MotoGP | ヤマハ 最終戦 バレンシアGP 予選レポート
リカルド・トルモ・サーキットで行われているMotoGP バレンシアGPのウイーク2日目。Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスがポールポジションを獲得した。Q1からQ2に進出してポールポジションを獲得したのは史上ふたり目の快挙。チームメイトのバレンティーノ・ロッシはウエット、ドライともに好感触を得られないまま16番手に留まった。
ビニャーレスはQ1序盤で2番手につけたあと、全体のペースが上がると3番手へ後退。すぐさま反応して1分32秒418へ更新し、後続に0.593秒もの差をつけて一気にトップに浮上した。1分間のピットストップを終えてコースに復帰したが、残り3分半は激しいトップ争いを展開し、この中で1分32秒の壁を破り1分31秒858を記録し2番手でQ2進出を決めた。
Q2セッション開始までの10分間でセッティング変更を行ったビニャーレスは、やや後方からピットアウト。1ラップ目で4番手につけたがすぐに10番手まで後退してしまう。しかしこのあとQ1のタイムを更新して8番手に上がり、一旦ピットに戻って勝負への準備を整えた。そして2度目の走行では一気にトップに浮上し、その位置をしばらくキープしてからさらにタイムを1分31秒312へ更新。ここでチェッカーが振られたため誰ひとりチャレンジできず、0.068秒のリードを保って2017年のアラゴンGP以来となるポールポジションを獲得した。
一方のロッシは午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで転倒。気力を振り絞って午後からの予選セッションに出場するも、最初の走行ではなかなかペースが上がらなかった。素早いピット作業のあと2回目の走行に臨むと、1分32秒452を記録して4番手まで浮上。しかしこれ以上は更新できず、Q1を6番手で終えることとなった。この結果、決勝は16番グリッドからのスタートとなった。
ザルコが4列目スタート。シャーリンは後方から挽回を目指す
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコがウイーク2日目も健闘。フリープラクティス第3セッションで5番手を獲得し、ヤマハ勢では唯一、直接Q2への進出を果たした。フリープラクティス第4セッションでも2番手を獲得する好調ぶりを見せ、Q2では一時トップに立ったが、第10コーナーで転倒して11番手に後退。明日の決勝はグリッド4列目からスタートすることとなった。
ハフィス・シャーリンは、ウエットで行われたフリープラクティス第3セッションで前日までのタイムを2秒近くも更新する大健闘。さらに第4セッションでは終盤で8番手に浮上した。しかし、ほぼドライとなったQ1では11番手に留まったため総合21番手。グリッド7列目から挽回を狙う。
Movistar Yamaha MotoGP
マーベリック・ビニャーレス (予選トップ/1分31秒312)
「ポールポジションは最高の成果。2列目までにつけることを目標にしていたので、ポールポジションを獲得できたことはとてもすばらしく、同時に驚いています。このような状態で最終戦に臨めるのはとてもうれしいこと。実際、それ以外に言いようがなく、今はとにかくハッピーな気分です。しかしながら、成功はひとつひとつ積み重ねていかなければなりません。今日が好調だったので明日を楽しみにしていますが、明日はまた別の一日なのです。雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない。何が起こるかわからないので、すべての状況に対応できるよう準備しなければなりません。マシンについては、もしも雨ならば、やはりまだ調整が必要だと考えています。そのなかでもポールポジションからのスタートはとても有利になるでしょう。ベストを尽くしますが、プレッシャーはありません。シーズン最終戦にすべてをかけますが、最終ランキングに固執し過ぎることなくエンジョイしたいと思っています。その結果、トップに立つことができるかどうか、とても楽しみです」
バレンティーノ・ロッシ (予選16番手/1分32秒452)
「とても難しく、とてもタフな一日でした。昨日のウエットではフィーリングがよかったので、今日の午前中もそのまま好調を維持してトップ10に入れると考えていました。しかし序盤でプッシュして転倒してしまったのです。でもそれがなかったとしても、このフリープラクティスからQ2に進むだけの速さはなかったように思います。午後はコンディションが変化し、路面が乾いてきたのでセッティングを変更することになったわけですが、このときもフィーリングがつかめず十分にプッシュできませんでした。Q1でようやくタイムを更新しましたが、Q2進出には届かなかったため、後方から決勝をスタートすることになってしまったのです。非常に厳しい状況ですが、これからまた作業を続けて改善を目指します。明日は天候悪化が予想されるので、その点にも注意を払わなければなりません」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「チームにとっては明暗が分かれてしまいました。ビニャーレス選手は直接Q2に進むことはできませんでしたが、強い決意を持ってQ1に臨み、最終的にはなんとポールポジションを獲得したのです。ロッシ選手は、昨日までの好調ぶりとは逆にウエット、ドライともにフィーリングがよくありませんでした。フリープラクティス第3セッションの雨は予想していなかったのですが、それによって明日のためにデータを収集できたという意味では、逆に幸運だったかもしれません。天気は読みにくいものですが、予報によれば、あまりよくはなさそうです。晴れてくれればビニャーレス選手が強さを発揮するはずですが、雨ならば、まだ多くの課題が残っています。現時点でロッシ選手の状況はまったくその逆です。グリッド6列目からのスタートは非常に難しいものですが、彼は以前にもこのような苦境を何度も克服してきたのです」
Monster Yamaha Tech3
ヨハン・ザルコ (予選11番手/1分32秒179)
「フリープラクティス第3セッションのためにチームがよい仕事をしてくれました。おかげで5番手を獲得してQ2に進出することができました。路面の水の量もそれほど多くはなかったので、十分に自信を持って走ることができたのです。そして午後になるとドライに変わり、ますます走りをエンジョイできました。序盤は少し何かが足りない感じがありましたが、セッティングを調整したらフィーリングがよくなり、同時にタイヤも新品に換えて格段に走りやすくなっていました。ところがペースを上げていこうとしたところで転倒してしまったのです。右コーナーだったので、フロントタイヤが十分に暖まっていなかったのかもしれません。フロントローを目指していただけに非常に残念ですが、明日はグリッド11番手から挽回を目指します。ダニーロ・ペトルッチ選手、アレックス・リンス選手と戦うために、最初から最後まで全力を尽くします」
ハフィス・シャーリン (予選21番手/1分32秒749)
「フリープラクティス第4セッションは非常に順調。第3セッションもいいリズムで走ることができました。予選はコンディションが変わって難しくなったのですが、いつものようにハードワークを続けて対応。しかしコーナーがスムースにいかず、出口でのコントロールが難しくなって、コーナースピードを落としてしまうことになりました。明日は、もし晴れればウォームアップでもう一歩、前進を目指します。雨ならば、すでによい感触がつかめてきていると思うので、この方向性を維持していきます。2018シーズン最終戦で納得のいく走りができるよう、午前中のセッションでしっかり準備します」
カテゴリー: F1 / MotoGP
ビニャーレスはQ1序盤で2番手につけたあと、全体のペースが上がると3番手へ後退。すぐさま反応して1分32秒418へ更新し、後続に0.593秒もの差をつけて一気にトップに浮上した。1分間のピットストップを終えてコースに復帰したが、残り3分半は激しいトップ争いを展開し、この中で1分32秒の壁を破り1分31秒858を記録し2番手でQ2進出を決めた。
Q2セッション開始までの10分間でセッティング変更を行ったビニャーレスは、やや後方からピットアウト。1ラップ目で4番手につけたがすぐに10番手まで後退してしまう。しかしこのあとQ1のタイムを更新して8番手に上がり、一旦ピットに戻って勝負への準備を整えた。そして2度目の走行では一気にトップに浮上し、その位置をしばらくキープしてからさらにタイムを1分31秒312へ更新。ここでチェッカーが振られたため誰ひとりチャレンジできず、0.068秒のリードを保って2017年のアラゴンGP以来となるポールポジションを獲得した。
一方のロッシは午前中に行われたフリープラクティス第3セッションで転倒。気力を振り絞って午後からの予選セッションに出場するも、最初の走行ではなかなかペースが上がらなかった。素早いピット作業のあと2回目の走行に臨むと、1分32秒452を記録して4番手まで浮上。しかしこれ以上は更新できず、Q1を6番手で終えることとなった。この結果、決勝は16番グリッドからのスタートとなった。
ザルコが4列目スタート。シャーリンは後方から挽回を目指す
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコがウイーク2日目も健闘。フリープラクティス第3セッションで5番手を獲得し、ヤマハ勢では唯一、直接Q2への進出を果たした。フリープラクティス第4セッションでも2番手を獲得する好調ぶりを見せ、Q2では一時トップに立ったが、第10コーナーで転倒して11番手に後退。明日の決勝はグリッド4列目からスタートすることとなった。
ハフィス・シャーリンは、ウエットで行われたフリープラクティス第3セッションで前日までのタイムを2秒近くも更新する大健闘。さらに第4セッションでは終盤で8番手に浮上した。しかし、ほぼドライとなったQ1では11番手に留まったため総合21番手。グリッド7列目から挽回を狙う。
Movistar Yamaha MotoGP
マーベリック・ビニャーレス (予選トップ/1分31秒312)
「ポールポジションは最高の成果。2列目までにつけることを目標にしていたので、ポールポジションを獲得できたことはとてもすばらしく、同時に驚いています。このような状態で最終戦に臨めるのはとてもうれしいこと。実際、それ以外に言いようがなく、今はとにかくハッピーな気分です。しかしながら、成功はひとつひとつ積み重ねていかなければなりません。今日が好調だったので明日を楽しみにしていますが、明日はまた別の一日なのです。雨が降るかもしれないし、降らないかもしれない。何が起こるかわからないので、すべての状況に対応できるよう準備しなければなりません。マシンについては、もしも雨ならば、やはりまだ調整が必要だと考えています。そのなかでもポールポジションからのスタートはとても有利になるでしょう。ベストを尽くしますが、プレッシャーはありません。シーズン最終戦にすべてをかけますが、最終ランキングに固執し過ぎることなくエンジョイしたいと思っています。その結果、トップに立つことができるかどうか、とても楽しみです」
バレンティーノ・ロッシ (予選16番手/1分32秒452)
「とても難しく、とてもタフな一日でした。昨日のウエットではフィーリングがよかったので、今日の午前中もそのまま好調を維持してトップ10に入れると考えていました。しかし序盤でプッシュして転倒してしまったのです。でもそれがなかったとしても、このフリープラクティスからQ2に進むだけの速さはなかったように思います。午後はコンディションが変化し、路面が乾いてきたのでセッティングを変更することになったわけですが、このときもフィーリングがつかめず十分にプッシュできませんでした。Q1でようやくタイムを更新しましたが、Q2進出には届かなかったため、後方から決勝をスタートすることになってしまったのです。非常に厳しい状況ですが、これからまた作業を続けて改善を目指します。明日は天候悪化が予想されるので、その点にも注意を払わなければなりません」
マッシモ・メレガリ (チーム・ディレクター)
「チームにとっては明暗が分かれてしまいました。ビニャーレス選手は直接Q2に進むことはできませんでしたが、強い決意を持ってQ1に臨み、最終的にはなんとポールポジションを獲得したのです。ロッシ選手は、昨日までの好調ぶりとは逆にウエット、ドライともにフィーリングがよくありませんでした。フリープラクティス第3セッションの雨は予想していなかったのですが、それによって明日のためにデータを収集できたという意味では、逆に幸運だったかもしれません。天気は読みにくいものですが、予報によれば、あまりよくはなさそうです。晴れてくれればビニャーレス選手が強さを発揮するはずですが、雨ならば、まだ多くの課題が残っています。現時点でロッシ選手の状況はまったくその逆です。グリッド6列目からのスタートは非常に難しいものですが、彼は以前にもこのような苦境を何度も克服してきたのです」
Monster Yamaha Tech3
ヨハン・ザルコ (予選11番手/1分32秒179)
「フリープラクティス第3セッションのためにチームがよい仕事をしてくれました。おかげで5番手を獲得してQ2に進出することができました。路面の水の量もそれほど多くはなかったので、十分に自信を持って走ることができたのです。そして午後になるとドライに変わり、ますます走りをエンジョイできました。序盤は少し何かが足りない感じがありましたが、セッティングを調整したらフィーリングがよくなり、同時にタイヤも新品に換えて格段に走りやすくなっていました。ところがペースを上げていこうとしたところで転倒してしまったのです。右コーナーだったので、フロントタイヤが十分に暖まっていなかったのかもしれません。フロントローを目指していただけに非常に残念ですが、明日はグリッド11番手から挽回を目指します。ダニーロ・ペトルッチ選手、アレックス・リンス選手と戦うために、最初から最後まで全力を尽くします」
ハフィス・シャーリン (予選21番手/1分32秒749)
「フリープラクティス第4セッションは非常に順調。第3セッションもいいリズムで走ることができました。予選はコンディションが変わって難しくなったのですが、いつものようにハードワークを続けて対応。しかしコーナーがスムースにいかず、出口でのコントロールが難しくなって、コーナースピードを落としてしまうことになりました。明日は、もし晴れればウォームアップでもう一歩、前進を目指します。雨ならば、すでによい感触がつかめてきていると思うので、この方向性を維持していきます。2018シーズン最終戦で納得のいく走りができるよう、午前中のセッションでしっかり準備します」
カテゴリー: F1 / MotoGP