【MotoGP】 ヤマハ:第7戦 カタルニアGP 決勝レポート
Movistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシとマーベリック・ビニャーレスは、カタルニアGPでそれぞれ8位と10位でゴールラインを通過し、貴重なポイントを手中にした。
バレンティーノ・ロッシは好スタートから順位をひとつ上げたが、ヨハン・ザルコとバトルして再びグリッド・ポジションの13番手へ後退。4ラップ目の始めに、スコット・レッディング(ドゥカティ)をパスすると、ジャック・ミラー(ホンダ)とエクトル・バルベラ(ドゥカティ)を一気に抜き去り10番手へ浮上した。
ここからさらに順位を上げていこうと、ペースを上げるなかで自己ベストを更新。5ラップ目にはヨハン・ザルコの背後に迫り、1ラップもしないうちに前へ出ることに成功した。その後Aアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)のリタイアによって一時8番手へ上がったが、10ラップ目にはミスをおかして再びヨハン・ザルコの後方へ。
しばらく後ろについてゆき、そのままホルヘ・ロレンソとアルバロ・バウティスタ(いずれもドゥカティ)をパスするも、突然タイヤ・グリップが落ちて、6番手争いから離脱することとなってしまった。終盤でダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が転倒し、バレンティーノ・ロッシはトップから20.821秒差の8位でチェッカーを受けた。
一方、グリップ不足に苦しめられたマーベリック・ビニャーレスは、グリッド9番手から慎重にスタートし、コーナーをいくつか抜けたあたりで16番手を確保。フィーリングをつかめないながらも、ひとつポジションを上げ、その後はその位置をキープすることに集中した。
エスパルガロのリタイアによって14番手へ。その3ラップ後にはタイヤの感触がつかめるようになったためアタックを開始し、12ラップ目にレッディングをパスして13番手に浮上。さらにミラーが転倒し、20ラップ目にはカル・クラッチロー(ホンダ)をとらえて、ついにはトップ10入りの可能性が見えてきた。残り4ラップでバルベラをパスして10番手へ。ペトルッチのリタイアにより一時9番手に上がったが、最終ラップで再びバルベラと競り合い10位でチェッカーを受けた。
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコが、14番手からスタートしたあと素早く順位を上げてヤマハ勢トップの5位を獲得。厳しい暑さで、難しいコンディションになったにもかかわらず、レース終盤までに6番手へ浮上し、最終ラップではチームメイトをパスしてサテライト勢トップの座をもぎ取った。
ジョナス・フォルガーは8番手グリッドから好スタートを切って4番手に浮上。序盤からトップグループに加わり、レース中盤までそのポジションをキープした。後半戦はグリップ不足に悩まされて苦戦したものの、ヨハン・ザルコに続く6位でゴール。開幕以来の連続ポイント獲得記録を更新した。全戦でポイントを獲得しているのはフォルガーただひとり。
バレンティーノ・ロッシは8ポイントを加算したものの、合計83ポイントでランキング5位へ。マーベリック・ビニャーレスはバレンティーノ・ロッシを28ポイント上回る101ポイントでランキング・トップをキープしている。Movistar Yamaha MotoGPもまたチーム・ランキングでトップに立ち、2位との差は22ポイント。またコンストラクターズ・ランキングでも14ポイントをリードしてトップをキープしている。
Movistar Yamaha MotoGPは明日、カタルニア・サーキットで公式IRTAテストを予定している。
「ここで去年は優勝しましたし、大好きなコースのひとつですから、今日はとても悲しいです。プラクティスでは路面温度とグリップ・レベルに問題を抱え、決勝が厳しい戦いになることはわかっていました。あまりうまくいきませんでしたが、とにかく少しでも多くのポイントを獲得するべくベストを尽くしました。明日は重要なテストになります。試したいことがたくさんあるんです。次の連戦ではトップに返り咲きたいですね」
マーベリック・ビニャーレス (10位)
「非常に苦しい展開でした。時には、ポイントを獲ることだけに集中しなければならレースもあるんです。いつもの順位とは違いますが、これが今日のベストなので、6ポイントを獲得し、依然としてチャンピオンシップをリードしていることを喜ぶべきでしょうね。次回からはもっと上を目指していきますよ」
マッシモ・メレガリ (チームディレクター)
「フリープラクティスの全セッションで苦戦してきたので、厳しい展開になることをはじめから予想していました。今日のようなコンディション、つまり暑くて路面グリップが低下しているときには、われわれのマシンはいつものような強さを発揮することが難いようです。8位と10位は目標とは違いますが、チャンピオンシップのためには価値あるものです。今日のことは記憶の底にしまい、次のレースに集中していきたいですね。明日もここに残ってテストに参加するので、エンジニアたちが開発した新しい材料についてすぐさまフィードバックすることができます。彼らは今回、今日のような状況のなかでパフォーマンスを向上させるための新しい2種類のフレームを持ち込んでいます。表彰台へ復帰する日も遠くはありません」
「結果に大満足、同時にとっても疲れました。この暑さのなかですので、体力的な厳しさは誰もが同じだったと思います。路面グリップが不十分で、タイヤもグリップ感が落ちてきてしまいましたが、僕にとっては大した問題ではありません。このような状況のとき、ライバルたちよりもフィーリングがいいみたいなんです。グリッド14番手からのスタートだったので、どんどん攻めていかなければなりませんでしたが、レース序盤は大勢が競り合い、接触もあって大混乱。それでもトップグループのペースがそれほど上がっていなかったので、必ず追いつけると考えていたんです。ところが、レース中盤になっても、上位がそれほど速くなっていないにもかかわらず、僕も同じようなペースだったため、十分に追いつけませんでした。終盤ではペトルッチが転倒し、ロレンソが僕を抜いて差を広げていき、ジョナスが僕の目の前にいました。彼が苦戦しているのがわかったので、僕は気持ちを集中してラインをキープし、最終ラップで仕掛けていったんです。その結果、こうして5位を獲得することができました。難しいウイークでしたが、最後に好成績を得られたことが今後に向けて大きなモチベーションになります」
ジョナス・フォルガー (6位)
「非常にタフなウイークエンドでした。でもそのなかで、これまでの数戦よりもずっと大きく前進することができたと思います。これまでの僕らに足りなかった予選とレース序盤で力を発揮できたことが大きな収穫です。このふたつを改善することで大幅に順位が上がり、好成績を獲得することができたのです。でも最終ラップでヨハンに抜かれてしまったのは残念です! 始めからずっと僕のほうがリードしていて、彼を封じ込めたつもりでいたのに最後につかまってしまったんですから......。いずれにしろ、前進し、進化したことは間違いないので、僕をここまで引き上げるためにがんばってくれたチームのみんなに感謝しています。彼らはいつも"必ずできる"と言ってくれるんです。そして今日はその通りになりました」
エルベ・ポンシャラル (チームマネジャー)
「非常に素晴らしく、激しく、厳しいウイークでした。誰もが苦しみましたが、われわれは最後に好結果を導き出すことができ満足しています。気温が高く、グリップが足りず、多くの不安要素が残っていたにもかかわらず、ふたりのライダーが素晴らしい仕事をしてくれました。ジョナスはウイークを通じて常にヤマハ勢トップの座をキープ。決勝でも好スタートを決めてトップグループに加わり、中盤までそのポジションを維持して、自信を持って気持ちよく乗れているように見えました。最後に少し遅れてしまったものの、それまでの活躍は強く印象に残っており、大いに評価できます。一方のヨハンも、驚異的なペースで走り、前のライダーとの差をじりじりと詰めていきました。彼は常にファイターであり、今日も、指に小さなひびが入った状態で果敢に攻め続けていました。そして最終的には、チームメイトのふたりがコンマ数秒差で次々にゴールするという、われわれにとってはまさに夢のようなシナリオが現実になったのです。チャンピオンシップでは、ヨハンがバレンティーノ・ロッシに8ポイント差まで迫っています。ジョナスは持ち前の速さをようやく結果に結びつけることができましたが、ここが最終地点ではなく、これからもっとわれわれを驚かせてくれるでしょう。ふたりのライダーを心から誇りに思っています。明日はテストを予定しており、そのなかでいくつか解決策を見つけ出して次のオランダGPに備えたいですね」
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カテゴリー: F1 / MotoGP
バレンティーノ・ロッシは好スタートから順位をひとつ上げたが、ヨハン・ザルコとバトルして再びグリッド・ポジションの13番手へ後退。4ラップ目の始めに、スコット・レッディング(ドゥカティ)をパスすると、ジャック・ミラー(ホンダ)とエクトル・バルベラ(ドゥカティ)を一気に抜き去り10番手へ浮上した。
ここからさらに順位を上げていこうと、ペースを上げるなかで自己ベストを更新。5ラップ目にはヨハン・ザルコの背後に迫り、1ラップもしないうちに前へ出ることに成功した。その後Aアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)のリタイアによって一時8番手へ上がったが、10ラップ目にはミスをおかして再びヨハン・ザルコの後方へ。
しばらく後ろについてゆき、そのままホルヘ・ロレンソとアルバロ・バウティスタ(いずれもドゥカティ)をパスするも、突然タイヤ・グリップが落ちて、6番手争いから離脱することとなってしまった。終盤でダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)が転倒し、バレンティーノ・ロッシはトップから20.821秒差の8位でチェッカーを受けた。
一方、グリップ不足に苦しめられたマーベリック・ビニャーレスは、グリッド9番手から慎重にスタートし、コーナーをいくつか抜けたあたりで16番手を確保。フィーリングをつかめないながらも、ひとつポジションを上げ、その後はその位置をキープすることに集中した。
エスパルガロのリタイアによって14番手へ。その3ラップ後にはタイヤの感触がつかめるようになったためアタックを開始し、12ラップ目にレッディングをパスして13番手に浮上。さらにミラーが転倒し、20ラップ目にはカル・クラッチロー(ホンダ)をとらえて、ついにはトップ10入りの可能性が見えてきた。残り4ラップでバルベラをパスして10番手へ。ペトルッチのリタイアにより一時9番手に上がったが、最終ラップで再びバルベラと競り合い10位でチェッカーを受けた。
Monster Yamaha Tech3のヨハン・ザルコが、14番手からスタートしたあと素早く順位を上げてヤマハ勢トップの5位を獲得。厳しい暑さで、難しいコンディションになったにもかかわらず、レース終盤までに6番手へ浮上し、最終ラップではチームメイトをパスしてサテライト勢トップの座をもぎ取った。
ジョナス・フォルガーは8番手グリッドから好スタートを切って4番手に浮上。序盤からトップグループに加わり、レース中盤までそのポジションをキープした。後半戦はグリップ不足に悩まされて苦戦したものの、ヨハン・ザルコに続く6位でゴール。開幕以来の連続ポイント獲得記録を更新した。全戦でポイントを獲得しているのはフォルガーただひとり。
バレンティーノ・ロッシは8ポイントを加算したものの、合計83ポイントでランキング5位へ。マーベリック・ビニャーレスはバレンティーノ・ロッシを28ポイント上回る101ポイントでランキング・トップをキープしている。Movistar Yamaha MotoGPもまたチーム・ランキングでトップに立ち、2位との差は22ポイント。またコンストラクターズ・ランキングでも14ポイントをリードしてトップをキープしている。
Movistar Yamaha MotoGPは明日、カタルニア・サーキットで公式IRTAテストを予定している。
Movistar Yamaha MotoGP
バレンティーノ・ロッシ (8位)「ここで去年は優勝しましたし、大好きなコースのひとつですから、今日はとても悲しいです。プラクティスでは路面温度とグリップ・レベルに問題を抱え、決勝が厳しい戦いになることはわかっていました。あまりうまくいきませんでしたが、とにかく少しでも多くのポイントを獲得するべくベストを尽くしました。明日は重要なテストになります。試したいことがたくさんあるんです。次の連戦ではトップに返り咲きたいですね」
マーベリック・ビニャーレス (10位)
「非常に苦しい展開でした。時には、ポイントを獲ることだけに集中しなければならレースもあるんです。いつもの順位とは違いますが、これが今日のベストなので、6ポイントを獲得し、依然としてチャンピオンシップをリードしていることを喜ぶべきでしょうね。次回からはもっと上を目指していきますよ」
マッシモ・メレガリ (チームディレクター)
「フリープラクティスの全セッションで苦戦してきたので、厳しい展開になることをはじめから予想していました。今日のようなコンディション、つまり暑くて路面グリップが低下しているときには、われわれのマシンはいつものような強さを発揮することが難いようです。8位と10位は目標とは違いますが、チャンピオンシップのためには価値あるものです。今日のことは記憶の底にしまい、次のレースに集中していきたいですね。明日もここに残ってテストに参加するので、エンジニアたちが開発した新しい材料についてすぐさまフィードバックすることができます。彼らは今回、今日のような状況のなかでパフォーマンスを向上させるための新しい2種類のフレームを持ち込んでいます。表彰台へ復帰する日も遠くはありません」
Monster Yamaha Tech3
ヨハン・ザルコ (5位)「結果に大満足、同時にとっても疲れました。この暑さのなかですので、体力的な厳しさは誰もが同じだったと思います。路面グリップが不十分で、タイヤもグリップ感が落ちてきてしまいましたが、僕にとっては大した問題ではありません。このような状況のとき、ライバルたちよりもフィーリングがいいみたいなんです。グリッド14番手からのスタートだったので、どんどん攻めていかなければなりませんでしたが、レース序盤は大勢が競り合い、接触もあって大混乱。それでもトップグループのペースがそれほど上がっていなかったので、必ず追いつけると考えていたんです。ところが、レース中盤になっても、上位がそれほど速くなっていないにもかかわらず、僕も同じようなペースだったため、十分に追いつけませんでした。終盤ではペトルッチが転倒し、ロレンソが僕を抜いて差を広げていき、ジョナスが僕の目の前にいました。彼が苦戦しているのがわかったので、僕は気持ちを集中してラインをキープし、最終ラップで仕掛けていったんです。その結果、こうして5位を獲得することができました。難しいウイークでしたが、最後に好成績を得られたことが今後に向けて大きなモチベーションになります」
ジョナス・フォルガー (6位)
「非常にタフなウイークエンドでした。でもそのなかで、これまでの数戦よりもずっと大きく前進することができたと思います。これまでの僕らに足りなかった予選とレース序盤で力を発揮できたことが大きな収穫です。このふたつを改善することで大幅に順位が上がり、好成績を獲得することができたのです。でも最終ラップでヨハンに抜かれてしまったのは残念です! 始めからずっと僕のほうがリードしていて、彼を封じ込めたつもりでいたのに最後につかまってしまったんですから......。いずれにしろ、前進し、進化したことは間違いないので、僕をここまで引き上げるためにがんばってくれたチームのみんなに感謝しています。彼らはいつも"必ずできる"と言ってくれるんです。そして今日はその通りになりました」
エルベ・ポンシャラル (チームマネジャー)
「非常に素晴らしく、激しく、厳しいウイークでした。誰もが苦しみましたが、われわれは最後に好結果を導き出すことができ満足しています。気温が高く、グリップが足りず、多くの不安要素が残っていたにもかかわらず、ふたりのライダーが素晴らしい仕事をしてくれました。ジョナスはウイークを通じて常にヤマハ勢トップの座をキープ。決勝でも好スタートを決めてトップグループに加わり、中盤までそのポジションを維持して、自信を持って気持ちよく乗れているように見えました。最後に少し遅れてしまったものの、それまでの活躍は強く印象に残っており、大いに評価できます。一方のヨハンも、驚異的なペースで走り、前のライダーとの差をじりじりと詰めていきました。彼は常にファイターであり、今日も、指に小さなひびが入った状態で果敢に攻め続けていました。そして最終的には、チームメイトのふたりがコンマ数秒差で次々にゴールするという、われわれにとってはまさに夢のようなシナリオが現実になったのです。チャンピオンシップでは、ヨハンがバレンティーノ・ロッシに8ポイント差まで迫っています。ジョナスは持ち前の速さをようやく結果に結びつけることができましたが、ここが最終地点ではなく、これからもっとわれわれを驚かせてくれるでしょう。ふたりのライダーを心から誇りに思っています。明日はテストを予定しており、そのなかでいくつか解決策を見つけ出して次のオランダGPに備えたいですね」
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カテゴリー: F1 / MotoGP