MotoGP
MotoGP 第8戦 オランダGPのフリー走行で、Movistar Yamaha MotoGPのマーベリック・ビニャーレスとバレンティーノ・ロッシは、モーターサイクル・スポーツの'聖地'とも言われるアッセンTTサーキットでフリープラクティスを開始。

二人はマシン・セッティング、タイヤ、そして新型フレームを入念に試して手ごたえをつかみ、ラップタイムではふたつのセッションの総合成績でそれぞれ1番手と6番手を獲得した。

フリープラクティス第1セッションは、コース・コンディションの影響でスタートからわずか3分で一時中断。そして現地時間10時29分、再びグリーン・シグナルが灯るとマーベリック・ビニャーレスは出走。セッション前半では新旧フレームを比較、後半はより詳細なセッティングに取り組みながらリズムをつかみ、5ラップずつ合計3回の走行で1分35秒263を記録。トップから0.583秒差の12番手につけた。

第2セッションではさらにセッティングを煮詰めてYZR-M1がアッセンのコースに適応し始めると、マーベリック・ビニャーレスは3回目のアタックでベストタイムを更新。タイヤ・オプションを試し、最終走行では1分33秒台を連発してトップに浮上した。ベストタイムは1分33秒130。2番手以下に0.367秒差をつけた。

チームメイトのバレンティーノ・ロッシも走行再開とともに出走し、新型フレームのフィーリングをテスト。セッション終盤では、このあとの天候悪化の可能性を考慮してトップ10入りを目指し、8分間の連続走行のなかで1分34秒841を記録して5番手につけた。トップとの差は0.161秒。

午後からの第2セッションでは合計19ラップを走行するなかで少しずつラップタイムを更新。とくにツイスティなセクションにマシンが合ってきたことで、さらにコンマ数秒を絞り出すことができた。そして最終的には1分33秒830を記録して6番手を獲得。トップのマーベリック・ビニャーレスとの差は0.7秒。

Monster Yamaha Tech3のジョナス・フォルガーとヨハン・ザルコは、伝統のアッセンTTサーキットでともに好調スタート。ジョナス・フォルガーは第1セッションで転倒があったにもかかわらず、両セッションの総合成績ではサテライト勢トップの総合2番手を獲得。一方のザルコは第1セッションで2番手につけたが、第2セッションではジョナス・フォルガーにコンマ5秒離されて8番手となった。

Movistar Yamaha MotoGP

マーベリック・ビニャーレス (フリー走行トップ/1分33秒130)
「両セッションとも順調でした。タイヤ・オプションを比較しながらできるだけ多く周回することを目標にしていて、そのなかでとくにソフト・タイヤが決勝の最後までもってくれるかどうかを試したかった。ポテンシャルについては明日もう一度、様子を見ようと思いますたい。フリープラクティス第4セッションはもっと暑くなるはずだから、そのなかで決勝に適したスペックを見つけることができると思います。得意なコースですし、マシンもよく走ってくれているうえに、セッティングも順調です。2回のセッションを通して明日につながる貴重なデータをたくさん収集することができました。新型フレームを試し、それについてチームとよく話し合い、結局いつものように、グリップさえ良ければとても乗りやすいマシンが出来上がるという結論になりました。今日のマシンはとても乗りやすくて、コントロールしやすくて、フィーリングも上々でした」

バレンティーノ・ロッシ (フリー走行総合6番手/1分33秒830)
「アッセンはいつもそうだけど、今日も初めのうちはとても苦労しました。それでも最終的にはラップタイムが上がり、第1セッションでは5番手、第2セッションでは6番手を獲得することができました。明日は天気が悪くなりそうだから、間違いなくQ2に進むためには今日からトップ10に入っておくことが重要です。アッセンで好天に恵まれるのは珍しいことだから、その点では今日はとてもラッキー。新型フレームを十分試すことができたし、マシン全体のフィーリングもつかむことができました。マシン・バランスはまだ100%ではないけれど、ウイークの初日としては上出来です」

マッシモ・メレガリ (チームディレクター)
「前回のカタルニアで苦戦しているだけに、今日の最初のセッションがとても重要でした。その意味でもふたつのセッションのなかでやるべきことがたくさんあったわけですが、結果的にわれわれの努力が実りました。カタルニアGP後に行ったテストがとても順調で、そこでライダーたちから得たフィードバックが生きた結果。第1セッションでまず新旧フレームを比較、セッティング作業を進め、さらにタイヤ・オプションもテストすることができました。明日は天気が悪くなるかもしれないので、今日、多くの仕事をして基礎を固めることができたことはとても良かったと思っています。ライダーたちは二人ともマシンに好感触を得ており、それぞれ1番手、6番手を獲得することができました。明日のフリープラクティス第3セッションが雨になることも考えられるので、今日の結果が非常に重要です」

Monster Yamaha Tech3

ジョナス・フォルガー (フリー走行総合2番手/1分33秒497)
「第1セッションで転倒して厳しい状況だったので、そのことを考えれば、この最終結果を喜んでいいですね。スタートしてから、いくつかコーナーを抜けただけのところで、ドビツィオーゾのマシンから漏れたオイルに乗ってハイサイド。この転倒でリズムを崩し、自信を失ってしまうのではないかと初めはかなりナーバスになっていました。そんなことにはなかったので安心していますMotoGPマシンでこのコースを走るのは初めてだから、その分、少し時間はかかったけれど、フィーリングをつかんでからは一気に前進しました。僕自身のライディングも良かったし、M1のセッティングの方向性も正しかったらしくラップタイムが向上したうえにとても安定していたんだ。そしてそのおかげで、最後にこうして2番手を獲得することができたのだから、今日の成果に満足ですね」

ヨハン・ザルコ (フリー走行総合8番手/1分33秒986)
「初日としてとても順調だったと思います。明日はもしかしたら雨が降ってしまうかもしれないけれど、そのための準備も整っています。午後からの第2セッションでは、初めの計画通りにユーズド・タイヤを使用。でもライバルたちがどんどんタイムを上げてきて、しかも途中で雨が降ってきたから焦ってしまいました。幸い、雨は長く続かなかったので、そのあとソフト・タイヤに履き替えて最後の15分でラップタイムを更新。とくに8ラップか9ラップ走ったあとで調子が上がってきて、コンスタントに好タイムを記録することができました。いい手ごたえをつかむことができたので、明日はさらに自信を深めていけるように頑張ります。雨が予想されているので、そうなったらまず、路面のグリップの状況をよく観察する必要があります。このマシンでウエットを走った経験もあるのだから、状況の変化に自信を持って対応していきたい。レイン・タイヤの性能も素晴らしいから不安はないよ。それに、もしも明日、雨が降ったとしても大丈夫。今日の8番手でQ2に進出することができますから。逆にドライ・コンディションになれば、トップ10入りを目指してプッシュしてくるライダーが大勢出てきます。どちらにしてもベストを尽くし、同時に慎重さを忘れずに攻めていきます」

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カテゴリー: F1 / MotoGP