MotoGP フランスグランプリ マルク・マルケス
MotoGP フランスGPの予選は、終日、青空が広がる絶好のコンディションとなり、フロントローに並んだ3選手のタイム差が、わずか0.196秒差という厳しい戦いになった。その中で、フリー走行で総合2番手につけて予選Q2に進出したマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、予選でも快調にラップを刻み、開幕戦カタールGP以来、今季2度目のフロントローに並ぶこととなった。

初日も転倒の多かったMotoGPクラスだが、2日目も路面コンディションとタイヤのマッチングが非常にシビアな一日となり、フリー走行、予選Q1、Q2と転倒の多い一日となった。厳しいコンディションの中でマルケスも午前中のフリー走行で転倒したが、決勝に向けて大きくセットアップを進め、FP3、FP4では1分32秒台のハイペースでラップを刻み、アメリカズGP、スペインGPに続く3連勝に向けて大きく前進した。

初日8番手のダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、午前中3回目のフリー走行でタイムを更新できず、トップから1秒差に16台という大接戦の中で16番手へとポジションを落とした。そのため、フリー走行11番手以下のQ1から予選へ。しかし、ペドロサはQ1できっちりと実力を発揮。2番手タイムをマークしてQ2に進出し、10番グリッドへとポジションを回復した。4列目と決していいグリッドではないが、ル・マンはペドロサが得意とするサーキットの一つであり、追い上げのレースに挑む。

初日に転倒の影響で11番手と出遅れたカル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、2日目のフリー走行でも大接戦の中で11番手。ペドロサ同様、Q1から予選に挑むことになった。クラッチローは、予選Q1前のFP4で今大会2度目の転倒。さらにQ1でもハイサイドで転倒を喫した。

その結果、クラッチローはQ1で3番手。わずかの差でQ2進出を逃し、13番グリッドが確定した。転倒したクラッチローは、投げ出された際に尻からコース上に落下し、医務室に運ばれた。さらに、検査のため市内の病院に運ばれ、走行できるどうかの検査を受けている。そのため、本日のコメントはない。

前戦スペインGPでベストリザルトの9位でフィニッシュしたフランコ・モルビデリ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)は、今大会、着実にタイムを短縮して16番手。決勝では2戦連続シングルフィニッシュとベストリザルトを狙う。前日のフリー走行で転倒して右足を痛めた中上貴晶(IDEMITSU LCR Honda)は、痛み止めを飲んで2日目の走行に挑んだ。足の痛みの影響はそれほどなかったが、難しい路面コンディションの中でタイヤパフォーマンスをうまく引き出せず19番手。トーマス・ルティ(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)もセッションをこなすごとにタイムを短縮したが21番手。ルーキー3選手は、後方から追い上げのレースに挑む。

マルク・マルケス(MotoGP 2番手)
「予選はとてもうまくいきました。速く走れることを期待していましたが、1分31秒2は本当に速いタイムでした。ヨハン(ザルコ、今大会がホームGP)はほかになにか違う力があったのだと思いますし、今大会のポールポジションは彼にふさわしいと感じました。このサーキットは苦手な場所の一つなので、今日の結果は非常にうれしいです。まだ少し苦戦していますが、自分だけではなく、全体的に転倒の多いレースウイークになっています。アスファルトのグリップは最高です。そのためにマシンを寝かせすぎてしまいます。そしてプッシュしすぎてしまうので転倒のリスクが高まります。午前中は気温が低かったのですが、午後のセッションも、新品のタイヤでは、プッシュできるまで時間を要しました。これは明日へ向けてとても重要なことで、考慮しなければならない点です。今日はたくさんのタイヤを試しましたが、まだ決まっていません。決勝では、最良のコンパウンドを選び、うまくレースをすることが重要になります。明日の一番のライバルは(アンドレア)ドヴィツィオーゾだと思います。彼はフロントローではありませんが、絶対前に出てくると思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 10番手)
「ラップタイムは接近していて、その差は本当にわずかですが、それがかなり重要です。残念ながら予選はあまりうまくいきませんでした。この結果にはあまり満足していません。全体的にも、ここまではあまり満足していません。今夜一生懸命取り組んで解決策を探します。今のところ、どのパートでも少し足りないものがあります。このサーキットでは、それが結果的に大きなギャップになります。もし、もう一歩前進することができれば、コース全体におけるスピードを上げられると思います。これがポジティブなことです。なにができるか様子を見て、明日は完全にレースに集中したいです」

フランコ・モルビデリ(MotoGP 16番手)
「金曜日に比べて前進できたし、とてもポジティブな日になりました。チームはいい仕事をしてくれました。このサーキットではトップスピードに苦戦していますが、あらゆるところでタイムを縮めようとがんばっています。そのためにはコーナースピードも必要になります。レースでは速いライダーのスリップストリームを使えることを願っています」

中上貴晶(MotoGP 19番手)
「昨日に比べればちょっと風が強く、タイヤ温度をキープするのが難しい一日でした。ミシュランからもコース上であまりペースを落とさないようにと言われていました。そういう理由もあったのかもしれませんが、今日も転倒車の多い一日でした。今日はFP4でソフトを試しましたが、思ったよりも耐久性があり、明日の決勝もソフトで走るかもしれません。フロントは、ミディアムでいくと思います。今回はFP1からFP2にかけて多少よくなったのですが、2日目は少し足踏みしてしまいました。グリッドはよくありませんが、レースは長いし、リアタイヤのマネージメントも難しいコースなので、最後までしっかり走ってチャンスを逃さないようにしたいです。昨日の転倒で右足を痛めていますが、今日は痛み止めを飲んで走り、そのおかげで足の痛みはそれほどタイムに影響しませんでした」

トーマス・ルティ(MotoGP 21番手)
「予選でベストラップをマークした周回は、イエローフラッグが出ていたときで少し運がありませんでした。もっと速いタイムが出せたと思うし、少し残念です。全体的には前進できました。特にFP4では、レースを想定して周回しましたが、前進することができました。レースに向けた最終的なセットアップとタイヤ選択のためにデータをチェックしたいと思います」

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カテゴリー: F1 / MotoGP