについて問われると、デ・フリースは慎重に言葉を選びながらも理解を示した。

「僕に意見を言う資格があるのか分からないけど…」と前置きしたうえで、次のように続けた。

「F1は伝統的に、常に最大限の最適化を追求するカテゴリーだった。常に全開で走り、できるだけ速くサーキットを駆け抜け、できるだけ遅くブレーキングすることが求められてきた」

「だから、今の状況がF1ドライバーたちの期待する“F1らしさ”ではないというのは理解できる。F1は世界最速のマシンであるべきだからだ」

「個人的には、最近見ているオーバーテイクは非常に人工的に感じる」

“F1とフォーミュラEは比較すべきではない”
近年、一部F1関係者が「F1はフォーミュラEになるべきではない」と発言していることについても、デ・フリースは冷静な立場を示した。

「僕はそういう見方はしない」とデ・フリースは語る。

「フォーミュラEとF1を比較すべきではない。技術面では学べる部分もあるけど、競技としては全く別物だ」

「別々のカテゴリーとして見るべきだと思う。フォーミュラEを見るのが好きなら、それは素晴らしいことだ。でも別のモータースポーツなんだ。WECだって全く違うカテゴリーだからね」

WECとル・マンへ向かうデ・フリース
フォーミュラEは6月末の中国大会までインターバル期間に入るため、デ・フリースの次なる焦点はWEC最大のイベントであるル・マン24時間レースとなる。

トヨタのドライバーとして参戦するデ・フリースは、現在の好調ぶりもあり優勝候補のひとりに挙げられている。

「人は常に学び続けるものだと思う。陳腐に聞こえるかもしれないけどね」とデ・フリースは語った。

「特にWECでは毎年学ぶことが多いし、自分自身がより完成されたドライバーになっている感覚がある」

「純粋なスピードそのものは変わらない。でも知識と経験は増えていく。それが必ず結果に結びつくかは分からないけど、毎年良くなっているという実感はある」

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カテゴリー: F1 / ニック・デ・フリース / フォーミュラE