MotoGP ホンダ チェコGP
マルケス今季6勝目。最高峰クラスで通算50勝目を達成する
後半戦のスタートとなった第10戦チェコGPは、スタート直前に一時的に強い雨が降ったため、スタート時間が40分間順延となり、クイックスタート方式で一周減算の20周で行われた。

路面コンディションはウエット。しかし、メインストレートにウエットパッチが残る程度で、コースのほとんどが乾いているため、全車スリックタイヤでグリッドに並んだ。今季6回目、最高峰クラスの最多ポールポジション(PP)タイ記録となる58回目(3クラス通算86回目)のPPから好スタートを切ったマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、オープニングラップに首位に浮上すると、快調にラップを重ね、独走で今季6勝目を達成した。

ウエットコンディションの中で行われた前日の予選でも、微妙なコンディションの中、真っ先にスリックタイヤを装着してスーパーラップを刻んだ。そして、ウエット宣言されたものの、ほとんどドライコンディションとなった決勝レースでも、すばらしい走りでライバルを圧倒した。最高峰クラス50勝は歴代4位。通算76勝はマイク・ヘイルウッドに並ぶ歴代4位の記録達成となった。

この優勝でマルケスは、今大会2位でフィニッシュしたランキング総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に63ポイント差、今大会8位で総合3位のダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティ)に81ポイント差をつけた。

ウエットコンディションの予選で11番手と納得のいかないグリッドに終わっていたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が、オープニングラップ8番手に浮上すると、ペトルッチ、ポル・エスパルガロ(KTM)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)をかわし5位でチェッカーを受けた。ブルノではPPと優勝を経験しているクラッチローだけに、5位という結果には満足していないが、連戦となるオーストリアGPに向けて、いいかたちでレースを終えることができた。

第8戦オランダGPで左足首を負傷、続く第9戦ドイツGPもケガの影響に苦しんだ中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)が、9位でチェッカーを受けた。予選13番手から好スタートを切って序盤に10番手に浮上すると、終盤、前を走るエスパルガロをかわし9位でチェッカーを受けた。足のケガもほぼ回復、3戦ぶりのトップ10フィニッシュを果たし、連戦となる第11戦オーストリアGPに向けて手応えのある結果となった。

ケガで欠場のホルヘ・ロレンソの代役として2戦連続の出場となったステファン・ブラドル(Repsol Honda Team)が、予選17番手から15位でフィニッシュ。前戦ドイツGPの10位に続き、2戦連続でポイント獲得を果たした。鈴鹿8時間耐久ロードレースで乗ったスーパーバイクからの乗り換えに時間を要し、さらに不安定な天候が続き、本来のポテンシャルを発揮できませんだったが、連戦となる第11戦オーストリアGPでは、シングルフィニッシュを目指す。

マルク・マルケス(MotoGP 優勝)
「ウエットパッチが残っている状態だったので序盤から集中して走りました。特に1コーナーが濡れていたので気をつけました。ヤマハ勢は後方からのスタートでしたが、朝のウオームアップで強い走りをしていたので、自分のリズムをキープしなければなりませんでした。そして、ドヴィツィオーゾも後ろにいたので、プッシュし続けなければなりませんでした。ギャップを広げるために10周目からさらにプッシュしようとしたのですが、注意深く走らなければならない状態でした。レースがディレイになったことは最善の決断だったと思います。なぜならコースのコンディションがミックスされていて、かなり危険だったからです。天候が不安定な週末でしたが、Repsol Honda Teamの仕事は完ぺきでした。優勝するためによくサポートしてくれました」

カル・クラッチロー(MotoGP 5位)
「うまくオーバーテイクすることができず、序盤にして、すでに3.8秒ほど遅れてしまいました。ペトルッチとバレンティーノ(ロッシ)の後ろでかなり時間をロスしました。でもベストを尽くしました。スタートしたグリッドを考えれば、満足のいく結果です。レースではいいスタートを切ることができました。トップとのギャップを考えて、ソフトのリアタイヤを使いました。トップとの差は一時2秒まで縮まりましたが、路面コンディションが悪く、リアタイヤがかなり消耗しました。チームとHondaはいい仕事をしてくれました。予選はあまりうまくいかず、マシンのフィーリングもあまりよくありませんでしたが、決勝でトップ5でフィニッシュすることができてよかったです」

中上貴晶(MotoGP 9位)
「今日は長い時間、ポル(エスパルガロ)とダニーロ(ペトルッチ)が前を走っていて、この2人をパッシングしようと全力を尽くしました。終盤、ポルはかわせましたがダニーロには届きませんでした。チェッカーを受けたときに後ろにマーベリック(ビニャーレス)がいて、驚きました。サインボードで後ろに(フランチェスコ)バニャイアがいるのは知っていましたが、マーベリックが迫ってきていることは知りませんでした。今日は難しいコンディションでしたが、フロントにハード、リアにソフトを選択しました。7、8周を終えてグリップが落ちてきましたが、タイヤの選択は悪くなかったと思います。今日は10番手をずっと走行することになり、最終的に9位でフィニッシュしました。ものすごくいいという成績ではありませんが、またシングルにもどってこられてよかったです。明日のテストでは、次のオーストリアGPに向けて準備を進めたいです。スタート時間が遅れて、チームもたいへんでしたが、決勝レースのスタート時間を遅らせたレースディレクションの判断はよかったと思います」

ステファン・ブラドル(MotoGP 15位)
「もっといい結果を残すポテンシャルがあったと思うので、今日の結果は、あまりうれしくありません。金曜日から前進しましたが、土曜日に雨が降り、ドライコンディションの走行時間が短くなったことが、今日のレースに影響しました。リアグリップとコーナリングに苦戦しました。ポイントを獲得できたことはよかったのですが、オーストリアではもっといい結果を残したいです。2週連続でRepsol Honda Teamに加わることができて、ワクワクしています。すでにオーストリアのレースのことを考えています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP