MotoGP
MotoGP 第9戦ドイツGPが、6月30日(金)~7月2日(日)の3日間、ドレスデン近郊のザクセンリンクで開催される。ザクセンリンクの歴史は古く、1927年に初めて公道を使ったレースが行われ、1961~1972年には、東ドイツGPの舞台となった。そして、90年に東西ドイツが統合されるとザクセンリンクでのグランプリ復活を望む声が高まり、全面改修を受けた1998年にドイツGPの舞台として再び開催。今年で20度目の開催を迎える。

グランプリが復活した当初のザクセンリンクは、一周3.508kmのショートコース。タイトなコーナーが連続し、ストレートも短く、エンジンパワーをほとんど発揮できないレイアウトだった。

そのため、2001年にコースの後半部分が改修されて3.704kmへと延長された。さらに、03年にはコース幅を広げる改修が行われ、全長は3.671kmへとわずかに短くなったが、MotoGPマシンのパフォーマンスを発揮できるコースに生まれ変わった。以来、ザクセンリンクは、パッシングポイントの多い白熱した戦いが繰り広げられるサーキットとして、選手たちから好評となっている。

過去19度の大会でHondaは13勝を挙げている。ザクセンリンクで優勝してきたHondaライダーは、ミック・ドゥーハン、アレックス・バロス、バレンティーノ・ロッシ(現ヤマハ)、セテ・ジベルノー、マックス・ビアッジ。そして、Repsol Honda Teamで12年目のシーズンを迎えるダニ・ペドロサは、07年、10年、11年、12年と過去4勝を挙げている。さらに、MotoGPクラスにデビューした2013年に史上最年少記録でチャンピオンに輝いたマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が、13年から16年までドイツGP4連勝を達成してファンを喜ばせた。ダニ・ペドロサ、マルク・マルケスのRepsol Honda Teamの両選手が、過去7年連続でドイツGPを制覇してきた。今年は8連覇とHondaとして14回目のザクセンリンク制覇に挑む。

13年、14年、そして16年とこれまで3度MotoGPクラスのチャンピオンに輝いたマルク・マルケスは、COTAで開催されるアメリカズGP同様、MotoGPクラスにデビューしてからの連続優勝記録を更新している。今年はアメリカズGPに続き、大会5連覇への期待が膨らんでいる。過去、ドイツGPで優勝したマルク・マルケスは、それ以降、調子を上げて勝ち星を重ね、タイトル獲得に大きく前進しており、ここはマルク・マルケスにとって相性のいいサーキットの一つになっている。

これまでマルク・マルケスは、10年には125cc、11年と12年にはMoto2クラスを制している。そして、13~16年はMotoGPクラスで4年連続制覇と、ドイツGPでは7連勝。2年連続4回目の最高峰クラス制覇を狙うマルク・マルケスにとっては、今季2勝目と大会8連勝を目指す戦いとなる。

チームメートのダニ・ペドロサも、ザクセンリンクを得意としている。これまで、250ccクラスで2勝、最高峰クラスで4勝を挙げて、自身最多の大会6勝を挙げる相性のいいサーキットだ。過去4年はチームメートのマルク・マルケスが強く、なかなか優勝できていないが、14年、15年と連続2位。“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった昨年は、マシンチェンジを行ってから苦戦して6位だったが、今年はマルク・マルケスとともに優勝候補の筆頭。前戦オランダGPは、“フラッグ・トゥ・フラッグ”で13位に終わったが、今大会は、シーズン2勝目と5回目の表彰台を目指す。

前戦オランダGPで猛烈に追い上げて4位でフィニッシュしたカル・クラッチロー(LCR Honda)は、得意とするザクセンリンクに闘志を見せている。昨年の大会は、“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった難しいレースで2位。この表彰台をきっかけに、シーズン後半戦は2勝を挙げる大躍進を果たした。今大会では、2年連続表彰台獲得と今季初優勝に挑む。

前戦オランダGPを6位でフィニッシュしたジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)も、得意とするザクセンリンクで今季初表彰台を目指します。“フラッグ・トゥ・フラッグ”となった昨年の大会では、マシンチェンジのタイミングをミスしなければ表彰台に立てたレースだった。あれから一年、今年はその雪辱に挑む。今年は8戦を終えてトップ10フィニッシュが5回と大きな成長を見せた。前戦オランダGPでは今季ベストの6位。今大会は、それ以上のリザルトを目標に挑む。

チームメートのティト・ラバトは、8戦を終えて7回のポイント獲得と安定したレースを続けている。しかし、課題は予選グリッドの悪さ。今大会はフリー走行と予選からスピードを上げ、決勝ではトップ10を目指す。

マルク・マルケス(MotoGP 総合4位)

「ザクセンリンクに行くのを楽しみにしています。これまで我々にとっていいサーキットでした。今年は、路面が新しくなっているので、どう変わったのかを見極めなくてはなりません。グリップは、この数年に比べたら高いと思いますが、前戦オランダGPのように、あらゆる状況に対応できるよう集中しなくてはいけません。ここは好きなサーキットなので、強いレースをしたいです。総合首位のドヴィツィオーゾとわずか11ポイント差。我々にとってはいい状況です。チャンピオンシップは接戦になっているし、これまで通り落ち着いて、そしてこれまで以上にいい結果を残せるようにがんばります」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 総合5位)

「ザクセンリンクはシーズンを通して好きなサーキットの一つです。できるだけいいリザルトを残すために準備はできています。路面が改修されたことについては、どう変わったのか予測するのは難しく、いまはなにも期待することはありません。これまで通り、チームとともに正しい方向でマシンのセットアップを行い、あらゆる状況でタイヤのパフォーマンスを引き出せるようにしたいです。ポイントもそれほど離れていないし、日曜日の決勝でいい結果を残すために、金曜日から全力を尽くします」

カル・クラッチロー(MotoGP 総合9位)

「ザクセンリンクを楽しみにしています。昨年はチームにとってすばらしいレースになりました。今年も表彰台獲得を目標に全力を尽くします。ザクセンリンクは好きなサーキットです。いい結果を残し、夏休みを迎えたいです。これまでHondaは、このサーキットで好結果を残してきました。今年も再びトップグループで戦うことを目標にがんばります」

ジャック・ミラー(MotoGP 総合11位)

「ザクセンリンクをいつも楽しみにしています。このサーキットは独特なレイアウトですが、いつもいい走りができています。昨年のレースは、初めて”フラッグ・トゥ・フラッグ”をまともに経験したレースでした。マシンをチェンジするタイミングを間違えなければ、おそらく優勝できたと思います。ザクセンリンクはタイトなコーナーが続くテクニカルコースです。これまでは、Hondaと相性のいいサーキットなので、今年も楽しみです。また、今大会に割り当てられるタイヤを確認したいです。今年は路面が改修されましたが、我々にとっては未知数です。今週のレースがとても楽しみです」

ティト・ラバト(MotoGP 総合17位)

「前戦オランダGPは、最終的にいいレースになったと思いますが、フリー走行と予選があまりよくなかったので、今週のザクセンリンクにも少し不安があります。とにかく、金曜日のフリー走行からいいペースで走れるようにしなければなりません。テクニカルコースのザクセンリンクは、我々Honda勢にとっていいコースだと思うし、そのよさを最大限生かさなければなりません。アッセンでは目まぐるしく変わるコンディションに合わせてセットアップに追われました。今週もこれまで通り、レースに集中していい状態にしていきたいです」

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カテゴリー: F1 / MotoGP / ホンダF1