MotoGP ホンダ オーストラリアGP
MotoGP 日本GPからの連戦となった第17戦オーストラリアGPは、時折り小雨が落ちる不安定な天候の中でフリー走行が行われた。この日は、午前中に行われたMoto3クラスのフリー走行で、コース上に出たオイルの処理で2時間の中断となり、大幅にスケジュールが変わった。MotoGPクラスの2回のセッションは、ともに午後に行われ、ドライコンディションだった。

こうして、イレギュラーなタイムスケジュールで行われたフリー走行だが、前戦日本GPで3年連続5度目のチャンピオンに輝いたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、これまで通りタイヤテストに集中、連続周回をこなし、決勝に向けて準備を進めた。1回目のセッション終盤に、前後新品タイヤでコースインして3周目に転倒を喫したが、2回目のセッションでは1回目のセッション終盤に投入したタイヤで連続ラップをこなし、多くのデータを収集した。初日は、トップから1秒差以内に9台という接戦となり、その中で7番手のマルケスだが、内容では相変わらずポールポジション(PP)争い、優勝争いに加わる走りでファンを喜ばせた。

チームメートのダニ・ペドロサは初日13番手、2日目のフリー走行で予選Q2進出に向けてトップ10内を目指す。不安定な天候の中でペドロサは、FP1では1コーナーで転倒、FP2ではタイムを短縮したがポジションは変わらず苦戦の一日となった。課題はフロントの接地感で、土曜日のフリー走行、予選で改善に取り組む。

ルーキー・オブ・ザ・イヤーに向けて着実に前進しているフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、リアのセットアップに苦戦する一日となり18番手。しかし、このコースを得意としているだけに、2日目のフリー、予選でタイムとポジションを上げることが期待される。

中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は、高速コーナーが続くフィリップアイランド攻略にやや手間取り、ソフトタイヤでアタックしたFP2では転倒してタイムを伸ばせず19番手。モルビデリ同様、2日目のフリーと予選でコース攻略に全力を尽くす。

初ポイント獲得に闘志を燃やすトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、21番手からイギリスGPの15番手を凌ぐベストグリッド獲得に挑む。

初日5番手とHonda勢トップのカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、FP2のセッション終盤に1コーナーで転倒し、右足首を骨折して今大会を欠場する。クラッチローはメルボルン市内の病院で手術を受ける予定。

マルク・マルケス(MotoGP 7番手)
「今日はマシンやフロントタイヤのフィーリングがよくないままスタートすることになりました。そして予想もしていない転倒をしてしまいました。セカンドセッションでは7番手に終わりましたが、前進できたので満足しています。マシンを調整して、フィーリングを理解するためにロングランをこなしました。まだやることはたくさんありますが、今は正しい方向へ進んでいると思います。今回も接戦になっています。みんなのポジションがまだはっきりしないので、明日がどうなるか様子を見たいです。もちろん100%を尽くします」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 13番手)
「今日の1回目のセッションは感触は悪くありませんでした。しかし、同じタイヤを使い、マシンにもなにも調整していない状態でセカンドランに出たとき、フロントから転倒してしまいました。2回目のセッションでもコーナリングでのフロントの感触は完ぺきではありませんでした。タイヤはソフトとミディアムスペックを試しました。引き続き取り組んでいかなければなりません。明日がどうなるか様子を見たいです」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 18番手)
「今日はリアのパンピングの問題でかなり苦戦しました。そのため難しい一日になりました。でもハードタイヤではまずまずの速さがあったのでよかったです。なぜこうしたことが起こったのか原因を考えなければなりません。とにかくこのサーキットをMotoGPマシンで走ることができてよかったです。明日も引き続き、決勝に向けてパフォーマンスをよくしていくことに集中したいと思っています」

中上貴晶(MotoGP 19番手)
「オランダGPの行われるアッセンと似たような感じで、切り返しのタイミングなどがつかみにくく、最後まで攻略できませんでした。タイヤを冷やさないようにしながら、だれかの走りを見ようと思いましたがうまくいきませんでした。今日はスケジュールが大きく変わり、FP1のあと、マシンのセットアップをちゃんとチェックする時間がないまま、FP2に挑まなくてはいけませんでした。今日はハードで走って着実にセットアップを進めたいと思っていました。FP2の最後に、ソフトタイヤでタイムを出そうと思ったのですが、6コーナーの進入で転んでしまいました。今日はマシンのセットアップはもちろんのこと、コース攻略ができていないままの部分もいくつかあるので、明日も引き続きコース攻略に努めたいです」

トーマス・ルティ(MotoGP 21番手)
「FP1は、とてもいいスタートが切れました。スピードもあり、前進できると思いましたが、間違った方向でセットアップを進めてしまいました。明日に向けて再度マシンのバランスを考え直さなければなりませんが、進むべき方向性について、おもしろいことを見つけました。明日の天候が安定することを願っています。天候がよければ、予選と決勝に向けて準備を整えることができると思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP