MotoGP ホンダ サンマリノGP
MotoGP 第13戦サンマリノGPのフリー走行は終日、雲の多い天候となったが、FP1、FP2ともにドライコンディションとなり、Honda勢は予定されていたそれぞれのメニューに取り組んだ。

Repsol Honda Teamを除く2チームは、8月下旬にミサノでテストを実施しているため、そのときのデータを基に走行を開始したが、テスト時に比べて気温も路面温度も低かったことから、コースインするたびにセットアップを調整する一日となった。

その中で、カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)が積極的な走りで3番手につけ、Honda勢最上位。総合首位で今季6勝目と大会2連覇を狙うマルク・マルケス(Repsol Honda Team)は、テスト走行をしていないためタイヤテストに集中して5番手。ホームグランプリに闘志を燃やすフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は10番手と、それぞれ好調なスタートを切った。

自身にとってのホームレースとなるはずだった前戦イギリスGPがキャンセルになり、フラストレーションが溜まっているクラッチローは、チームにとってのホームグランプリとなる今大会に闘志を燃やしている。FP1は2番手、FP2では3番手と一つポジションを落としたが1分33秒台でラップを刻み、セッション終盤には前後に新品タイヤを投入し、トップから0.187秒差の3番手につけた。

タイトなコーナーが連続するミサノは、毎年、大接戦となるが、不安定な天候が続いているため、FP2はQ2進出を賭けた厳しいアタック合戦となった。その中で総合首位につけるマルケスは、これまで通りFP1、FP2ともにセッション1セットで連続走行を行い5番手につけた。FP1は前後にミディアム、FP2はフロントにミディアム、リアにソフト。ライバル勢が新品タイヤを入れてアタックする中で、1セッション1セットで好走を見せるマルケスの走りは際立っており、今季5回目のポールポジション(PP)獲得を期待させるものだった。

モルビデリは8月にミサノで行ったテストデータと、決勝レースは中止になったものの前戦イギリスGPで試したセットアップが今大会の好走に大きく貢献し、10番手からの好調なスタートに繋がった様子だ。

2年ぶり3回目のサンマリノGP制覇を狙うダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、土曜日のウエットコンディションを想定して、Q2進出のためにトップ10内を狙ったが、わずかに届かず12番手に終わった。課題はセクター2とセクター4で、明日はQ2進出と好ポジションの獲得に全力を尽くす。

フリー走行初日はトップから1秒差以内に15台がひしめく接戦となり、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)は順調にタイムを短縮したが、転倒した影響もあり初日総合では16番手。ワイルドカードで出場のステファン・ブラドル(HRC Honda Team)は19番手、初ポイント獲得を狙うトーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は23番手だった。

カル・クラッチロー(MotoGP 3番手)
「FP1とFP2、そしてFP3は、予選に向けてリズムをつかむことが重要な仕事になります。今日のFP1とFP2では、みんなが違うタイヤを違うタイミングで使っていましたが、これまで通りの手順でセットアップを進めました。全体的にマシンの感触はよく、チームはとてもいい仕事をしています。引き続き、戦闘的になれると思います。今日の唯一の問題は、フロントタイヤが少しロックすることです。この状況を改善するために、引き続き取り組まなければなりません。全体的にはいい一日になりました。今日の結果には満足しています」

マルク・マルケス(MotoGP 5番手)
「とてもうれしい一日になりました。最初からいいセットアップでスタートすることができました。そして、とてもいい仕事ができました。FP2でも、引き続き前進することができました。ほかのライダーたちは2週間前にここでテストをしているので、僕たちは正確にすべての仕事に取り組むように努力しました。そして今日のペースにはとても満足しています。マシンの感触はよく、うまく走ることができました。目標はいつものように決勝に向けて仕事をすることだったので、セッション終盤に新品タイヤを使いませんでした。明日どうなるかは様子を見たいです。多くのライダーはすでに速いラップを刻んでいますが、僕たちもすでにタイムをマークしています」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 10番手)
「いい日でした。レースに向けて価値のある仕事がたくさんできました。事前にこのサーキットをMotoGPマシンで走っていたので、今日はそれがアドバンテージになりました。今のところ、いい状態に仕上がっています。また、シルバーストンで試したいくつかのセットアップのオプションが、ここでもうまくいっています」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 12番手)
「今日は少し複雑でした。雨が降ると思っていたので、トップ10に入れるようにプッシュしなければならず、厳しい接戦になりました。幸いにも、終日、ドライセッションになったので、セットアップに集中しました。今日はわずかの差でトップ10を逃したので、明日もドライコンディションになり、前進できることを願っています。今のところセクター2とセクター4があまりうまくいかないので、このパートを改善し、もっと速くなれるようにがんばらなければなりません」

中上貴晶(MotoGP 16番手)
「8月にテストしたときとコンディションが大きく変わりました。今日は気温も路面温度も低く、テストのときはハードコンパウンドがベストでしたが、今日のコンディションには合いませんでした。マシンのセットアップはテスト時のベストの状態でスタートし、午後は少しセットアップを変えました。ホイールベースを長く、車高を上げたのですが、その結果、フロントの安定性が薄くなり、15コーナーでフロントからあっという間に転んでしまいました。明日は元の状態に戻してスタートします。今日はコーナーリングスピードは速かったのですが、ストレートで伸びがなく、その原因を探っています。明日はQ2進出を目指してがんばります」

ステファン・ブラドル(MotoGP 19番手)
「コンディションは2週間前のテストのときとかなり違ったので、違うフロントタイヤを使いました。午後は気に入っているタイヤの使用を我慢しなければなりませんでした。明日、あさってに向けてキープしたかったからです。FP2ではラップタイムとレースペースで前進できました。しかし、フロントタイヤの左側のフィーリングが完全ではなく、少しセットアップを調整しなければなりません。FP1とFP2で、いくつか違うことを試しました。明日は最良のセットアップを見つけなければなりません。前進できると思います」

トーマス・ルティ(MotoGP 23番手)
「テストのときはポジティブな仕事ができたのですが、今日の路面コンディションは違いました。午前中のセッションはテストのときよりも遅く、グリップに苦しみました。午後はソフトタイヤを試しましたが、うまくいかず、思うようには進まない一日でした。明日はプランを変えてレースのセットアップを理解しなければなりません。今のところ期待していたようなスピードはありません」

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カテゴリー: F1 / MotoGP